むかし、むかし、あるところに猿とかにがありました。
 ある日、猿とかにはお天気がいいので、連れだって遊びに出ました。
その途中、山道で猿は柿の種と柿の種を拾いました。
またしばらく行くと、川のそばで、かにはおむすびとあふぅを拾いました。
かには、
「こんないいものを拾った。なんかくっついているけれど。」
 と言って猿に見せますと、猿も、
「わたしだってこんないいものを拾った。こっちもくっついているし、なんかたくさんいるけど。」
 と言って、柿の種とはるかさんを見せました。けれど猿はほんとうはおむすびがほしくってならないものですから、かにに向かって、
「どうだ、この柿の種と取りかえっこをしないか。あ、あふぅはいいから。」
 と言いました。
「じゃあ、どうするの?コイツ。」
かには尋ねます。
「こうするの。」
ぱんっ。
猿は手を叩きます。
「あらー。」
なんか「こたぷーん」なのが現れました。
そして、猿は「こたぷーん」の横にあふぅを置くと、
「待って。」
かにが遮ります。
「どったの。一体。」
「いや、コイツも一緒に送るから。」
そう言って川で増殖を続けるはるかさんを指さします。
「戻してからな。あんなにも無理。」
「そう・・・・・。じゃ、戻すから待ってね。猿さん。」
「整列!!」ぱぁん!!  ザッ
「戻れ!!」ビッ ビュンッ

一瞬ではるかさんは1体に戻ります。
「ちょ、おまwwwwwなんなの?」
猿は驚きを隠せません。
「気にしたら負けよ。」
あっさり言うかに。
「・・・・・・・・・・(コクン)」
かにの回答に無言で頷く猿。
ぱんっ。
もう一度手を叩きます。
フヒュッ
「こたぷーん」とあふぅとはるかさんは一瞬で消えました。
「何・・・?今の・・・・・・。」
「ワープ。」
かにの質問にあっさり答えるさる。
「どうなってるの?」
「あー。・・・・・うん。あれだ。『気にしたら負け』。」
「・・・・・・・・・・(コクン)」
さるの回答に無言で頷くかに。
「・・・・・・・で、話を戻すよ。」
さるは一度、咳払いをしてから、会話を本筋に戻します。
「どうだ、この柿の種と取りかえっこをしないか。」
「でもおむすびの方が大きいじゃないか。」
 とかには言いました。
「でも柿の種は、まけば芽が出て木になって、おいしい実がなるよ。
そして市場に出せば大儲けができる。」
 と猿は言いました。そう言われるとかにも種がほしくなって、
「それもそうだなあ。億万長者よね。」
と、言いながら、とうとう大きなおむすびと、小さな柿の種とを取りかえてしまいました。猿はうまくかにをだましておむすびをもらうと、見せびらかしながらうまそうにむしゃむしゃ食べて、
「さようなら、かにさん、ごちそうさま。さよなライオン。」
 と言って、瞬間移動で自分のうちへ帰っていきました。