どうもこんにちは。
この小説(ストーリー???)を見ていただく前の注意点。
・ペルソナ4を全く知らない人は見ても面白くないかも。
・ややネタバレ注意
・あくまでも作者の想像(妄想?)
・所詮素人の暇つぶし程度の内容
このお話はゲーム、ペルソナ4のストーリーと内容を元にこのゲームを10周もプレイした著者が、「こんな話があってもおもしろいかも。」というなんとも小学生のような発想から綴る話です。
なるべく素晴らしい原作を崩さないように書いていきますのでどうかよろしくお願いします。
本編の大まかな内容としましては、堂島遼太郎がマヨナカテレビに落とされてしまった時に多分こんな感じになるのではないかと考えたもの。
17旦那 No.11063387 2011年06月18日 18:53:36投稿
引用
・・・青年は信じられないものを見た。
霧が出た日の午前零時に、電源のついていないテレビに映るというマヨナカテレビ。青年率いる「自称特別捜査隊」の捜査によってそのテレビの正体が明らかになった。
そのテレビに映った人物は、次に霧が出る日に自分の中からでたシャドウによって殺される・・・。
そのテレビに、青年の叔父にあたる人物、堂島遼太郎の姿が映っていた・・・。
遼太郎はここ最近刑事としての仕事が忙しいらしく、長い間家を空けていたのだが今日の夕方に遼太郎より連絡をもらったばかりだったのだ。
「今日の夜には帰る」そう聞いた青年は、遼太郎の一人娘である堂島菜々子とともに遼太郎の帰りを待ちわびていたのだった。
・・・しかし時計が11時をまわっても遼太郎は帰ってこなかった。仕方なくまだ待っているとしぶる菜々子を寝かしつけて、現在に至るというわけであった。
動揺を隠せない青年をよそにテレビの中の遼太郎が話しを始めた。
「・・・刑事兼、この刑務所の所長である堂島だ。ここの刑務所にはいったら最後、永久にここから出ることはできない。もし脱獄を考える者がいるならば・・・それは愚かな考えだったということを身をもって思い知らせる、それがここのルールだ。」
そして「ついに解禁!?最も地獄に近いといわれる刑務所にTVカメラが密着!!」のタイトルが浮かぶ。
「それでは見回りの時間ですので・・・。」
テレビの中の遼太郎は暗闇の奥へと消えていった、それと同時にテレビも消えた。
その後しばらくの間、テレビとのにらみ合いが続いた・・・。
・・・プルル、プルル・・・。時計が一周半したところで青年の携帯電話が鳴った。ディスプレイ表示には「花村陽介」の文字、青年は電話の通話ボタンをおした。
「・・お、おい!見たか今の!!明らかに堂島さんだったよな??お前の家に帰っていなかったのかよ?つか、なんだよ今の・・・刑務所って言ってたよな!?」
陽介は明らかに動揺しているようだった。「・・・・落ち着け。」青年が一声かける。
「ああ・・・わりぃ、そうだよな。とりあえず明日ジュネスのフードコートに集合な!!」それだけ聞くと花村からの通話が切れた。
そして続けざまに着信音が鳴る。ディスプレイには「白鐘直人」の文字。
「・・・あ、もしもし先輩ですか!?今・・・マヨナカテレビに映っていたのって・・・。一体どういうことなのでしょう・・・。とりあえず明日いつもの場所に集合しましょう、話はそれからです。それでは。」
直人からの通話が切れた。青年は明日に備え早めに休むことにした・・・が、遼太郎が犯人によってテレビに落とされてしまった事が気になってしまい、なかなか寝付く事が出来なかった・・・。
17旦那 No.11063528 2011年06月18日 19:47:29投稿
引用
翌日・・・ジュネスのフードコートに「自称特別捜査隊」のメンバーがフードコートの一角にある大きな白い丸テーブルを囲むようにして集合した。
陽介が、全員の集合を確認したあと話しはじめる。
「もう一度確認するぞ、きのうのマヨナカテレビに映っていたのは、うちのリーダーの叔父さん、堂島遼太郎さんで間違いないな?」
陽介の問いかけに、里中千枝・天城雪子・巽完二・久慈川りせ・白鐘直人・・・そしてクマの6人はうなずいた。
「・・・なんで堂島さんが・・・?」表情がけわしい雪子がつぶやいた。
「センパイの叔父さん・・・普段はぶっきらぼうだけど、ホントはすごく優しい人。・・・だから、他人から恨まれるようなことは絶対ないと思うのに・・・。」
りせは、今にも泣きだしそうだった。
落ち込んでいる二人に反して、怒りをあらわにしていたのは完二と千枝だった。
「くっそ〜、犯人め。ぜぇ〜ったいに見つけ出して顔に靴あとつけまくってやる!!」
「そうっすよ!!先輩!!こんなとこで油売ってねえで、早くテレビん中いきましょうや!!」
「おいおい・・・落ち着けって・・。」
陽介がなんとかなだめようとするも、千枝も完二も聞く耳を持たなかった。
そんな中、一人直人は冷静だった。青年には直人がどうやら何か考え事をしているようみえた。青年が口を開く。
「直人、何かひっかかる事でもあるのかい??」
しかし、直人は反応しない。続けて陽介が「おい直人?」と声をかけるもまたも反応がない、どうやら考え事で周りが見えていないようだ。
するとこのやり取りを見ていた完二が直人に歩み寄っていく。そして直人の前に立つと「おい!!なにボーッとしてやがんだ!」と大きな声で呼んだ。
その声に直人はビクっとし「え・・・?あ・・・!ごめん、巽くん」と完二に頭を下げた。「なっ・・・!べ、別にわかりゃあいいけどよ。」
なぜか完二の頬が少し赤い。「もう、完二ったら!直人くんは女の子なんだからもっと優しくしてあげなさいよ。」その様子を見ていたりせが完二にかみついた。
「ああ?俺は優しく話しかけたつもりだぞ!?」すかさず完二が言い返す。
「ぜんぜぇ〜ん女の子の気持ちわかってない!!そんなことだといつまでたっても直人くん、振り向いてくれないからね。」
「な・・・誰がそんなこと・・・」
「も〜う、話しがそれてるクマよ・・・。」完二が言い返そうとした時クマがそうつぶやいた。そしてクマは言い争いをしている二人をすり抜け、直人の手を取ると青年と陽介の間の席に座らせた。「おっ、たまには気がきくじゃんかクマ吉。」陽介が感心する。
「ちっちっちっ・・・クマはヨースケとは違うクマよ。・・・それよりナオちゃんは何を考えていたクマ?」陽介を軽く流したクマは直人に尋ねた。
「えっと・・・その、どうして堂島さんは、テレビの中に入れられてしまったのでしょうか・・・。」クマの計らいで、落ち着きを取り戻した直人が言った。
エピソード2−2 〜行動開始〜 に続く。
17旦那 No.11063894 2011年06月18日 21:53:08投稿
引用
「・・・え?それってどういうこと?」
今までけわしい顔をしていた雪子が直人の言葉を聞いて尋ねた。
「えっと、遼太郎さんは刑事ですよね・・?ということは、万が一犯人が抵抗したり、襲いかかってきたときに対応できるように武道の心得があるはずです。」
「え・・・?それがなんだって言うんだ?」陽介は悩んでいる。
「え〜っと、つまり堂島さんは何かしらの武道の心得があるのに、犯人にテレビに落とされた。てことは堂島さんを落とした犯人は堂島さんより武道の腕がある人ってこと?」悩んでいる陽介をよそに、雪子は直人に尋ねる。
「ええ、でもその可能性は薄いでしょう。僕は一度、別の事件で堂島さんが逃走をはかろうとした犯人を押える所を見たんです。そこから感じたのですが・・・堂島さんの武道の腕はかなりのものです。もともと堂島さんは、体格ががっちりしていて身長も高いですし、少なくとも稲葉市の中で堂島さんにかなう人はいないと思われます。」
直人が説明している中、推理に飽きてしまいビフテキ串をほうばっていた千枝がぼそっと呟いた。「んぐ・・・。ってことは、犯人は堂島さんが油断しちゃうような人物?」
千枝のつぶやきに全員の表情が一瞬固まる。
「・・・あれ?もしかして、当たった?私の意見はいつもあてずっぽうだから気にしない・・・で・・・。」
千枝はなんとかごまかそうとするも、雰囲気は落ちたままだった。
「・・・なるほど、でも犯人を確定できるほどではありませんね・・・。」
沈黙を破り直人が言った。そしてまた8人の間に時間が流れた・・・。
「・・・とにかくテレビの中に入ろう。堂島さんを助ければはっきりすることだし。」
しびれを切らした雪子が思い切って言った。
「そうだな・・・。行くか。」陽介雪子の意見に同意する。
まだ見えぬ犯人の姿に不安を抱きながらも、自称特別捜査隊はテレビの中へと足を進めた。
「・・・りせちゃん。堂島さんどこにいるかわかる?」
ペルソナ「ヒミコ」を使い、堂島の捜索に神経を集中させているりせに向かって、千枝が尋ねた。
「う〜ん・・・方角はわかるんだけど・・・詳しい場所がつかめない。」
頭上にいたヒミコを消したりせが、青年に尋ねる。
「ね、先輩。最近の堂島さんについて、なにかおかしいこととかなかった?何か一つでも手掛かりがあれば絶対見つけるから。」
おかしなこと・・・。青年は最近の出来事を振り返ってみる・・・。
自分が遼太郎と最後に話したのが・・・3日前の夜、その時遼太郎は家にいて、せっかくの機会だから話をしようって事になって・・・。
そのあとテレビを見てて・・・・・・?・・・・!!!」
「そういえば・・・菜々子と堂島さんとでテレビを見ていた時、自動車による交通事故のニュースが流れたんだ。そしたら堂島さんものすごい形相で「テレビを消せ」って。そのあと結局堂島さん、思いつめた顔でどこかへ出かけてしまったんだ。」
「事故・・・。事故に対して何か強い思いがあるのでしょうか・・・。」
青年の話を聞いた直人が考え込む。
「事故に関してそこまで反応するってことはさ、自分の大切な人が事故によって亡くなったとかかな?」
「!!!」千枝の発言に他のメンバーが驚いた顔をした。
「え・・・もしかして当たってたとか?私の推理は思い付きだから・・・ね。?」
「そうか・・・そういうことか。・・・先輩、堂島さんには千里さんという妻がいましたよね?しかし・・もうなくなっている。」
直人の口が若干震えていた。
「もし・・・もしですよ。千里さんが亡くなられた原因が交通事故だったら・・・?」
「・・・話のつじつまが・・あう。」
雪子の声も震えていた。「じゃあ・・・堂島さんは・・・今でも千里さんを事故死させた犯人を憎んでて、自分の手で逮捕したら・・・今度は復讐するつもりだっていうのかよ。」陽介が青年が考えていたことと全く同じことを言った。
「真意はわかりません、ただ情報が一つ手に入りました。堂島さんは、何年たった今も犯人を追い続けている、それは正義感じゃない。何年たっても逮捕するという強い「執念」です。」
「だとよりせ。頼むぜ。」直人から聞いた事を完二はりせに伝えた。
「わかった「執念」ね。必ず見見つけるから。」
りせは再びペルソナカードを頭上に出現させ、ヒミコを召喚した。
「・・・いた。場所も特定出来た。」
りせはヒミコを消した。「あっちの方角。道案内は任せて!」
自称特別捜査隊のメンバーはりせの道案内のもと、霧の中へと入っていった。
エピソード3 〜散策〜 に続く。
17旦那 No.11065788 2011年06月19日 17:39:06投稿
引用
テレビの中の霧は相変わらず濃かった。だから前の人に集中しながら走らないと、いつの間にか孤立してしまうだろう。
青年は、りせの後ろ姿を必死で追っていた、その後ろからは陽介が追ってきている。
もし自分がりせを見失ってしまえば、後ろの陽介だけでなく陽介を追っている他のメンバー全員が迷うことになってしまう。
青年はりせを見失わないよう全神経を前に集中させていた。
りせが立ち止まる、それに合わせて青年も立ち止まった。そしてりせに着いたかどうか確認しようしたその時、青年は背中に強い衝撃を受けた。そのまま青年は前に倒れる。
その上から、陽介がのしかかってきた。なんとかどかそうともがき始めた所で今度は千枝が陽介の背中にのしかかる。続いて完二、クマ、雪子と次々とのしかかってくる。そして直人がのしかかった所でようやく止まった。
「のあ〜!!はやぐどいで〜、じぬ〜。」陽介が実に情けない声をあげる。
「あ・・・すいません。今どきます。」一番上の直人がどく、続けて雪子・・・。
青年の体がようやく解放されたのは直人がどき始めておよそ30秒後だった。
「あいててて・・・。もうぅ!!花村いきなりとまんないでよっ!!」千枝が陽介にかみついた。「な・・・なんで俺のせいなんだよ。もとはと言えば、相棒が急にとまったから・・・。」
「いや、俺はりせが止まったのを確認してから止まったんだよ。」
一番下にいたにもかかわらず、陽介の反論を青年は冷静に返した。
「ほ〜ら??やっぱり花村のせいじゃん!!も〜しっかりしてよ!!」
「あ〜あ、悪かった悪かった、今度ジュネスでビフテキおごってやるから・・・。」
陽介の言葉を聞いたとたん、千枝の目が輝く。
「ほんと!?えっへへ〜!!じゃあ〜しょうがない許してやるか〜。」
・・・千枝は「肉をおごる」と言えば何でも許してくれそうな気がする・・・。
青年はふとそう思った。
「・・・ちょっと!!おしゃべりはそのへんにしてください!!」
あまりにも放置されすぎて、しびれを切らしたりせが怒鳴った。
「ああ・・・わりぃ、・・・ところで、止まったってことは・・・?」
「うん・・・確かにこの辺なんだけど・・・。」陽介の問いかけにりせは不安そうに答える。確かにりせが立ち止まった周囲には何も見えない。周りに見えるのはあふれんばかりの濃い霧のみだ。
「立ち止まっていてもしょうがねえっすよ先輩!!先に進みましょうや!!」
完二がどこに続いているかもわからない道を突っ走っていく。
「あ、ちょっと完二!!勝手にいったらあぶな・・・。」
りせがそう言いかけた時、ゴビン!!という激しい音を聞いた。そしてその数秒後
突っ走っていった完二が戻ってきた。
「っつう〜!!んだよ、いきなりなんかにぶつかっちまったぜ・・・。」
自分のおでごをさすりながら完二が歩み寄ってきた。・・・その顔をみた雪子が噴き出す。「・・・ぷぷぷ・・くくっ、あははははははは〜!!」
「・・・雪子どうしたの・・・って、あははは〜完二君変な顔〜!!」
笑い声につられて青年も完二の顔を見ると・・・完二の顔には縦線の赤い跡が、くっきりついている!!これは・・・おかしい。
「ちょっ・・・なに皆でわらってんすか!?」
完二はなんで笑われているのかわからず困っている。そんな中直人は完二の顔の跡を凝視している。
「な・・・直人、なんだよ・・・。」完二の顔が赤い・・・。
「・・・巽君、もう一度君が何かにぶつかった場所に連れて行っていただけませんか?」直人は何かが気になるようだった。
「あ??ああ・・別にいいけどよ・・・。」
・・・完二に連れられて8人はその場所へと着いた。
「ここ・・・なんすけど・・。」完二は顔をさすりながら全員を案内する。
「ぷ・・・くくく、完二くん・・・縦じま・・・横じま入れたらどうなるんだろ・・・。」
「いや、雪子・・・そこまでおもしろくならないから・・・はあ、しばらく止まんないよ・・・。」雪子の爆笑スイッチの入り具合に千枝が頭を抱える。
だがそんなことには目もくれず、直人は完二がぶつかった所を入念に調べている。
「・・・・!。もしかしたら・・・!」
直人は何かに気が付いたらしく、さらに詳しく調べ始める。そしてどうやら高い所に何かを見つけたらしく皆に手招きをした。
「これ・・・見てください。」直人が指差している所を青年はみた。
そこには、大きな錠前がかかっていた。そして直人は話し始めた。
「巽くんがぶつかったのは壁ではなく・・・格子状の大きな扉だったんですよ。巽くんが壁と間違えたのも無理ありません。何しろこの扉、両開きの扉で、こちらの道にあるのはその扉の片方にすぎませんから・・。」
「おい・・・ちょっと待てよ、これが片方の扉だとしたら、扉をあけるために扉の中心にはどうやっていきゃあいいんだ!?」
直人の推理に陽介が突っ込む。確かに扉の中心部に行くための道など見当たらない。
「・・・ここが刑務所だというなら、監視員などが出入りするための非常口があるはずです。とりあえずこちら側にはないようなので、反対側に行ってみましょう。」
「うん。」8人は直人の提案にうなずき、扉の反対側を目指した。
エピソード3−2 〜発見〜 へ続く。
17旦那 No.11066100 2011年06月19日 19:44:09投稿
引用
直人の提案により、8人は扉の反対側にやってきた。
・・・もっともここに続く道を見つけるまでに1時間くらいかかっていた。
「はあ〜・・。やっと見つけたな・・・。」陽介が根をあげる。
「どっへえええ・・・クマももう限界クマよぅ・・・。」クマは道にへたり込んでしまった。すかさず千枝が喝を入れる。
「こ〜ら〜休むな!!まだダンジョンについてないだろ〜がっ!!」
「いや・・・千枝がタフすぎるんだよ・・。」雪子の表情も険しい。
「でも・・・目的のものは見つかりましたね・・・。」
直人の声に8人は目の前を見た。そこには人一人が通れるくらいの小さな扉があった。
「よし、いくか。」陽介は何とか立ち上がり扉に向かっていった。そしてドアノブをつかみ、ひねる。
「・・・・・・あれ?開かねえな・・・?」陽介は何度もドアノブをひねるが、扉はびくともしない。「・・・このまま帰れねえよな・・・。そうだ千枝、ペルソナ使って空けられないか??」
「う〜ん・・・ペルソナ無しでもいけるかも。・・・わかった、ちょっと花村そこどいて。」
「・・・え?おまえ今なんて・・・。」
驚く花村をよそに千枝は扉の前に立ち、軽く屈伸を始めた。そして扉の前で身構えると深く息をすいこんだ。そして、「わちょ〜!!!」という声とともに、扉に回し蹴りが叩き込まれた。
バキバキバキッ!!激しい物音を立てて、鉄格子の頑丈そうな扉が倒れた。
「・・・なあ、あれどうみても鉄製・・・だよな??」陽介は完二に確認していた。
「ええ・・・どうみても・・・っていうか、あれ絶対鉄よりも強い素材っすよ。」
完二の顔が引きつっている。
「よっしゃあ〜楽勝楽勝〜。さあ、行こうか!!」
一人元気な千枝を先頭に、自称特別捜査隊は中へとはいって行った。
8人が中にはいって見たもの・・・それはかなりの大きさの建物だった。
一言で言うならば要塞のような建物であった。そしておびただしい数のサーチライトが辺りを照らしている。
「な・・・なんだよこれ・・・。」陽介は立ち尽くしていた。
「むむむ・・・なんだかよくわからないけど・・・あの光に当たったらまずい気がするクマよ。」
「そうですクマくん、あれはサーチライトと言って侵入者や脱獄者を発見するための罠なんですよ。・・・しかしこの数は・・・。」
「確かに・・この中をくぐり抜けていくのは不可能よね・・。」
「あ〜もう、めんどくさいから正面突破っていうのはどうよ??」
「いや・・・千枝先輩そんなことしたら確実に俺らお縄っすよ?。」
「え〜!!そんなの絶対やだ!、りせ悪いことしてないのに捕まりたくない〜。」
青年はどうすべきか考える・・・そして一つの案が浮かんだ。
「みんな、力を貸してくれないか?」青年の真剣な顔に自称特別捜査隊の心が一つになった。
・・・それぞれが青年の指示した位置につく。そして全員が準備完了の合図をだした。
「・・・いくぞ・・・こい!イザナギ!」
青年はペルソナカードを握りつぶし、イザナギを召還した。
それと同時に他のメンバーもペルソナを召還する。
「いっけえ!ジライヤ!」
「おいで・・・コノハナサクヤ!」
「皆を守って・・・トモエ!」
「いけ!タケミカヅチ!」
「いけ、スクナヒコナ!」
「ゴーゴー!キントキドウジ」
召喚したペルソナが宿主の頭上に現れる。無論サーチライトがそれをとらえないはずがない。サーチライトがペルソナをとらえた。
「今だ!入口に向かって走れ!!」
サーチライトは上空のペルソナに集中し、地面には一切サーチライトがない。
その隙を狙って仲間たちはひたすら入り口に向かって走る。
何とか雪子以外のメンバーは楽に着いたが、雪子はまだ遠くのほうでこちらに向かって全力で走ってきていた。
「雪子!!」我慢できなくなった千枝が飛び出していく。その直後ペルソナが消えた。
目標物を失ったサーチライトが雪子と千枝に迫る・・・!
「千枝っ!!」「雪子っ!!」二人は手を伸ばした。そしてお互いの手をしっかりと握ると、千枝が雪子を引き寄せた、間一髪のところでサーチライトを回避出来た。
「はぁ・・はぁ、ごめん千枝・・。」「ううん・・・私がもっと雪子をサポートしてあげればよかった・・。」
千枝と雪子はお互いに慰めあっていた。二人の友情が深い事を再確認できた瞬間であった。
「よし・・・行こう。堂島さんを絶対に助けよう、絶対に・・・。」
全員が千枝の言葉に深くうなずき、刑務所への入り口へと足を進めた。
エピソード4 〜突入〜 へ続く。
17旦那 No.11066644 2011年06月19日 22:23:49投稿
引用
中に入った8人は思わず言葉を失った。
青年は、刑務所という所は入った所に受付などがあって面会の手続きなどを行う場所などがある所だと思っていた。
だが、今目の前に広がる光景はそんなあまいものではなかった・・・入ったところからすぐに鉄格子が並んでいるのだ。それもある程度に仕分けされているわけではなく、曲がり角にぶつからない限りずっとつながっており、1つの牢屋となっているのだ。
そして中には誰もいないのだが、妙なうめき声が不気味に響いていた。
「な・・・なによここ・・・。すっごく怖いんだけど・・・。」りせの顔色が真っ青になっている。そうとう怯えているようだった。
「なんていうか・・・ここまで来ると刑務所というよりは、牢獄の方がただしいんじゃね?」陽介が牢屋をまじまじと見つめつぶやいた。
だが、ゆっくり見学している程おだやかな場所ではない。これまでの場所と同じように施設の中にはシャドウがうろついていた。
自称特別捜査隊のメンバーは、周りの調査を行いながらも次々と襲いかかって来るシャドウを倒しながらも奥へと進んでいった。
・・・そしてやっとのことで地下へと続く階段を見つけた。
「・・・ここのシャドウ・・・なんか・・・異様に強いクマ・・・。」
口をへの字に曲げたクマが溜息とともに率直な感想を述べる。
「・・・クマ公もそう思うか?・・・確かに一筋縄ではいかねえよな・・。」
そんなクマを見ていた完二も肩で息をしながらつぶやいた。
「クマ君も巽君も・・・まだ一階ですよ。・・・さあ、先に進みましょう・・・。」
フラフラになりながらも、直人は階段を下りていく。そんな直人に他の7人も続いた。
地下一階に降りてきたメンバーは、とりあえず次の階層への階段を探そうと一歩踏み出そうとした、まさにその時薄暗い牢獄の中に声が響き渡った。
「・・・自分たちから俺の刑務所に入ってくるとは・・。自分の罪を償うということかな?」その声はまさに堂島遼太郎だった。
「!?」8人はその場で身構えた。
「その心がけは褒めてやろう・・・だが俺の刑務所に入ったら最後、永遠に出る事はできない・・・。まあ・・・それをわかっていて自分たちから入ってきたのだろう?」
遼太郎の口調は「俺にはお前たちの居場所がとっくにわかっている」・・・そんな口調だった。「う・・・俺達・・・やっぱし、逃げたほうが・・・。」
陽介が遼太郎の声にビビったのか、弱気な発言をする。
「逃げる・・・?俺の刑務所からは逃げられない、そう言ったはずだが。・・・まあいい、じきにお前たちを拘束しにいくから、ガキならガキらしくおとなしく待っているんだな・・・ははは。」
そういうと、遼太郎の声は聞こえなくなった。
「・・・おい。これって・・・。」陽介の顔から血の気が引いている・・・。
「単純に・・・お前たちは逃げられないってことでしょう。」直人が冷静にいった。
「・・・進みましょうや、止まってたら捕まるんだろ!だったら進みましょうや。簡単には捕まらないって事を堂島さんに見せつけてやりましょうや、先輩。」
立ち尽くしている青年に向かって完二が声をかけた。「・・・そうだな。」
決意を固めた青年は薄暗い通路に向かって歩みを進めた。それが合図だったかのように他の7人もそれぞれ足を動かし始めた・・・。
エピソード4−2 〜本音〜 に続く。
17旦那 No.11068743 2011年06月20日 22:51:25投稿
引用
・・・青年は歩きながら遼太郎の事を考えていた。
(これまでの経験から、こういったダンジョンは、その人の心の中にある抑圧された気持ちが具現化して構築される事がわかっている、しかし・・・。)
思いつめた顔をしている青年を不安に思ったのか、先を歩いていた陽介が振り向き、声をかけてきた。
「おい相棒、そんな顔してどうしたんだ?・・・リーダーなんだから皆を引っ張ってってくれないと困るぜ!?」しきなり声をかけられた青年は反応が少し遅れてしまった。
「あ・・・、ごめん・・・。」
「・・・堂島さんの事考えてただろ?」陽介が青年の顔を覗き込む。
「ああ・・・どうも気になるんだ・・。このダンジョンのこと、そして家での堂島さんの行動のこと・・・。」
青年は陽介に今の気持ちを打ち明けた。「・・・まあ、普通悩むよな。なにしろ自分の身内が落とされちまったんだから・・。」陽介は首を縦に振った。
「でもまあ、今は救出することだけを考えようぜ。とりあえず次に霧が発生する日までは大丈夫なんだし。」「・・・そうだな。」陽介の言葉に青年は力強くうなずいた。
地下4階まで降りてきたところで、8人は遼太郎の声を聞いた。
「・・・千里・・・なんで、なんでお前が・・・犯人は・・・俺が必ず捕まえる・。」
「やっぱり、堂島さんの千里さんを引いた犯人逮捕への執念は相当なもののようですね。」声が聞こえなくなったあと、直人がそうつぶやいた。
「わからなくもないよそういう気持ち。でも、復讐は何もうまないと思うんだけどな。」千枝が直人に続きつぶやいた。
「本当に犯人逮捕への執念だけなのかな・・・?」雪子が首をかしげている。
「いや、私もよくわからないけど・・・何かもっと別の要因もあるとおもうんだ。」
「・・・とにかくもっと奥に進んで見ようぜ。そうすればあの声がまた聞けて、堂島さんの抱えていた事がわかるかもしんねえ。」陽介の声に7人はうなずき、奥へと進んだ。
一階ずつ地下に降りていくたびに遼太郎の声は聞こえてきた。
「・・・菜々子わるいな。お父さん今日も早く帰れそうにないんだ・・。わるいが一人で先に寝ていてくれないか?・・・」
「・・・くそっ、情報が少なすぎる・・・。これじゃあ何もわかんねえ。」「こるるああああ!!待ちやがれ、くそがきどもぉ!!」
「はぁ・・・。悪い菜々子、お父さん仕事が入ったんだ・・・。だからちょっと行ってくる・・。」「すまん菜々子わかってくれ、これが・・・お父さんの仕事なんだ。」
「・・・これ、全部堂島さんの心の声ですか!?・・・聞いていられない・・!!」
直人は思わず耳をふさいだ。
「堂島さん、リーダーや菜々子ちゃんには言えないような事全部自分で抱え込んでたんだ。」そういう千枝の表情は寂しげだった。
「・・・堂島さん、家に帰ってきても疲れた様子を一切見せなかったんだ。菜々子や俺に心配をかけさせたくないから俺らの前では元気な振りをしていたんだ・・・。」
青年は初めて遼太郎の本音がわかったような気がした。
さらに奥へ進むと遼太郎以外の声も聞こえてきた。
「・・・堂島、今日飲みにいかないか?」「・・・わりぃ、俺今日パスするわ。」
「・・・今日って、お前この前もその前も来てないじゃないか・・・。」
「悪い、家に帰って調べたいことがあるんだ・・・ほんとすまない。」
「おい菜々子、今日ジュネス行く約束だったんだが・・・・。」
「お仕事でしょ?・・・いいよ、わかった。行ってらっしゃい。」
「・・・すまない、菜々子今度必ず連れて行ってやるからな・・・。」
「そういえば堂島さん、基本飲んで帰ってくるとかそういうのなかったな・・・。」
「やっぱ、そういうのって菜々子ちゃんのためなんじゃないスか?ほら、仕事忙しくて結構約束とかすっぽかすこと多いじゃないすか。だから仕事が早く終わった日くらいは早く帰って菜々子ちゃんと一緒に過ごしたい・・・とか。」
完二が青年を気遣うように答えた。
「・・・あ、もしかしたらこのダンジョン、{執念}だけじゃなくて、大切なものを守りたいっていう{正義感}からもきてるんじゃないかな!?」
「むおおお?それってユキチャンどういう意味クマ〜??」雪子の推理にクマがどこだがわからない首をかしげる。
「えっとね、堂島さんは千里さんという大切なものを守れなかったって思っていて、二度とこんな事がないようにしたいと思ってる。・・・だから危険だと思われるものをここに閉じ込めて大切な人に害が及ばないようにする・・・そんな気持ちの表れもあるんじゃないかな・・・。」
「・・・なるほどな。{災いの目は早いうちに摘む}・・・てな感じのことか。」
雪子の言葉を陽介は自分なりに解釈したようだ。
「堂島さん、大人だから何も言わないのかなって思ってたけど、たぶん私たちよりも辛かったんじゃないかな?自分の刑事という仕事と菜々子ちゃんの世話、菜々子ちゃんはまだまだ幼いから堂島さんはもっと家にいてあげたいと思うけど、自分の職業がなかなかそうさせてくれない。そしていつの間にか親子の関係に溝が出来ちゃったんだと思う。」・・・雪子の言っている事はほぼ正しいだろう、青年はそう思った。
そう・・・だからあんなことを自分に言ったのだ、「俺よりお前のほうが菜々子の事をわかってやがる・・・俺は本当の父親なのに菜々子のことを何もわかっちゃいない。」と・・・。堂島さんの真意はわからない。だが菜々子には遼太郎が必要なのだ、そして自分にも遼太郎が必要なのだ。だから・・・死なせるわけにはいかない・・・!
「行こう、何としても助け出すんだ。」青年の剣を持つ手に自然と力が入る。
「そうだな相棒。・・・憶測はここまでだ。真意は・・・堂島さん本人から聞こう。」
陽介がスパナを構えた。
「誰も死なせない。」千枝は屈伸を始める。
「なんとしても・・・助けよう。」雪子が手に持った扇をふるった。
「はやいとこシャドウぶんなぐりにいって、先輩の叔父貴を助けましょうや!!」
完二が鉄板を振り回す。
「ナナチャンをこれ以上悲しませないクマよ!!」
クマが爪を装着する。
「真相はたった一つ、…行きましょう先輩。」
直人は銃の装弾数を確認した。
「全力でサポートするから・・・先輩、がんばろう!!」
りせが元気を取り戻す。
「よし・・・いくぞ!!」リーダーの掛け声とともに自称特別捜査隊は再び動き出した。この刑務所の最深部にある「真実」に向かって・・・。
エピソード5 〜遭遇〜 へ続く。
17旦那 No.11070040 2011年06月21日 20:55:00投稿
引用
自称特別捜査隊のメンバーは、ようやく地下11階にやってきた。階段を下りた先にあったのは牢屋ではなく一つの大きな扉だった。りせがヒミコを召還し、扉の向こう側の様子を探った。
「・・・先輩、この先に堂島さんいる。・・・でも一人じゃない、二人の気配を感じる。」
「一人は堂島さん、そしてもう一人も・・・堂島さんでしょう・・・。」
直人が皆に向かっていった。
もともとシャドウは、人の心の中にある歪んだ感情が具現化することによって発生する。普段は隠れて見えないのだが、このマヨナカテレビに入ったものはそのもう一人の自分(シャドウ)によって殺されてしまうのだ。
だが青年は、それを何回も阻止してきた。だから・・・今回も失敗するわけにはいかなかった。
「いくぞ、相棒。必ず助けるんだ。」陽介が青年の肩をたたく。
「ああ・・・みんな力を貸してくれ。」「おうっ!!」
8人は掛け声とともに目の前の扉に手をかけ、いきおいよくあけた。
扉の先には、ホールのような空間が広がっていた。よく見ると観客席のようなものもある。その部屋の中心に二人の人の姿があった。
「いたっ!!」千枝の声とともに8人は部屋の中心まで駆け寄った。
駆け寄った中心部で8人は思わず息をのんだ。
中心部には周りを鉄格子に囲まれた二つの椅子がある・・・。一方の椅子には遼太郎が足を組み、ほおずえをついて微笑を浮かべながら座っている。そしてもう一方の椅子には、椅子ごと鎖で繋がれた遼太郎の姿があった。
「・・・・!!堂島さん!?」直人が声をかける。
「・・・く・・・来る・・・な。」直人に対し心から絞り出すような声で遼太郎は言った。「て・・・てめぇ!親父さんに何しやがった!!」完二がもう一人の堂島に向かって吠えた。
「・・・なかなかこいつが自分の事をみとめようとしないんでね、ちょっとした「尋問」をしてただけだ・・・。まあ、嘘をついたらちょっとした罰を受ける仕組みになってるがね。」
「電気椅子か・・・!!」直人が驚いたような声をあげる。
「電気・・椅子?おいおい・・・なんだよそれ・・・。」陽介がおそるおそる直人に尋ねる。
「・・・今はどうかわかりませんが・・・昔使用されていた秘密を話さない人に対して使用する拷問の一種です。ある特定の脳波に反応するように細工がしてあって、その人が嘘か本当の事を言っているかどうか調べるんです。そして嘘をつくと・・・。」
「強い電流が流れる・・・。」雪子が険しい表情で横から答えた。
「よよよよ〜、ってことはドウジマサンは、クマたちがここに来るまでずっとびりびりを浴びて立ってことクマか〜!!??」雷系のスキルに耐性のないクマがおびえながら言った。
「・・・でも待ってよ、嘘に反応するのにそんな装置らしきものは椅子のどこにもついてないよ?」りせが遼太郎が座っている椅子周辺を見ていった。
「・・・いらないじゃないですか・・・。だって」
「そうなんだよ・・・お前たちのさっしの通り、俺はこいつでこいつは俺、こいつのも思ってることなんぞとっくにわかってる・・・しかししぶといやつでね・・・全く認めようとしないんだ・・・。」
直人の声をさえぎってもう一人の遼太郎が苦笑しながら言った。
「お前らもそこでだまってみてるといい。この男がじきにくたばる姿をな・・・。」
そして鎖に繋がれた遼太郎に向かって、もう一人の遼太郎が言葉をかけた。
「では、質問を続ける・・。お前は妻を殺した犯人の事を憎んでいて自分で裁きを下そうとしているな。」
「・・・ち・・がう。」遼太郎の声が途切れた瞬間、遼太郎の体に衝撃が走る。
「ぐ・・・あああああ!」
「堂島さんっ!!・・・くそっ、やめろてめえ!!」
完二が鉄格子につかみかかり、叫ぶ。しかしそんな事には目もくれず、もう一人の遼太郎の質問は続く。
「お前は、妻の死を娘のせいにした事がある。」「・・・ちが・・う。」
遼太郎の体に再び衝撃が走る、「ぐあああああ!!」
「はっは・・・。お前は日に日に妻に似てくる娘に怖くて近づく事が出来ない」
「・・・!んなこと・・・ね・え!」言葉と裏腹に電流が遼太郎の体を貫く。
「はっああああ!!」
「だめ・・・もう見てられない・・・!!」思わず千枝と雪子、そしてりせが目をそむける。「くっそ・・・俺らはこうしてただ黙って見ていることしか出来ないのかよっ!!」
陽介がスパナをぐっと握りしめたままつぶやく。
青年達は目の前で遼太郎が拷問にかけられている姿をただただ見守ることしか出来なかった・・。遼太郎の苦痛にゆがむ叫び声が部屋中に響き渡る・・・。
「・・・はっはっはっ、傑作だな。いいかげんうなずいちまえよ。俺はお前が嘘を見抜くことなんてたやすいことなんだよ・・・。例えば・・・もう千里の事件の事をほとんどあきらめてるって事もな・・・。」
「・・・!!!」縛られた遼太郎が激しく反応した。
「・・・手掛かりもない・・・証拠もない・・・目撃証言もない。そんな状況で犯人が見つかるわけがない。捜査を続けたって残るのはむなしさだけ・・。お前はおびえてるんだ、目標を失っちまうってことが。そのあとの人生をどう過ごしていけばいいのか・・・だから捜査をつづけてるんだろう?・・・菜々子や引っ越してきたあいつに言い訳をして、偽りの「捜査」をな・・・。」
「うるせぇ・・・うるせぇ!!てめえなんかに俺の何がわかるかってんだ!!てめえが俺で俺がてめえだと・・。んなわけねーだろ!!」
もう一人の遼太郎の発言に、遼太郎がほえる・・・!。
「・・・駄目だ!!堂島さん・・!」青年は遼太郎に向かって叫んだ・・・しかし遅かった。「てめえなんぞ・・・俺じゃねえ!!!」
「・・・はっはっは。ならばいやでも認めさせるしかねえな・・・!!」
もう一人の椅子から堂島が立ち上がる。そして不気味な笑い声とともに黒い煙に包まれた・・・。
「・・・なにこの強力なパワー、これまでに戦ってきたシャドウとは段違いだよ!!」
りせがこわばった表情をしながら言った。
黒い煙に包まれた遼太郎の影は、空中に浮かぶと雄たけびをあげた。それとともに黒い煙が膨張し、周囲に暴風とともに流れる。そして遼太郎が残っている鉄格子の部屋が一瞬にして崩れ去る。
「・・・堂島さん!!!」8人が一斉に声をあげる。
だが、遼太郎を心配しているわけにはいかなかった。黒い煙の中から姿を現したのはどす黒い色をした龍の姿だった。その龍の体にはには鎖がいくたにも巻きつけられていた。動くたびにじゃらりという鉄と鉄がこすれあう音がした。そして龍の額には遼太郎の顔が浮かび上がった。
「我は影・・・真なる我・・・。お前らものとも死ぬほどの恐怖を味わわせた後、永久に閉じ込めてやる。そして一生後悔するんだな・・・お前たちの行動がいかに愚かだったということを・・・」遼太郎の影は鬼の形相で青年たちを見下ろしていた。
「へっ・・・。後悔するのはどっちかな・・・。いくぞ、相棒っ!!みんなっ!!」
陽介の掛け声とともに、8人は遼太郎の影に向かっていった。
エピソード6 〜死闘〜 に続く。
17旦那 No.11079232 2011年06月27日 01:57:59投稿
引用
「僕と巽くんとクマくんは堂島さんを囲んで守りましょう・・!」
直人が二人に指示を出す。
遼太郎は爆風に巻き込まれたものの、幸い無傷で済んだようだ。しかし気を失っているため完全な無防備状態である。そのため遼太郎に攻撃が行かないよう「壁」が必要だった。直人の指示はその壁を3人で引き受けるというものだった。
「よっしゃあ、いくぞクマ吉!」「了解でし!!」
直人・完二・クマの3人が遼太郎を囲むようにして立ちはだかる。
「先輩たちはシャドウに集中してください!!こちらも状況を見て援護します!」
直人がそうさけんだ。
「・・・ったく呆れるほど優秀な後輩だな・・。よっしゃ!いくぜ相棒!」
陽介がスパナを構える。そして遼太郎のシャドウに向かって突っ込む。
「先手必勝っ!!いくぜジライヤ!!」
陽介が意識を集中させると頭上にカードが浮かび上がった。それを陽介は走ったままスパナでたたき壊す。そして青白い炎とともにジライヤが召喚された。
ジライヤの両手からつむじ風が現れ、それをジライヤは黒龍に向かって投げつけた。両手から放たれたつむじ風が交わり、大きな竜巻となって黒龍に襲いかかる。風属性の中級魔法ガルーラだ。
直撃・・・かと思われたが、黒龍の体に当たったとたんに消えてしまった。
「んなっマジか!!ほとんど聞いてねえ!!」陽介は驚きの表情を隠せない。
「花村ー、しっかりしなさいよ!・・・いけっトモエ!!」陽介の後ろから、千枝が回し蹴りでカードを蹴り壊す。千枝の頭上にトモエが召喚された。
トモエが手に持っている長刀を振り回し相手に投げつけた。打撃スキル「黒点撃」・・・だがこれも黒龍の体に当たるとはじき返されてしまった。
「およっ!!ほとんどきいてない!」千枝も驚いている。
「ここは私が・・・!!」雪子が手に持っていた扇でカードをはじき壊す。
「おいで、コノハナサクヤ!!」雪子の声とともに頭上に華やかな衣装に身を包んだコノハナサクヤが召喚された。
コノハナサクヤが頭上で舞うと、空間から炎が現れ、黒龍めがけて飛んでいく・・。火属性中級魔法アギラオ・・・だがこれまで同様黒龍の体に当たってすぐに消えてしまった。「これも・・だめなの・・・!?」雪子は動揺を隠せない。
「・・・その程度の攻撃で俺を倒すだと・・?笑わせるな・・・。いいか、攻撃というのはな・・・こうやるのだ!!」
堂島のシャドウがそういったあと黒龍が体を大きくのけぞった。そしてのけぞった勢いを利用して口にため込んだ炎を8人めがけて吐き出した・・・!!
「ぐわあ!!」「ぁぁあ!」「きゃああ!」「くっ!!」「クマ〜!」「うわあぁ!」「くっはあ」8人が業火に包まれ、体力をごっそり削っていく・・・。
・・・業火がおさまった頃、8人の体力はもうほとんどなくなっていた。
「くっ・・・んだよこの威力」「・・からだ全身が焼かれるかと思った・・。」
うずくまっていた7人がなんとか立ち上がったものの、火属性が弱点の千枝が立ち上がれずにいた。その隙を黒龍は逃さなかった。
黒龍は腕を振り上げると、その腕を千枝に向かって勢いよく振りおろした。
「・・・!!千枝っ」雪子が助けに行こうとする・・・だが間に合わない・・!
「ペルソナチェンジ、デカラビア!」青年が素早くカードを握りつぶす。
星の形をしたデカラビアが召喚された。デカラビアは千枝にむかって詠招を始めた。
寸前のところで千枝の前にバリアが張られ、黒龍の腕がバリアに阻まれた。
物理攻撃を1度だけ跳ね返すテトラカーンという魔法だ。
その瞬間打撃の衝撃が跳ね返り、黒龍が大きくのけぞった。
「今だ・・・!クマ、回復を!」青年はおろおろしているクマに指示を飛ばす。
「了解クマ!・・・ゴー!キントキドウジ!」手に持っている爪でクマはカードを引きさいた。丸いボディをしたキントキドウジがクマの頭上で舞った。
辺り一面に優しい光が降り注ぐ。中級回復魔法メディラマが、8人の体力を満タン近くまで回復させる。
「ふう・・危なかったな。クマ吉、サンキューな!」完二がクマに向かって親指を突き出す。そして千枝も何とか立ち上がり、皆のもとへと駆け寄る。
「ああ・・・まじビビった・・・。ありがとう、さすがリーダーね!!」千枝が青年を激励する。
「あの状況での冷静な判断・・うん、すごいよ。」雪子も青年をほめたたえた。
しかし、ボヤボヤしている暇もなかった。黒龍はすでに体制を整え終えていた。
再び黒龍に向き直り、8人は身構えた。
「・・・こざかしい真似をしやがって・・。みすみすやられていれば苦しまなくてすんだものを・・・。」
「あんたになんかやられてたまるもんですかっ!!」堂島のシャドウの声に千枝が吼える。「ふふ・・・せいぜい今のうちにいきがっておくんだな・・。」
堂島のシャドウが不敵な笑みを浮かべた。それはまるでこれから起こる事をすでに予知しているかのような笑みだった・・・。
エピソード6−2 〜死闘2〜 に続く。
17旦那 No.11082582 2011年06月29日 01:52:21投稿
引用
「いっけえええ、トモエ!」
千枝の叫び声ともにトモエが姿を現す。そして黒点撃を黒龍に放った。
「ぐっ!!」堂島のシャドウが声をあげ、それと同時に黒龍が崩れ落ちる。どうやらクリティカルヒットしたようだ。
「総攻撃チャ〜ンッス!!」全員が青年を期待するような目で見つめてくる。
「・・・よし、行くぞ!!!」青年が合図を出した。
待ってました。と言わんばかりに全員が黒龍に向かって突っ込む。
それぞれの武器をぶつけられるだけぶつけていく・・・。
しかしダメージを与えることに集中していたメンバーは黒龍が体制を整え始めていることに気がつかなかった。
黒龍・・・堂島のシャドウは反撃の様子をうかがっていた。そしてメンバーに疲れが見え始め、手が止まった一瞬の隙を逃さなかった。
黒龍は全身に力を入れて瞬時に置きあがる。てっきり暫く起き上がらないだろうと思っていたメンバーは不意を突かれて動きが止まった。
「調子に乗れるのはここまでだ・・・。」
そして黒龍は体に巻いてた鎖をほどき始めた。そしてほどいた鎖を先頭メンバーに向かって飛ばした。
「うっ!」「なに!」青年と陽介の体に自分の腕の太さほどある鎖が巻き付く。
そしてもう1本の鎖が雪子に向かって飛んできた。
「雪子っ!!」千枝がとっさに雪子を押し出す。その場に倒れた雪子が振り返ってみたものは、自分の代わりに鎖にとらわれた千枝の姿であった。
「千枝・・・!」雪子は手で鎖をほどこうとするが雪子の力ではどうすることも出来なかった。そんな雪子を見て千枝はこう言った。「私のことはいいから雪子は離れて!」と。そう言い終わった後、千枝・陽介そして青年は黒龍に引き寄せられてしまった。
「これで、こちらには人質が出来たわけだ・・・。おっと、下手に攻撃するとこいつらに攻撃があたるぜ?お前らはこいつらがなぶり殺されるところを、黙って見ていることしか出来ないのさ・・・はっはっはっ!」堂島シャドウが高笑いをする。
「くっそ・・・両手がふさがれてちゃあ、カードは出せてもペルソナは召還できないぜ・・。」なんとか抜け出そうともがく陽介がそう言った。
ペルソナを召還するためには、自分の意識を集中させアルカナカードを出現させた後にそのカードを壊すことで初めて召喚が可能となる。
しかし両手がふさがれている今では攻撃もペルソナ召喚も出来なかった。
そんな3人を黒龍の口から放たれた業火が襲う。周囲に広がる炎が3人の肌を焼き、ごっそりと体力を奪っていく・・・。「くっ・・・これじゃあ持たないよ・・。」
千枝が悲鳴に近い声をあげた。
鎖にとらわれた3人をなんとか助けようとした雪子は遼太郎の壁となっている完二・クマ・直人を呼び寄せた。
「あんな鎖、とっとと壊しちまうぞ!」完二がペルソナを召還する。
「いけっ、タケミカヅチ!」鉄板によって壊されたカードからタケミカヅチが召喚される。そして鎖に向かって雷の束を落とした。雷属性中級魔法マハジオンガである。
だが鎖には命中したものの、鎖には何の変化もなかった。
「ちきしょう・・!!どんだけあの鎖丈夫なんだよっ!!」
完二が舌打ちをした、堂島シャドウが笑いながらいいはなつ。
「この鎖は、罪を犯した者がこわして逃走しないように作られた鎖でな・・・お前たちの力で切る事はまず不可能だ。」そして鎖に捕らわれている3人に向かって両腕を振りおろした。「うああ!」3人の悲鳴が上がる。
「もう!このままじゃあ先輩たちがやられちゃうよ・・・どうしたらいいのよ・・・!」りせが頭を抱えてその場にうずくまった。
「・・・そうだ、りせ先輩。あの鎖の成分って調べられますか?」
うずくまって泣きべそをかいているりせに直人が尋ねた。
「え・・・?うん・・やってみるけど・・・。」
りせは意識を集中させヒミコを召還した。そして3人をつないでいる鎖に全神経を集中させる。「りせちゃん!!早くしないとセンセイ達がやられちゃうクマ!」
「クマ君!!二人で回復魔法をかけるよ。りせちゃんの分析が終わるまで3人を回復し続けるのよ!!」慌てふためくクマに雪子が指示をだす。
「りょりょりょ・・了解クマ!!」クマが落ち着きを取り戻す。
「なら僕と巽君は少しずつでもダメージを与え続けます。・・・こい!スクナヒコナ!」直人はペルソナを召還し、光の球を出現させた。それが黒龍に落ちて大規模な爆発を起こす・・・万物系魔法メギドラ。
「こい!タケミカヅチ!」タケミカヅチの稲妻型の剣から、一筋の閃光が走る・・・雷系中級魔法ジオンガが発動した。
だが、やはりダメージはごくわずかなもので、ほぼはじき返されるに等しかった。
そんなことはとうに知っていた二人だったが、今の自分たちに出来ることはもうこれぐらいしか残されていなかった。
その二人の後ろから3人に向かってクマと雪子がメディラマを連発し、火炎と腕による薙ぎ払いのダメージを相殺する。
そして、りせがペルソナを消滅させたのはそんなやり取りを3回ほど続けた後だった。
「う〜ん・・・成分自体は普通の鎖と変わんないみたいなんだけど・・・。」
りせは首をかしげていた。「そうですか・・・なら一度試してみる価値はありますね・・いや、この方法しかないでしょう・・・。みなさん強力していただけますか?」
「その方法しかないなら・・・やるしかないだろ・・・そうクマ!!」
3人はおおきくうなずいた。
エピソード7 〜決着〜 に続く。
17旦那 No.11085816 2011年07月01日 00:12:22投稿
引用
「・・・こい!スクナヒコナ!」直人がペルソナを召還しさらに意識を集中させる。
そして魔力を大幅に高めた。コンセントレント、これを唱えた後1度だけ魔法の威力を2倍以上にする特技である。
そして完二がタケミカヅチを召還し、全員にマハタルカジャをかける。3ターンの間味方全員の攻撃力を高める効果がある魔法だ。
そして雪子がコノハナサクヤを召還する。そして一瞬間を空けてクマがキントキドウジを召還した。
まずコノハナサクヤが3人の巻きついている鎖の根元1か所に炎系魔法マハラギオンを集中的にあびせた。
「あっつ!あっちいよ雪子ぉ」千枝と陽介が嘆く。
「はっはっは、ついに仲間割れか?」と堂島シャドウが高笑いをした。
続いてキントキドウジが氷系魔法マハブーフラをマハラギオンが当たっていた場所へと放つ。熱によって急激に熱された鎖に氷の塊がぶつかる直前、直人が召喚したスクナヒコナが同じ場所にメギドラを放った。
熱を帯びていた鎖が急激に冷やされ、そしてそこに大規模な力が働く。
とたんに周囲は煙に包まれ、そのなかで「バキョン!」という鈍い音が響いた。
「チェックメイト・・です。」直人は静かにつぶやいた。
煙が晴れると、そこには青年・陽介・千枝がたっていた。ただ以前と違うのは、体に巻きついていた太い鎖がぶっつりと切れている事だった。
「なにぃ!!俺の鎖が切れる・・・だと?ありえん事だ・・・。」
堂島シャドウの顔に初めて焦りの色が見え始めた。
「・・・科学的な事です。一部に集中して高温の炎を当てれば当然鉄は溶けます。
ですがその状態のまま僕がメギドラを放てば大爆発を引き起こし、鎖を切るだけでなく先輩たちがダメージを受けてしまいます。そこで一度、一瞬だけ氷で冷やして温度を下げました。これでも鎖はもろくなりますのでそこに攻撃力を限界まで高めたメギドラを唱え、ぶつけたのです。・・まさかここまでうまくいくとは我ながら思ってもみませんでしたが。」直人が挑発しているかのように丁寧に説明した。
「けほっ・・・。うまくいってんのか・・・これ。」陽介がむせながら近づいてきて直人に聞いた。「まあ・・・生きてたので、成功ではないかと。」直人は実にそっけなく答えた。
「さあってと・・・わたしを縛るものがわけだし、そろそろ決着付けようよ!」
千枝が屈伸をしながら皆にそう言った。「・・確かにな、これ以上の持久戦は無理だな、SPもほとんど残ってねえし。」陽介の言葉に8人全員はうなずいた。
「いくぞ・・・みんな、これで終わりにしよう。」青年がもう一度声をかけた。その言葉に8人の心が一つになる。
「・・・生意気な・・ガキどもめ・・!俺がやられるわけなかろう!返り討ちにしてくれるわぁ!!」堂島シャドウの言葉に黒龍が雄たけびを上げる。
それが合図だったかのように全員が行動を開始した。
「ゴー、キントキドウジ!」クマがキントキドウジを召還し、ブフーラを放った。
「そんな攻撃・・・聞かん!」黒龍は先ほどと同じタイミングで避けようとする。
しかし、後ろから陽介がジライヤを召還し、ガルーラを放った。鋭い竜巻で切り裂かれた氷が細かい飛礫となって黒龍に襲いかかった。そして不意を突かれた黒龍に矢のごとく氷の飛礫が当たる。「ぐっ・・・。」黒龍の動きが一瞬とまった。
その隙を逃さなかったのが雪子と完二であった。二人はコノハナサクヤとタケミカヅチを召還し、マハラギとジオンガを同時に放った。ジオンガの稲妻にマハラギの炎が巻きつくように交わり、1本の槍のようになった。そして黒龍の体を貫くがごとく命中した。しかし黒龍もまだ倒れない。
攻撃は手を止めることはなく、今度は直人がスクナヒコナを召還し、メギドラを発動させた。目標物が一つしかない光の球は黒龍に集中して降り注ぐ。
魔法の連続攻撃についに黒龍は体をよじらせ、地面へと倒れこんだ。
このチャンスに選ばれたのが千枝だった。
陽介の召喚したジライヤが千枝に向かってガルを放った。「いっけえ、里中っ!!」
千枝が疾風魔法ガルの風に、堂島シャドウがいる額へと吹き飛ばされる。
額の近くまで吹き飛ばされた千枝は体制を整え大きく体をねじった、そして息を思いっきり吸い込む。
そして千枝は堂島シャドウに向かって、よじっていた体を戻し、遠心力を利用して回し蹴りを放った。「くらえっ!ずっど〜ん!!」
脳天に強烈な一撃をくらった黒龍は、完全に動きが止まった。
「さーあて、お膳立てはこんなもんかな?あとはたのむぞよ、リーダー!」
千枝の掛け声に青年は深くうなずいた、そして掌に意識を集中させる。
ペルソナカードが宙に舞い、青年の掌に落ちる。
瞬時に青年はカードを握りつぶした。「こいっ、イザナギ!」
青白い炎とともに青年の頭上にイザナギが姿を現す。それと同時に青年も手に持っていた刀を握りなおし、構える。
イザナギが黒龍に向かって走りだすと同時に青年も走りだした。
「いけええ!!」全員の声が一つに重なった。
イザナギと青年が手に持っていた刀を振り下ろした。互いの斬撃が中心で重なり一つの大きな刃となる・・・!
斬・・・!!
その瞬間、堂島のシャドウごと黒龍の頭が真っ二つに切り裂かれた。
「ばかな・・!この俺が・・こんなガキどもに・・・ぐあああああああ!!!」
断末魔の叫び声とともに黒龍が黒い塵と化し、音もなく崩れ去った・・・・。
エピソード8 〜危機〜 に続く。
17旦那 No.11095153 2011年07月04日 23:59:51投稿
引用
「・・・よっしゃ!」陽介がガッツポーズをするも、地面に座り込んでしまった。
「はぁ、なんとか・・・倒せましたね。」直人が肩で息をしながら青年に近寄ってくる。
「・・・それより、堂島・・さんは・?」
りせの言葉に安堵の表情を浮かべていた他の7人の顔色が変わる。そして遼太郎が縛られている椅子に向かって一斉に駆け寄る。
遼太郎は俯いたまま動かない。「堂島さん!!聞こえますか!?」直人が軽く揺さぶった。しかし反応がない。
「いや・・・もしかして・・・。」雪子の表情がこわばる。
「大丈夫、気を失ってるだけです。とりあえず・・・この鎖をはずして、いち早くここから堂島さんを連れ出しましょう。」
8人が一斉にうなずいた・・・その瞬間、「ずおおおおお・・・。」という地鳴りに近い音が部屋中に鳴り響く。
「な・・・みんな!気をつけるクマっ、部屋のあちこちからシャドウの気配がするクマっ!!」「おいっ、クマ吉!まじか・・・・。」
クマの呼びかけに完二が答えようとした時それは起こった。
部屋の隅から黒い煙が上がり、次々とシャドウが姿を現した。しかも1匹2匹の問題ではなく、部屋を埋め尽くすほどのシャドウが一度に出現した。
「なによ・・この数!」千枝が怖気づく。
「おそらくですが・・・ここの「主」がいなくなったことによって牢屋に閉じ込められていたシャドウが、解放されたのではないでしょうか・・・」
直人が銃を構えつつつぶやく。
「でも、解放されたのになんでわざわざ最下層まで来るんだよ!?」陽介が直人に聞き返す。
「僕にも詳しくはわかりません、ただ{自分たちを閉じ込めた者に復讐しに来た}と考えればなんとなく納得できませんか?」直人は陽介の質問に答えた。
「待て、・・・てことはあのシャドウたちの狙いは俺たちじゃなくて・・。」
「堂島さん・・・!!」陽介の言葉に雪子がつぶやいた。
「くっそ・・・おいみんなっ!堂島さんを囲むように立つんだっ!」
陽介の指示に全員が遼太郎を囲むように立ち、武器を構えた。
「ちょっと待ってよ花村先輩!みんなの体力はもう限界だし、SPもほとんど残ってないのよ!!」りせが全員の状況を説明する。
「そうクマよヨースケ!こんな数のシャドウ相手に、このままじゃまともに戦えないクマよっ!」クマもわめいた。
「・・・だからつって、このまま堂島さんを見捨てるわけにいかねえだろうがっ!!今助けないで、いつたすけんだよ!誰が助けるんだよ!・・・俺達しかいねえだろうが!俺は・・・もう誰も・・・先輩みたいな犠牲者を出したくないんだ!なあそうだろ?相棒っ!」
陽介の言葉に青年は黙ってうなずいた。
「さすが俺の相棒だな。・・・っ来るぞ!」
陽介の言葉に全員がもう一度身構えた。しびれを切らしたシャドウの大群がもはや戦う力などほとんど残っていない8人に向かって一斉に飛び込んできた。
「絶対に・・・あきらめるんじゃねえ!」陽介の言葉が部屋中に響きわたった。
エピソード9 〜覚醒〜 に続く。
17旦那 No.11098310 2011年07月06日 20:44:17投稿
引用
「・・・きて、お・・てあな・・、起きてあなた・・。」
(どこかで俺を・・・呼んでいる・・・?)
遼太郎は朦朧とした意識の中、遼太郎は静かに目を開けた。相変わらず手足は椅子に縛り付けられている。
遼太郎はゆっくりと顔をあげた、そこには遼太郎がどうしても守ることが出来なかった妻・・・千里の姿があった。
虚ろな遼太郎の目が大きく見開いた。
「ち・・さと?千里なのか・・・!?」
遼太郎はなんとか近くに寄ろうと体を動かすも、体に巻きつく鎖が行く手を阻んだ。
「くっ、邪魔なんだよっ・・・くそ!」しかしいくら遼太郎がもがこうとも、鎖がこすれる音が響くだけだった。
そんな遼太郎を見ていた千里はゆっくりと遼太郎に歩み寄る、そして遼太郎の前で立ち止まった。そんな千里に向かって遼太郎が叫ぶ。
「俺は・・・俺は・・・お前を守ることが出来なかった。そして今もお前を殺した奴の足取りを何一つ掴んじゃいない!!・・・奴を捕まえるまで俺だけは絶対あきらめちゃいけないんだっ!!」
そんな遼太郎を見下ろしていた千里は遼太郎に顔を近づけた。そして耳元でつぶやいた。
「あなた・・昔から変わらないのね、でも私はそういう不器用なあなたが好き。人との付き合いが苦手で、愛想がなくて、1つの考えに突っ走ってしまうあなた。だけどほんとは誰よりも他人の事を心配していて、優しいあなた、私はそんなあなたの妻で本当に幸せでした。でもね、あなたがどんなに私の事を思っていても私は・・・もういないの・・・私よりも、あなたは今自分が大切だと思う人を守ってあげて・・・逃げないでちゃんと向き合って。それが今のあなたに出来ることでしょう?」
千里はそう遼太郎に告げると頬に唇を付けた。
そしてもう一度遼太郎と顔を合わせた、千里の顔には滴が流れている。
「千・・・里・・。」遼太郎がそうつぶやいた瞬間、千里の姿が光の粒となって空へと舞いあがった。慌てて遼太郎は光の粒を目で追う。
「あなた・・・。菜々子を・・・そして自分たちの手で未来を切り開こうとしているあの子たちを・・・守って・・・。」遼太郎の耳に千里の言葉が入ったその時
かろうじて千里の輪郭を残していた光の粒がはじけ飛び光の雨となって周囲に降りそそいだ。
遼太郎は千里が浮き上がった場所をただただ呆然と眺めていた。その顔に一筋の滴が流れた。
そんな遼太郎の前に青白い炎がわきあがった、そしてその中から姿を現したのはくたびれた黒いワイシャツに赤いネクタイ、そして黒い長ズボンに革靴を履いているいつもの自分だった。
もうひとりの遼太郎はは何も言わずに縛られている遼太郎を見つめていた。
涙をぬぐうことが出来ない遼太郎は、そのままもう一人の自分と向き合う。
「へっ、自分自身に泣いてる姿をみせるなんてなさけねな俺も・・・今ある現実から目をそむけていた自分、犯人を追うことをどこかであきらめているのに、それを俺の仕事だっつって言いわけにしてた自分、それが菜々子にどれだけ苦労をかけちまったんだろうな・・・。それに気が付いていたはずなのに・・・俺はいつしか自分の中にかくしちまっていた、真実を見つけ出す事が仕事の刑事が、一番自分に嘘ついてたなんてな・・・ハハッ笑っちまうな。確かにお前の言ってる事は正しい。
俺は・・・お前、お前は俺だ、逃げ続けてきた俺、あきらめちまっていた俺、いままで認めなくて・・・その・・・すまなかった。」
これまで黙って聞いていたもう一人の遼太郎は静かにうなずいた。
その瞬間遼太郎は自分の意識が遠くなっていくのを感じた。
・・・再び遼太郎は静かに目を覚ました。目の前には自分を取り囲むように「こいつら」がいる。そしてその周囲には見たこともない異形の怪物たちが目前にまで迫ってきていた。
遼太郎はすぐに状況を悟った。(こいつらは・・・俺を守ろうとしている。もうそんなちからなんて残ってねえはずなのに、全力で俺を守ろうとしてやがる。・・・こんな時に俺はなにしてやがる?まだ子供のこいつらが頑張ってんのに、大人である俺が何へばっちまってんだ?・・・俺は、こいつらを守る責任があるっ!千里と約束したんだ、これからの世界を・・・未来を築いていくこいつらをここで・・・死なせてたまるかよ!」
遼太郎は全身に力を込めた。すると、いままで自分を縛りつけていた鎖が音を立てて地面に崩れ落ちた。遼太郎はふらつく足で立ち上がる、そして全神経を集中させた。
遼太郎は自分が今何をしようとしているかわからなかった・・・体が、自然と動くのだった。まるですべきことが分かっているかのように・・・。
その瞬間青い炎が遼太郎の全身から放たれた。すさまじい勢いで遼太郎の体を包み込んでいく。
自分の背後から強力な力を感じ取ったりせが、後ろを振り返った。
「堂島さん・・っ!?・・・なに・・これ、こんな力見たことない・・。」
りせの言葉に他の全員が振り返る。
「まさか・・・ペルソナを召喚するのか・・・?」陽介がつぶやいた。
「よよよ〜!!ものすごい力クマ、ドージマさんにこんな力が眠っていたなんて知らなかったクマよっ!!」クマは眼を見開いている。
驚く8人をよそに遼太郎は力を解放する。そして頭上からアルカナカードが現れた。
遼太郎はそのカードを薙ぎ払うように掴み、握りつぶした。カードの破片が飛び散る。
その瞬間遼太郎の頭上に一筋の閃光が走り、空間に亀裂が入る。そしてそこから姿を現したのは体中が黄金に輝く龍の姿であった。龍の圧倒的な威圧感にシャドウの動きが止まる。
黄金龍が、雄たけびをあげた。すると周囲にいた8人を黄金の光が優しく包み込んだ回復系最上級魔法メシアライザー。
「およっ!体が軽くなっていくぞよ・・?」「ほんとだ・・・体がこうスーッとなっていくぜ。」千枝と完二が言った。
しかし、シャドウはその隙を見逃さないが如く再び突っ込んできた。
遼太郎は再び召喚し、叫ぶ。
「おらぁぁぁぁ!!全てを消し去れ!!」
遼太郎の声と黄金龍の雄たけびが一つになった時、天井からおびただしい数の稲妻がシャドウの大群に向かって振りそそいだ。逃げまどうシャドウの体を稲妻が一匹残らず貫いていく・・・。雷系上級範囲魔法マハジオダインを発動させたのだった。
全てのシャドウが黒い塵と化しけし飛んだ。それと同時に黄金の龍は姿を消した。
「す・・・ごい。」青年は思わずそうつぶやいた。
(へっ・・・あいつなんつう顔してんだ・・・千里、これでいいんだろ・・・?)
遼太郎は地面に膝をついた、そしてそのまま前に倒れる。薄れる意識の中で遼太郎は、たしかに「あなた。」という千里の声を聞いたような気がした。
エピソードエンド 〜真実〜 へ続く。
17旦那 No.11110628 2011年07月12日 22:24:37投稿
引用
倒れてしまった遼太郎を一番身長の高い完二と、2番目に高い青年とで交代で背負いながら、8人は何とか刑務所を脱出しいつもの広場へと戻ってきた。
「ふぅ・・・やっとついたぜ。・・・堂島さんが回復してくれなったらここまで帰ってこれなかったかもな・・。」
膝に手をつきながら陽介がつぶやく。
「ほんと・・・堂島さんの力・・・すごかったよね。」
と雪子も陽介に同意した。
「そんなことより・・・このあと堂島刑事をどういたしましょうか・・・。」
「普通なら病院だよね〜。でも堂島さんの事だから、すぐに出てきちゃいそうだし・・。」直人と千枝が頭を抱える。
「やっぱり、私たちの時みたいに家でゆっくり休ませるのが一番じゃないかな・・?」
りせが完二に背負われている遼太郎の様子をうかがいながら言った。
「そうクマね〜、クマの世界のことを医者に説明しても多分わからんクマよ。だがらセンセイの家で休ませるのが一番クマ。」りせに続いてクマが言った。
「じゃあ完二はテレビをでてジュネスの入り口まで堂島さん背負ってくれ、そのあとは俺が背負って帰るから。」
青年は完二にそう伝える。
「いやっ、いいっすよ先輩。俺も先輩の自宅まで行きますよ。」完二は笑いながら答える。
「家は完二の家とはほぼ反対方向だから、俺が背負って帰ったほうが効率がいい、大丈夫だ。だから完二を含め、みんな今日はゆっくり休んでくれ。」
青年は完二の言葉にそう答えた。
完二は一瞬たじろいたが、すぐに笑みを作り「リーダーがそういうなら、あとは任せるっす。でも無理しないでくださいね、連絡してくれりゃあこの巽完二、いつでも手助けしますから。」とガッツポーズを作って言った。
「よっし・・・誰もいないな、おいみんな、帰ろうぜ。」
クマが出したテレビに顔をつっこんで外の様子をうかがっていた陽介が声をかけた。
「・・・じゃあな、気をつけろよぉ。」
稲羽中央通り商店街の入り口で青年は、仲間たちと別れた。
日が落ちかけて、真っ赤に染まった鮫川の土手を青年はゆっくりと進むんでいく。
「・・・ん、・・・ここは。」
夕暮れの日差しに照らされ、遼太郎が目を覚ました。
「大丈夫ですか?」青年は一旦歩みを止めて様子をうかがう。
「ああ・・だいぶな、すまん・・・その、恥ずかしいからおろしてくれないか」
夕日のせいで、頬が真っ赤に染まった遼太郎がつぶやいた。
「いいじゃないですかたまには。」青年は再び歩みを進める。
「・・・ん、でだな。さっきの事なんだが・・・。」遼太郎は自分に起きたことを話そうとする。ここで青年悩んだ。本当の事を言うべきか、言わないでおくべきか。
もし本当の事を言えば遼太郎の事だからテレビの中にもう一度行きたがるであろう。だがそれでは本職の刑事の仕事がおろそかになってしまう。
考えたあげく、青年は「何も知らない」ふりをすることにした。
「・・・さっき?一体なにがあったんですか?」青年はそう答えた。
「お前・・・しらないのか?・・・そうか、いやなんでもない。」
「堂島さん、昨日家に戻るといって戻らなかったので、最初仕事かと思ったんです。ですがいつもなら必ず家に連絡するはずなのに、来なかった。だからおかしいと思ったので今日になって陽介たちと稲羽市中を捜しまわったんですよ。」
青年は頭の中で即興で作り話を作り、そう話した。
「そしたら・・・ジュネスの裏の駐車場で遼太郎さんが倒れてるのを発見して、
現在に至るということです。」
「ジュネス・・・?全くおぼえとらん。」
「おぼえていない?」
「いや・・・実は仕事がひと段落したもんだから同僚と飲み屋に行って飲んでたんだ。だが結構飲みすぎたらしくてな・・・途中から何も覚えていねえんだ。」
「今度からお酒はほどほどにしてくださいね。」
「そしたら・・・。」「・・・そしたら?」遼太郎の顔を青年は覗き込む。遼太郎は何か思いつめているようだった。
「・・・いや、なんでもない。・・・さあ、帰ろうか。菜々子が家で待ってるからな。」「はい。」
ゆっくりとした速さで進む二人を沈みかけた夕陽が優しく照らしていた。
エピソードエンド 〜真実〜 完
17旦那 No.11110664 2011年07月12日 23:03:40投稿
引用
どうも、こんにちは。
・・・なんとも歯切れの悪い終わり方をしましたが以上で終了です。
さてさて、ここでいくつか言いわけをします・・・というかさせてください!!
これがないと、いろいろやりきれなくなるので・・・よろしくお願いします。
この小説でのポイントは大きく分けて5つ
?遼太郎のダンジョンについて
?遼太郎のシャドウ・ペルソナについて
?物語の結末について
?ゲームとの関連性について
?その他。
まず?
すでにゲームをプレイされたかたならおわかりでしょうが、テレビの中にて構成されるダンジョンは、その人の抑圧された弱い一面や、こうなりたいという欲求が具現化して作りだされます。(ここからはネタバレなので注意!)
「堂島遼太郎」という人物を一言で表すならば「不器用」・・・ですかね?
どちらかというと人と関わるということが苦手で、なかなか話そうとしない。
ゆえに刑事という職業柄、どうしても青年や菜々子と接する時、なにかを探ろうとしてしまう。
しかし、それは純粋な優しさの現れであり、心から心配してくれる優しい人なのです。
なので、「刑務所」にしました。本当は「警察署」にしようとしたのですが、
警察署はそこまで広くなさそうでしたので刑務所にしました。
つまり、永久に出られない刑務所を具現化してしまったのは、「大切な人のためにも2度とやらせない」という大切な人への「優しさ」からきているという風にしました。
(強引でほんとすいません・・。)
?についてですが、これも本編にかかわってきます。
遼太郎は若いころに奥さんである千里さんを交通事故で亡くしています。
しかも犯人は捕まっていません。遼太郎は今でもそれを追い続けていますが、
ほぼ「八方塞がり」の状態です。
遼太郎は正直今の自分のあり方に疑問を抱いています。
本当に犯人が捕まるのか、どうすればいいのか。
「時効」という言葉に追われ遼太郎はかなり情緒不安定になっていました。
その影響は千里さんの忘れ形見である、娘の菜々子にまで影響します。
自分が忙しいということを菜々子はわかってくれる、そういう「言いわけ」を自分にして菜々子との距離を置いてしまっていました。
・・・しかし、本当の理由は大きくなり日に日に千里に似てくる菜々子にどこか「おびえて」いました。
本編ではそんな気持ちが遼太郎のシャドウを生んだという話になっています。
ペルソナについてですが・・・とても悩んだ挙句、「コウリュウ」を使わせていただきました。本編をプレイした人ならご存知のはず。遼太郎のとのコミュニティをMAXまであげると生みだせるようになるペルソナです。
なぜオリジナルのにしなかったのか、それは?の説明にて。
?についてですが、ここがかなり悩みました、打ってはデリート、打ってはデリートの繰り返しでした。
まず結末として
1遼太郎が「自称特別捜査隊」に加入して終わる
2加入せずにそのまま終わる
とで悩みました。(この小説では2でしたよね。)
1もこれはこれでおもしろいと思いました。?の話しに戻りますが、遼太郎のペルソナとして「ノブナガ」というペルソナを考えてもいました。
しかし2の結末にしたのは、「素晴らしい原作を崩さないため」です。
やはり高校生たちが力を合わせて事件を解決していくのですから、大人がそこに加わっちゃあだめですよね。(ましてや堂島さんですもん・・・。)
しかも、加入するということはペルソナを考える必要があったので、そうすると話が長ったらしくなってしまうような気がしたので、やめて2にしました。
(ほんと強引な終わり方でほんとすいません・・。)
?ですが、一切関連はしてません。単なる作者の妄想にすぎません。
(いい言い方をすれば「番外編ですけど、そこまですごいものじゃないし。)
?ですが、よんでいただいた方、本当にありがとうございます。
感謝の言葉でいっぱいです。
さてもういっこの小説も進めないとな・・。
でわでわ・・・。