お店や施設の住人のお話　〇たぬきち４〇

〇たぬきち〇
エピソード４「つぶきちとまめきちの見分け方」

【１話】
ふぅ…
おっと、いけないいけない
どんなご用だなも？
まったくもう!
つぶきちとまめきちのヤツにも困ったものだも…
ボクにあの二人の見分けがつかないとでも思ってるのか、
一人ずつお給料を貰いに来るだなも!
あれは、ボクに対する挑戦だなも…試しているだなも!!
ふふん、○○さんに何が分かるんだも？
ボクは知ってるだもよ
つぶきちとまめきちの見分け方…
左手首にホクロがあるのがまめきちで、
右手首にホクロがあるのがつぶきちなんだなも!
ん？
待てよ…ひょっとしたら逆だったかもしれないだも


【２話】
ふぅ…
おっと、いけないいけない
どんなご用だなも？
まったく…
つぶきちとまめきちのずる賢さにはまいるだもよ
ボクね…寝る前にハチミツを舐めるのが、
１日の終わりの楽しみなんだなも
商売がら頭を使うもんだから、
仕事が終わると無性に甘いモノが欲しくなるだもよ
うん…そのボクの楽しみにしてるハチミツをね
つぶきちとまめきちがぜーんぶ舐めてしまったんだなも!
…さすがにあの時はボクも激怒しただなも
ついつい暴れてしまって、大事な売り物のツボを叩き割っちゃったぐらいだも!
でもね、その後の二人のいいワケがね…
「尊敬するたぬきちさんのようになりたくて、
いけないと知りつつ、つい、舐めてしまいました!」
…とまあ、こんな具合で、
なんとなくそれ以上、怒るに怒れなかっただもよ…


【３話】
ふぅ…
おっと、いけないいけない
どんなご用だなも？
……
ボクもいつまでも一人身じゃいけないだなも…
エ？！
いやだなぁ…○○さん、ボクが一体何歳に見えるの？
まめきちもつぶきちもボクの子どもなんかじゃないだもよ?!
彼らはただの従業員で、血のつながりは無いんだも
いわゆる「師弟関係」というヤツなんだなも!
その証拠に二人ともボクのコト、たぬきちさんって呼ぶでしょ？
親を「さん」付けで呼ぶ子どもなんて、どこの世界にいるんだも!
というワケで、ボクはまだ独身だも!
よく誤解されるけど、バツイチなんかでもないんだも!
エ？
ああ…
○○さんがそんなコト思っていなければ、別にいいんだも