予備知識も何もなくジャンル(RPG)だけ見て買い漁っていたレトロゲームの中に混じっていたサイバードールですが、自分のゲーム歴の中で一番の掘り出し物だったかもしれません。こういうゲームが96年の時点で既に存在していたということを全く知らなかった悔しさと発売されてから15年以上経ってからでも出合うことが出来た嬉しさで一杯です。

このゲーム、当時としては相当斬新なことやってます。万人受けするとは言えませんが、少なくともゲーマーであれば絶対に楽しめると思いますし、むしろ予想を上回ってくると思われます。
まず、仲間がいません。協力者はいますが、仲間はいません。だから、初代ドラクエよろしくずっと1人で戦います。最終盤に例外的に参戦する足手まといがいますが、これは蛇足で、個人的には最後まで1人のままの方が良かったと思います。
基本的には、敵を倒して腕や足など各部位のパーツを手に入れ、それを自分に装置して強くしていくタイプのRPGなのですが、敵の頭を吹っ飛ばす爽快感とパーツを集める楽しさとが相俟って全然飽きません。そのパーツの種類がまた膨大で、何と全てのパーツに固有のグラフィックが用意されています。さすがに戦闘シーンには反映されませんが・・・。逆に、これで戦闘シーンの自キャラのグラフィックに全部反映されていたらそれこそ神ゲーになっていたと思います。ただ、せっかくそこまで作り込まれているのに見る機会がほとんどないのが惜しいというかデザインした人が気の毒というか。メニュー開いた最初の画面に装備中のパーツのグラフィックを出すようにすれば良かったかと。
そして、このゲームを盛り上げてくれるもう1つの要素が何と言ってもBGM。戦闘シーンの曲は外れなしです。特に、19XXや20XXという(設定が世紀末や未来のため)声が入っている曲はマジで震えます。戦闘シーンのBGMに声を入れるという発想自体が当時はなかったはずです。しかも、サターンのいいところはソフトがサントラの役割も果たしてくれる点ですね。
終始統一されたダークかつ退廃的な世界観、ライトの使い方から敵の造形に音楽、果てはオチ(?)に至るまで全てが衝撃でした。爆弾探しは必見です。あまりにも斬新すぎて当時は時代が追いついていなかったのだと思います。後に発売されたDQ7やFF8よりよっぽど面白かったです。何より余韻が残ります。