返信数:16 最終更新:2011-05-16 00:33
ファイアーエムブレム封印の剣、ファイアーエムブレム烈火の剣に於いて、未だ語られることのない人竜戦役の話。
全てフィクションです。
○八神将とは○
人竜戦役で活躍した人類側の英雄。英雄ハルトムート、小さな勇者ローラン、狂戦士テュルバン、騎士の中の騎士バリガン、神騎兵ハノン、大賢者アトス、聖女エリミーヌ、謎多き者ブラミモンド、の八人。戦役後は、各地に分かれて復興に努めた。
(Wikipediaより抜粋)
○人竜戦役とは○
エレブ大陸で千年前におきた人類と竜族の間の戦争。人類の侵攻に端を発した。当初は個々の能力が圧倒的に優る竜族が優勢であったが、次第に個体数に勝る人類が戦線を覆していった。これに対して竜族は生体兵器「戦闘竜」とそれを大量に生み出す母体「魔竜」の開発に成功、数的不利を挽回し、戦線は膠着状態に陥った。そこで人類側は決戦兵器「神将器」を「八神将」に託し、「魔竜」の篭る竜族の拠点「竜殿」を襲撃。しかしその戦闘において竜族と「神将器」の強大な魔力が相干渉し、「終末の冬」と呼ばれる事象が起こり、竜族はその個体能力を激減させてしまった。結果、人類は戦争に勝利し、生き延びた竜族はエレブ大陸から追われる事となった。
(wikipediaより抜粋)
○話の形式
話は原作通り章ごとに。
登場人物の性格について、既に公式で決められているのはそれに合わせます。それ以外は創作です。
厨2全開、黒歴史メーカーなんて気にしません。
自己満足。
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メーカー | 任天堂 |
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発売日 | 2003年4月25日 |
JANコード | 4902370506471 |
他の機種 | Wii U版 |
「そうか。わざわざ御苦労なさった。」
目を開いて伝令を見ると、優しい表情を浮かべた。
「今日はお主も疲れているだろう。今夜ももう暗い、夜の一人度は危険だ。こちらで一晩休んでいきなさい。」
急いで帰路に着こうとする伝令を止め、部下に部屋の用意をさせた。謁見の間からは人が引き、侯爵が玉座で一人で考え事をしていた。
明くる朝、伝令が城を発つと、侯爵は軍門のローランを呼んだ。軍を統率して竜に立ち向かえるのは今は彼しか居ない。
「お主にも例の話は届いただろう。これは急を要する問題だ。軍を貸し与えるから、率いてこれよりの戦いに備えよ。」
ローランは了承した。詳しい行軍日程や軍資金物資については後に軍議で決めるだろう。胸の内に高まる思いを押さえつつ、彼は謁見の間を後にした。
ローランはその夜眠れなかった。実際竜というモノがどのようなものか分からないし、行く宛も定まらない。不安な旅になることは覚悟しているが、何せ失敗は許されない。彼は全人類の希望を背負っている気がした。すべての重圧が背中へのし掛かり、背骨から足の指骨までを砕いていくかのようだった。
明くる日、エルヴィン侯爵は一人の男を紹介した。オスロと言う名の男で、予てより軍師としてオスティアに従事している男だという。見た目は知識人のような感じだが、体はなかなか逞しい。年は30半ばを数えるだろう。
「初めまして、オスロと申します。この度の行軍で軍師として助力することになりました。よろしくお願いします。」
ローランも宜しく、と軽く挨拶すると、侯爵の了承を得て、彼の手を引っ張り軍議室に篭もった。
オスロはなかなかの知識人で、竜の行動のノウハウから戦闘力まで調査済みだった。一通りの戦略の後、彼は行軍にって意について話し始めた。
「伝令の申すとおり、各地に使者が送られているならば、きっとエトルリアとリグレ公爵ならご助力なさってくれる筈です。彼らは古くから仲を良くさせていただいていますからね。」
ローランは立ち上がった。彼の蒼い瞳に一つの希望が映る。力の漲る拳を押さえ、冷静を装いながら息を洩らした。
「よし、まずはリグレ公爵だ。」
会議はおよそ4時間にわたった。なんせこれから長い長い旅程になるのだ、無理はない。外はもう漆黒の闇が、城を吸い込むように包んでいた。夜空には一等星が点滅するように煌めいていた。