人類が宇宙へ進出して幾年月。
地球に住む人々、スペース・コロニーに住む人々を、それぞれアースノイド、スペースノイドと呼び区別するほどに月日は流れた。
初めは良好な関係を保っていた両者は、次第に立場を、主義主張を違え、すれ違い、対立。
やがて勢力で優る地球側に対抗するため多くのコロニーは手を取り合い連合を組織。
その姿勢が、より一層地球側の態度を硬化させ、軍事力による政治交渉を恒常化させた。
くり返される地球とコロニー連合間の争いは無意味な決着を積み重ね、その苦い経験は平和への模索ではなく兵器の発展へと浪費されていく。
そして人々は傍らに戦いがある事に慣れ、ある者はみずから戦士としての使命を全うし、またある者は日常的に消えていく戦士の名を他人事として聞き流しつつ仕事に精を出す。
数少ない平和を願う者はつぶやく。
−−この世界には戦いが満ちている−−
最後の停戦協定が失効して数ヶ月。
移送中のコロニー連合軍所属艦が地球軍に鹵獲され、とある中立コロニーへと曳航された事を発端に、新たな戦端が開かれる事になる。