アイテムを購入・採集して、それを加工・分解・導刻(時間を操る)などして様々な別のアイテムを作り出し、依頼をこなすことで町の人々と交流しながら、時にはモンスターと戦い、時には仲間キャラと友好度を深めながら、ゲーム上での3年間を過ごして様々なエンディングを迎えるゲームです。


一応、マイスターRPGという風に宣伝されましたが、RPGの要素を持ったキャラクターゲームという印象を受けました。
そういう点で、中途半端感が少なくともあるのは認めます。

このゲームの主な目的は、様々なエンディングを見て集めることと、ED後セーブで記録される、共通の図鑑を完成させることだと思うのですが、どちらも数は微妙。
RPGなのにモンスターの種類はわずか40種類超。他の項目でも、図鑑を埋めるのはたやすく、そう難しいことはありません。図鑑の分け方は細かいものの、もう少し図鑑に乗る項目数があってもよかったかなと。

エンディング数も、これ以上のバリュエーションは増やせないだろうからこれが限界かなとは思うものの、物足りないですね。

反面、キャラクターについてはかなりしっかりと立てられています。8人だか9人だか、一緒に冒険してくれる仲間キャラがいて、影の濃い薄いはあれどそれぞれ競合することがなくて見事です。またみんな好感が持てるキャラなんですよ。
ストーリーの展開はそこまで秀逸でもないですが、キャラごとに個別エンドもありますから相当キャラクターに力が入っていると思います。
イベント数も充分にあり、キャラゲーとしては満足のいく内容です。

まあ……、図鑑アイコンはみな個別、登場キャラも全体的に少ない代わりにほぼ個別のキャラチップや顔グラフィックが用意されているため、その部分の丁寧さを考えると、多少の中途半端さはやむを得ないかなと思えます。

操作方法などについては作中で大体説明がされますし、分からなくても適当にやれば分かります。難しいことはないです。戦闘システムもシンプルで説明が要りません。


感想ですが、これだけ知った声優さんが揃っていて、しかも丁寧な図鑑とキャラクターを味わえたので、値段はやや高いと思っていましたが買って後悔はしませんでした。

周回プレイが前提となっているゲームなため、最初は抵抗がありましたが、そういうゲームだと割り切ることはできました。
次周目プレイではお金とペット(作中に登場する部屋・庭アイテムの一種)それから図鑑を引き継ぐことが出来ますが、道具や装備品、レシピは一切引き継げません。ゲームバランスは丁度いいですが、手に入れたアイテムに思い入れることができないです。

そういう点からは、淡泊さというか、淡々とした感じが出てきます。
周回プレイには必須な要素なんでしょうけどね。

日付は、意識しないとどんどん経っていきます。アイテム採集は1アイコンで1日、導刻などもレシピの種類によりますが同じように1回で1日〜数日が経過します。特に採集の際は気をつけないと、あっという間に刻限である3年目の11月10日がやってきてしまいます。

必然的に、特定のエンドを目指し、それ以外は眼中になしでプレイしていくスタイルになるでしょう。


僕は最近あまりしない、「一切本やネットの攻略などを見ないプレイ」で遊びましたが、それでも余裕でクリアできるので、難易度の高いゲームはできない人にもお勧めできます。

個人的に好きなのはBGMです。これもまたキャラ毎に個別のテーマBGMがあり、サウンドに関してはかなり豪華です。初回特典でサウンドトラックが付いてきたのも今なら頷けますね。