【注意】このページで説明しているのは、ゲーム「A列車で行こう はじまる観光計画」における損益計算書の説明です。一般の会計事務における損益計算書についての説明ではありません。

損益計算書とは?

損益計算書は、その年の会社の業績を表す書類です。英語では"Profit and Loss Statement"などと呼ばれ、よく"P/L"と略されます。

会社が本業の売上高はいくらか、どのような分野でどれだけ利益、損失を出しているかを分野別にまとめています。
また損益推移グラフでは、収益/利益合計(青色)、費用/損失合計(黄色)の推移を5年分(今年度+過去4年分)に渡ってグラフ表示され、どのように損益が推移しているかを把握するのに役立ます。
また損益対比グラフでは、売上高の比率を基準として、費用の比率が表示され、売上と費用の比率がひと目で分かります。
収益は主に入ってきたお金を表し、費用は主に出ていったお金を表します。ただし、ここで言う「お金」とは現金だけでなく金銭的価値のあるものすべてを指すので、実際の現金のやり取りと同じではありません。後述のようにお金を払っても費用に計上されないことや、逆に減価償却費などのように実際にはお金を払っていなくても費用が計上されることなどが数多くあります。
収益と費用は決して減ることなく蓄積されていき、決算時にリセットされます。収益から費用を引いたものを利益(マイナスのときは損失)と呼びます。特に収益と利益は意味を取り違えると大きな誤解のもとになるので注意。

損益計算書の構成

損益計算書は以下の要素で構成されています。
収益/利益費用/損失概要
売上高売上原価本業である鉄道・道路運送・資源取引・子会社運営に直接関連する売上と費用
販売費及び一般管理費会社の営業活動費用のうち売上原価に含まれないもの
営業外収益営業外費用会社の営業以外の活動で得た収益及びかかった費用
特別利益特別損失会社の本業とは関係のない臨時的な利益及び損失

また、会社の利益性を表す指標として、以下のような集計項目があります。
項目計算方法概要
売上総利益(売上総損失売上高ー売上原価会社の本業の基本的な収益力。粗利とも呼ばれる
営業利益(営業損失売上総利益ー販売費及び一般管理費組織運営も含めた会社の営業活動の成果。事業利益とも呼ばれる
経常利益(経常損失営業利益+営業外収益ー営業外損失会社が毎期繰り返して上げることが見込める持続的な利益
税引前当期純利益(税引前当期純損失経常利益+特別利益ー特別損失最終的に会社が今期どれだけの利益を上げられたか
毎年決算時(3月31日)に、上記の「税引前当期純利益」に応じて法人税等が確定します。この税金をさらに差し引いた額が最終的な「当期純利益(当期純損失)」となります。
決算時にこの当期純利益がプラスであれば「黒字決算」となり、マイナスであれば「赤字決算」となります。
赤字決算になると、会社のブランド力低下や、社員のやる気低下など経営に悪影響はあるものの、赤字決算になるだけで倒産(ゲームオーバー)はしません。
ただし、シナリオの設定や株式公開を目指すなどで黒字決算の達成が求められる場面は多々ありますし、赤字決算がいつまでも続くようだと、会社の資金が枯渇するのは時間の問題となります。
やむなく赤字決算になるにしても短期で押さえ、一刻も早く黒字回復できるよう努めましょう。

お急ぎの方は

「税引前当期純損益」「法人税等」「当期純損益」を見れば、会社の業績はだいたい分かります。
税引前当期純損益と当期純利益は、上で説明したので省略します。
法人税等は、次年度の6月1日までに払わなければならない、現在の法人税の額です。
つまり、この書類は今年度に会社が利益を出したか、それとも損失を出したかを見るものなので、重要なのはこの3つという訳です。ここさえ分かっていればどうにでもなるので、お急ぎの方はここでお帰りいただいても構いません。

各項目の説明

売上高
会社が自社の営業活動(本業)で得た収益をまとめたもの。
「自社がどれだけ金を稼ぐことが出来るか」を見る上で一番基礎となる数字といえます。

鉄道売上
鉄道事業での売上を集計したもの。
旅客列車の運賃収入、貨物列車の貨物売上、駅舎の構内売上の要素があります。
貨物列車が都市内の貯蔵場に資源を降ろしたときは同額の資源関連費用が発生し、総合的には利益にはなっていないことに注意。
適切に旅客列車を運行し、乗客の乗降需要を満たすことが出来れば売上を増加させることが出来ます。
また、貨物列車で資源を適切に自都市内の消費地や隣街に輸送することが出来れば売上を増大させることが出来ます。

道路運送売上
道路運送事業での売上を集計したもの。
バスの運賃収入、バスターミナルの構内売上、トラックの貨物売上の要素があります。
トラックが都市内の貯蔵場に資源を降ろしたときは同額の資源関連費用が発生し、総合的には利益にはなっていないことに注意。
適切にバスを運行し、乗客の乗降需要を満たすことが出来れば売上を増加させることが出来ます。
また、トラックで資源を適切に自都市内の消費地や隣街に輸送することが出来れば売上を増大させることが出来ます。

資源関連売上
資源貯蔵庫の資源売却での売上を集計したもの。
資源の消費地が資源を消費(購入)したときに売上が発生します。
貨物列車/トラックが資源貯蔵場から資源を積んだ際にも発生しますが、同額の鉄道/道路運送費用が発生しているので総合的には利益になっていないことに注意。

子会社売上
会社が保有している子会社の売上を集計したもの。
子会社の経営方針を「経費節約→標準」または「標準→売上追及」に変更すれば売上額を伸ばすことが出来ます。
とはいえ、それ以上に経費が増加する可能性があるうえ、経営方針の変更自体に費用がかかる為注意。

売上原価
会社が売上を上げるために直接必要とされる費用をまとめたもの。
売上高からこの売上原価を差し引いたものが売上総利益と呼ばれ、本業でどれぐらい利益がでているかの目安となります。同じ売上高でも原価を安く抑えられた方が利益は高くなるという事です。
鉄道施設など運行費/運営費、資源の仕入れ費用などが該当します。

鉄道費用
鉄道事業の運行にかかる費用を集計したもの。
列車の運行費、駅の運営費、貨物調達の要素があります。売上の発生しない貨物駅や車庫などでも運営費がかかるので注意。
都市内の資源貯蔵場から資源を積んだときは同額の資源関連売上が発生します。
列車の配置/撤去時、線路や駅舎の撤去時にも費用が計上されます。
乗客需要に応じ旅客列車の無駄な運行(深夜など乗降需要のない時間)を抑えることで費用を節約することが出来ます。
さらに一部株式の優待獲得で費用を節約することも出来ます。

道路運送費用
鉄道事業の運行にかかる費用を集計したもの。
車両の運行費、バスターミナルと車庫の運営費、貨物調達の要素があります。
都市内の資源貯蔵庫から貨物積荷を積んだときは同額の資源関連売上が発生します。
バス/トラックの配置/撤去時、道路や停留所の撤去時にも撤去費用が計上されます。
乗客需要に応じバスの無駄な運行(深夜など乗降需要のない時間)を抑えることで費用を節約することが出来ます。
さらに一部株式の優待獲得で費用を節約することも出来ます。

資源関連費用
資源貯蔵庫の資源購入費での費用を集計したもの。
資源貯蔵場が周りの生産地からの供給で満杯になるまでは、自動的に生産量そのままが購入されることになり、費用は多大になります。
消費/売却の当てもないのに生産地周りに大規模な貯蓄場を設置すると、購入費用が馬鹿にならなくなるので注意!
また、資源の調達地と消費地との距離が離れていると、貨物列車などの運行費が上乗せされる分費用が高くなってしまいます。

子会社費用
子会社の運営費用を集計したもの。
子会社の経営方針を「売上追求→標準」ないし「標準→経費節約」に変更すれば経費を抑えることが出来ますが、子会社売上が低下してしまう上、経営方針の変更自体に費用がかかる為注意。

販売費及び一般管理費
会社を運営するにあたって、直接的な原価以外に必要となる様々な営業費用をまとめたもの。
宣伝費や会社組織の維持/拡大(従業員の士気向上など)に使用された費用のほか、納税した一部の税金もこの項目で計上されます。
売上総利益が出ていたとしても、この販売費及び一般管理費を引いた結果損失がでるようでは、会社としては本業で利益を稼ぐ事が出来ないという事になり、良い状態とは言えません。
必要以上の出費は出来るだけ抑えたいところ。

販売費
売上原価以外で営業活動に使用した費用を集計したもの。
プラン「営業部拡大」「人員増減」「運賃増減」「テレビコマーシャル」「ツアー企画」の費用に加え、子会社の経営方針変更時にかかる費用が該当します。

従業員賞与
従業員に支払ったボーナスを合計したもの。
毎年2回支払われる通常ボーナスの他、プラン「特別ボーナス」を実施した時も計上されます。
特別ボーナスに関しては業務負荷を適切に維持出来ていれば社員状況も低下せずプランを行わずに済むので、費用を節約することが出来ます。

福利厚生費
難易度「やさしい」では表示されません。
会社の社員福利厚生に使った費用を合計したもの。
プラン「福利厚生」「社員旅行」を実行したときに計上されます。
業務負荷を適切に維持出来ていれば社員状況も低下せず、プランを行わずに済むので費用を節約することが出来ます。

支払手数料
土地や株式の売買を行った際に仲介業者に支払った手数料を合計したもの。
土地売買では売買価格の3%、株式売買では売買金額の2%が手数料になります(いずれも株主優待未取得時の場合)。
頻繁に売買を行うなら、株主優待で手数料軽減を図ることも検討しましょう。
子会社の撤去を行ったときの撤去費用もこの項目で計上されます。

租税公課
税金のうち、損金(費用)として認められているものを集計したもの。
固定資産税が対象となります。
また、土地や建物を取得した際に、登録免許税と不動産取得税も租税公課として計上されます(個々の買収時に取引明細の租税公課として表示)。
法人税等は損金とは認められないため、費用計上外です。

減価償却費
会社の所有する土地を除いた固定資産は経年劣化(老朽化)していくので、毎年一定の割合で資産価値を減少させ、その分を費用計上したもの。
償却の割合は固定資産の種別によって異なります。
固定資産のうち、土地は経年劣化しないので、減価償却は適用外。商品も長期間保有するものではないため適用外です。

繰延資産償却費
研究開発費などに資金を使った際は、単年度費用ではなく一旦資産(繰延資産/研究開発費)計上し、それを複数年に渡って費用計上したもの。
プランのうち「各種車両開発」「地下鉄道技術獲得/地下道路技術獲得」「技術供与」「地下資源調査」「新幹線誘致」「貿易港誘致」「空港誘致」が該当します。
上記のプランに使用した資金は5年間に分割して20%ずつ費用計上されます。

寄付金
公共施設の建設や道路の敷設時に支払った費用を計上したもの。
建物価格(道路なら構築物価格。土地取得も同時に行うなら土地価格も含む)が全額寄付金として費用計上されます。
無闇に道路を敷設しまくると、高額な寄付金が計上されて赤字になってしまうので注意!
公共施設や道路の地価上昇効果が期待できる事も合わせると、節税目的で費用を増やすのに効果的と言えるかもしれません。

退職給付引当金繰入
従業員の退職金に備え毎年積み立てる引当金を計上したもの。
従業員の数が増えるにしたがって金額も増加していきます。

営業外収益
会社が本業以外で得た収益をまとめたもの。
毎年得られるものもありますが、あくまで副次的な収入です。当てにし過ぎるのはあまりおすすめできません。

受取配当金
毎年7月1日に会社が所持している他社の株式から得られた配当金を集計したもの。
同時に自社も株主に対して配当を支払いますが、これは費用計上されません。

広告収入
駅構内や車両内に掲載した広告から得た広告収入を集計したもの。
毎年5月20日、9月20日、1月20日の3回に渡って広告収入を得ることが出来ます。
収入の規模は駅舎や車両の数や会社のブランド、時代及び景気に影響されます。
旅客列車や旅客駅、バスがが対象となります。貨物駅や信号場、車庫、貨物列車、トラック及び客車(ここでは機関車で牽引するもの)は対象外です。

助成金収入
行政の助成制度に基づき、指定の地区に指定の業種の建造物を建設すると得られる助成金を集計したもの。

有価証券売却益
株券を売却した際に発生した利益をまとめたもの。
株式の売却時に支払う取引手数料は別の項目で計上されるので、売買の結果資金が減ってしまっても売却益は計上されます。

営業外費用
会社の本業以外の活動で発生した費用をまとめたもの。
恒常的に発生するようなものではないので、この費用が一時的に大きくなったとしてもきちんと本業で収益を得られているなら、あまり問題にはなりません。

支払利息
銀行からの融資を返済(繰上返済も含む)した時の利息分を費用計上したもの。
銀行融資の利息は定期的に払うものではなく、返済時に一括で払うルールになっているので、この項目が計上されるのは返済時のみとなっています。

有価証券売却損
株券を売却した際に発生した損失を計上したもの。
株式の売買時に支払う取引手数料は別の項目で計上されるので、売買の結果資金が減ってしまっても売却損は計上されます。

特別利益
会社の本業以外で得られた利益のうち、特に「臨時的に発生した利益」をまとめたもの。
繰り返し得られる収入とは言い難く、この項目が大きく利益計上されたからといって経営状態が良好になったとは言えません。

固定資産売却益
固定資産を売却した際に発生した利益をまとめたもの。
建物の場合、建設/購入時の価格が原価として計算されます(取得から年月が経っている場合は減価償却分を差し引き)。
土地の場合、個別の購入価格は記録されていないため、「平均取得額(土地の取得額合計/区画数)」を原価として計算されます。
車両の場合は購入時の価格が原価となります(取得から年月が経っている場合は減価償却分を差し引き)。
列車メニューで「編成変更」から減車した車両は売却されます。

特別損失
会社の本業とは関係のないところで臨時的に発生した損失をまとめたもの。
一時的な損失なので、本業できちんと利益を出しているなら、特別損失が多少発生した所で問題は少ないと思われます。
一方で毎年多額の特別損失を出しているというのは好ましい状態ではありません(無闇に線路などの敷設/撤去を繰り返すと特別損失が大きくなりがち)。
事前にしっかりとした計画を立て(セーブも忘れずに)、費用を少しでも節約するよう努めたいところ。

固定資産売却損
固定資産を売却した際に発生した損失を計上したもの。
固定資産売却損は経常的な損失(毎期繰り返し見込める損失)ではないため、営業外費用ではなく特別損失で計上しています。
建物の場合、建設/購入時の価格が原価として計算されます(取得から年月が経っている場合は減価償却分を差し引き)。
土地の場合、個別の購入価格は記録されていないため、「平均取得額(土地の取得額合計/区画数)」を原価として計算されます。
車両の場合は購入時の価格が原価となります(取得から年月が経っている場合は減価償却分を差し引き)。
列車メニューで「編成変更」から減車した車両は売却されます。

固定資産処分損
固定資産を撤去処分し用地にした時に建造物の残存簿価(建設/購入時の価格から減価償却分を差し引いた価格)額を損失として計上したもの。
実際に撤去時にかかる費用は別項目で勘定されます。
  • 線路・駅舎の撤去費用は「鉄道費用」に計上。
  • 道路・停留所の撤去費用は「道路運送費用」に計上。
  • 子会社の撤去費用は「支払い手数料」に計上。
  • 資源貯蔵場の撤去費用は「資源関連費用」に計上。

雑損失
上記の損失に当てはまらない損失を計上したもの。
売買案件の際に発生した違約金が計上されます。
しっかりと売買案件を達成していれば違約金が発生せず、費用を節約することが出来ます。

純利益
上記の収益・利益/費用・損失を集計し、結果総合的に会社が利益を得ているか損失を出しているかをまとめたもの。

税引前当期純利益
純利益のうち、法人税等を差し引いていないもの。
とりあえずはこの項目をプラス(黒字)にするのが順調な経営の目安となるでしょう。

法人税等
税引前当期純利益のおよそ半額を計上したもの。
税引前当期純損失の場合でも80万円計上されます。
決算時に税額が決定されますが、実際の納税は次年度の6月1日までになります。

当期純利益
税引前当期純利益から法人税等を差し引いた額
決算時にこの項目がプラスなら黒字決算、マイナス(当期純損失)なら赤字決算となります。

その他

建設費などは費用ではない
建物の建設費や購入費用は、ここで言う「費用」ではありません。確かに、現金を減らして建設・購入する訳なのですが、現金資産から建物という資産に形が変わるだけであり、資産を失った訳ではない為です。「桃太郎電鉄」をプレイした事がある方は、物件を買っても総資産が減らないのを思い出すといいでしょう。

割と現実に近い
ここまで書いてきたことの多くは、実は会社法の教科書に書いてある事です。このゲームの損益計算書は、結構リアルなんです。
なので、このゲームの損益計算書の見方を理解できれば、案外いい経理の勉強になるのです。簿記の資格を取りたい方にオススメ?


関連スレッド

【A列車で行こう はじまる観光計画】雑談スレッド
【A列車で行こう はじまる観光計画】フレンド募集スレッド
【A列車で行こう はじまる観光計画】質問スレッド

この裏技・攻略を…

ツイートする

この裏技・攻略が…

役に立った(1人) 立たなかった

100% (評価人数:1人)