その日は、何もない休日
もう少しで8月になろうとしていた7月の下旬だった。
俺は特にすることも無く、外をぼんやりと見つめた。
『…ねぇ、お兄ぃたら最近よく、ぼー…としてるけどどうしたの?』
…と 俺のベットで足をパタパタさせながら妹が聞いてきたので、
『…ぅん〜、特に理由は無いんだが、いつも何も変わらない平穏な日が続いているな! だが果たしてこのような生活なんか続けてていいのだろうか?』
と、誰に言うわけでもなく一人ごちるように言うと妹は
『私も常々思ってはいたけど、お兄ぃっていつも同じ生活しかしてないんじゃない?たぶんそのせいだと思うけど。』
…ふむ。確かに俺の周りには変わった人が沢山いるけど、あえて変わった人生を送るのも大変だと俺の父、信久は言っていた。
『だけど、まぁさすがに何も変わらない日常もあきてくるんだよなぁ』
…後で、ダチの山崎にでも相談してみるか。
『そんじゃ、今日の夕飯さきちゃんのご飯にでもする?私さきちゃんと遊びたいし。』
『しゃあない、話もついでにしてくるか』
atik No.12049113 2012年11月27日 20:17:56投稿
引用
は俺の幼馴染みであり、家どうしが隣という普通の男の子なら、あこがれる設定のようなごく少ない俺の友達である。
彼女は、いつも本を手にし優雅に読書に勤しんでいる黒髪のショートヘアーで、クラスの中では「さき様」「お嬢」 …なんて呼ばれていたりもするが、本人曰く、
『そんな身分の高い人じゃ無いんだからやめて欲しい』…と恥ずかしそうに言っていた。
だが見た目ではどこかのホストのお嬢様にもみえる気品さを醸し出しており、俺の学校では、人気ランキング第二位という噂もある。
atik No.12049384 2012年11月27日 22:58:12投稿
引用
『やっほぉ〜、佐樹よ!我が世界一にして絶世の三大美女も真っ青なくらい美少女な妹が、お前のその気高いオーラとお前を食べに来たぞ!』
『お邪魔しまっふ。さきちゃんのそのたわわな体何一つ穢れの無い心を、この私が試食してア・ゲ・ル☆』
と兄妹揃って気色悪い事を言うと、彼女は案の定
『君のシスコンぶりは、凄いくらい引いてしまう。 …それといらっしゃい』
…と俺を蔑むかのように見た後俺達を家に入れてくれた。
『さて、今日はご飯を
食べに来たのかな?』
訝しげに訊いてきたので、
『悪いさっきのは冗談だ真に受けないでくれ!』
『…だっ!だれが貴方なんかの言葉を真に受けるもんですか!』
…いやいやいや、さっき無意識にお前少し距離とっていたぞ!
『それはさておきさきちゃん、お腹空いたから早く食べようよ!』
『そうは言っても私も今日は買い出し行かないと作れないのよ。』
『…じゃあ三人で買い物行く?』
…うん?三人?もしかして俺もか?
『おい、まさか…
お前も料理すんのか?』
『いや、私はただトリプルデェ〜トを満喫したいだけだよ?』
…それはそれで大変だ。ただでさえ中学三年の年頃の妹と二人で買い物も気が引けるのに、更に佐樹まで一緒かよ。俺の理性が耐えられないじゃないか!
内心でドキドキしていると、突然チャイムが鳴った。
atik No.12049428 2012年11月27日 23:31:50投稿
引用
いかにも現役配達員のお兄さんから荷物を受けとる佐樹&妹。
宛先は不明 宛先人は…ローマカトリック文字で日本語に訳すと『神の落とし物』
…って! なんだこりゃ?どこの誰とも知らない人(?)から荷物なんて!
早速中身を確認する俺達。まず出てきたのは、なんと女の子が書いたような独特の文字(おそらく手紙だろう)と、大・中・小の箱が3つそして更に何故かステッキ?
…完全に沈黙してしまった。どうしてくれるんだ!誰かこの空気を止めてくれ。
『……えっと、なんすかこれ?』
『あっ!あたしじゃ無いわよ!』
……………………再び沈黙。
『一応宛先人が何なのか分からないことにはどうしようもないよね?お兄ぃ』
…そうだった。まずはその情報集めからだった。
まず俺は先程の手紙らしきものを広げてみた。中には一文
『汝、清らかなる心、得たくば3つの箱を叩け さすれば我が力を貸し与えん』
…このステッキでか?俺は書かれたままに箱を叩いてみた。
atik No.12049451 2012年11月28日 00:05:45投稿
引用
…と佐樹が変な声を出し始めたのだ。
『どうした!何があった』
と確認してみると、なんと赤髪の小学三年生くらいの背丈の女の子が、佐樹の胸を揉んでいる姿が見えた。
…ヤバい!鼻血が噴きそうだ。
『お兄ぃたらあんな小さい女の子をいつの間に連れ込んだの?』
『いやいやいや勝手に出てきちまっただけだよ。俺のせいじゃねぇ!』
『どっ!どうでも
いいからこの娘離して!』
…離せって言っても、
しきりに「あんっ!」とか
「っはん!」とか
ヤバい声を出してたら
俺が見とれちまうだろ!
…と現実逃避していると、
小学三年生くらいの女の子が、
『あんた、あたしと付き合いなさい!』
…漫画ならこういうシチュエーション萌えるんだがまさか現実でもなるとは、思いもしなかった展開に俺はただ…
『……………っは??』
とふぬけた答えしか出せなかった。
『あんた聞いてなかったの?あたしと付き合え!…そう言ったんだけど?』
誰がこの時これから起きる大事件を予想できただろうか?
否!この赤髪の女の子以外無理であろう
atik No.12049453 2012年11月28日 00:10:46投稿
引用
キャスト
atik
文
木村柘作