エゾゼミ

７月中旬〜８月上旬頃現れ、８月下旬頃まで聞くことができる北海道から九州までいる大型のセミ。日本にいるエゾゼミ属のセミの中では最も国内分布が広い。アカエゾゼミ、コエゾゼミ、キュウシュウエゾゼミに似るが、アカエゾゼミとは鳴き声、体の色彩がはっきりと異なり、コエゾゼミ、キュウシュウエゾゼミとは鳴き声、大きさとも異なる。腹弁は短く左右が重なる。 腹部は硬質。腹部腹面は褐色に白粉を帯び、この点ではコエゾゼミよりもキュウシュウエゾゼミに似る。前胸背と中胸背の間の縁取りはコエゾゼミやキュウシュウエゾゼミよりも濃いオレンジ色で、通常左右で切断されておらず前胸背を取り囲む形になっている。中胸背は黒地にオレンジ色のＷ紋で美しい。
鳴き声は「ギーー」などと書くと他のエゾゼミ属のセミと区別がつかないが、震える様な低いビート音を含むことで慣れれば聞き分けられる。アカエゾゼミ、コエゾゼミ、キュウシュウエゾゼミと異なり主に杉、松などの針葉樹の枝に逆さまにぶら下がるように止まって鳴く。しばしば間奏、終奏に「ギッ，ギッ，ギッ，ギッ」という断続音を入れる。