僕は「不知火 佐祐 (しらぬい さすけ)」
誰にも均等に接し喧嘩なんかには巻き込まれず世間に流され続けて14年
普通に友達をつくり、普通に勉強をし、普通にスポーツをしてきた。
もちろん恋愛も例外ではない。
同じクラスの「善事真実 (ぜんじ まみ)」に最近興味を持った
嘘をつかず純粋、悪いものを許さない真面目な性格だ。
今日も普通に授業を受けていると前で不良どもが騒いでいる。
こんなものには無視をして当たり障りのないようにする。
だが真面目な真実が許すはずもなく不良どもに声をかけた。
何を言ったかはわからない。
だが不良どもは真実を無理やり連れて廊下にでた。
僕は迷った。当たり障りのない生活を送ってきた僕が・・・。
初めて誰かのために何かに当たろうとしている。
まだ決めたわけではないが廊下に出た。
真実は体育館に連れて行かれた。
こんな時どうすればいいかわからない。
だが僕はすでに走っていた。
体育館のドアを蹴って不良どもに声をかけた。
「何してんだ?」
「こいつが俺に口答えしたんだよ、お前には関係ない」
世の中おかしい。腐っている。そう思った。
頑張ったやつが叩かれ悪い奴には人が集まる。
そう思ったとき僕は不良のリーダーを蹴っていた。
だがすぐに立ち上がり袋叩きにされた。
その時、時間が止まった
周りは真っ白だ。
すると1人?1匹?の羽が生えた黒いものが降りてきた。
黒いものは
「俺は悪魔だ」
と言ってきた。
確かにこの格好では悪魔だ。
やはり何も言わないのが一番なのだろう。
だが興味本位で話しかけた。
「なぜ時間を止めてまで降りてきた」
すると悪魔はニヤリと笑い
「この状況・・・いや、世の中を変える能力をやる」
と言い出した。
だがそんなうまい話があるとしたらリスクがあるに決まっている。
そのことを死神に話すと
「もちろんある。まずは能力だ。
 人を死ねと思っただけで殺せる。
 時間を止められる。
 自分の病を自由に治せる。
 リスクは
 どこまでも俺がついてくる。
 死ねない。
 毎日殺した奴の夢を見る。
 味覚がなくなる。
 だ。
 いい話だろ?」
そう言われた。
確かにいい話だ。
だがこれを使いこなすにはかなりの精神力が必要だ。
それに死ねないのはきつい。
だが真実を助けるためならと契約を結んだ。
時間は動き出した。
不良ども消えろ!!
そう念じると本当にバタバタ倒れた。
その後、真実と逃げた。


その夜この契約について詳しく聞いた。
どうやら他人にはこの悪魔が見えないらしい。
これならいつでも完全犯罪ができる。
TVを見るとちゃんと不良が死んだとニュースがあった。
驚いたが安心した僕は眠りについた。
だがここでやっと契約のリスクの恐ろしさを知った。
今日殺した不良に殴られ蹴られ刺される夢を見た。
だが夢の中でも死ねない。
朝まで耐えた僕は再び契約について考えた。