「暮れる夢の日」 12年3月23日現在のインフォメーション

序文


本作は、宇宙からの啓示や、麻薬服用のトリップクメールルージュの拷問で脳みそが飛んだ
目の前で母親がダンプに轢かれた電車が二時間送れた、ファイアフォックスが安定しない、
リバーシで勝てないうんこもれた、等の環境下で書かれたかどうかが問題ではない

妄想は全ての物に勝る、官憲も宗教も政治もどんな物も妄想には割り入らない
そして人は妄想を口走る究極の自由がある
(はっきり言うと殺人も強盗も自由だけど、大徳がそれをお喜ぶ筈が無いので此処では禁止とする)

アンドレイ・チカチーロは物心付いてからの全生涯をある種の妄想に捧げた
「彼は猟奇殺人者だから」…違う、皆物心付いてから妄想に心を捧げているのだ
それはそうと俺はロリコンを否定しない、あとAMラジオは何時まで経っても続く、嬉しいな
お母さんどうして僕を生んだんですか

現時点で慢性的に登場するだろう人物たち


神宮寺忠盛 大体のお話に出るよ

本作主人公。中産階級の子弟だが、宇宙の法則で色々凄い。色々凄いのだが、色々凄い。
頭の中が無政府主義で、凄くて凄い。色んな人と知り合いになり、色んな人を殺す。
未成年だが飲酒とエロが大好き。大麻もやってるらしくて凄い。凄い。
あんまり死なない。たまに統合失調症を起すがすぐに回復する。略奪が大好き。
二次元美少女・ショタを虐殺するのも好き。クリちゃんチツちゃんスキスキ!


坂本次郎(一家) 「精神病院」ほかに出るよ

姉はクルクルパー、父親はアナルみたいだと上司に言われる顔、ママは小学四年生、違う
ジョセフ・スミスから使わされたモルモン教の宣教師に姉を間接的に病院送りにしてもらい、
今はハッピーな生活を送っている、それはそうと上記の事がきっかけでモルモン教に入信してから、
便通が良くなってハッピーな生活を送っている、神様ありがとう!


金子健太郎(一家) 「アカハタ」ほかに出るよ

パパはサダム・フセインなのに良く分からない事情で母と共に貧乏な暮らしをしていた。
ちなみに見掛けも普通の日本人だ、イラクは大量破壊兵器ではなく遺伝子工学を所持している。
アメリカ民主党に私生活を覗かれているが、彼はまだ気づいていない。


ジョセフ・スミス・ジュニア 「精神病院」ほかに出るよ

モルモン教祖、一夫多妻主義者。
坂本次郎の守護者になり、精神病の姉を性的な方法で治療したりする。
居住はユタ・モルモンの教会だが、教理は復元派に沿っている。
時々坂本一家に変な掲示を与えては、猟奇殺人を行わせているらしい。


サダム・フセイン 「アカハタ」ほかに出るよ

金子のパパで、アル・ゴアの「不都合な真実」によればイエスキリストの子供。
健太郎に会う直前に妻は爆死したが、健太郎には会えたのでハッピー。
湾岸戦争とイラク戦争の事を根に持っており、米軍に容赦はない。
自宅は豪華で、四隅のミナレットをミサイルに改造している。


丹波哲郎 いろいろな話に出るよ

俳優で、霊界探索の第一人者であり、忠盛の行く所で色々やっている。
大麻取締局の局長もやっているが、大麻が生えすぎたので持って帰らせる、
気前の良い面もあるが、ボードゲーム「たんば」の売り上げは気にしている。


麻原彰晃

本作のナレーションを行っているらしいが。真偽は不明。毒電波で割り込んでるのかもねっ。
時々説明を放棄して道徳的言動を吐き全世界を感動させるが、サリンの生成も怠らない。
マンジュシュリー・ミトラ正大師などの幹部も登場するが、一部は主人公に殺されている。



本編



「消えないぜ、婆さん」
暗黒世界は意外に根深いんですよ。


忠盛だってまさかこうなるとは思っても居なかったのだけど。

巴里高校の第三時間目に新聞の号外屋が飛び込んできたが、号外を持っていない。
校庭の中心に立ち、号外屋は叫んだ。

「婆さんが死にたがってるぜ!電車で死にたいらしい!」

生徒も教師も、校庭の方に向けて窓から顔を出した。

「授業は途中で終わりだぜ、婆さんを見に行こう」

この社会主義者の教師がそう言うから忠盛もクラスメイトも勿論学校中の人間が
皆そろって号外屋の元にぞろぞろ集まった。

「婆さんは何処にいるんです!」
「何時に死ぬんです!」
「まあまあお待ちなさい!直ぐに行けますよ」

メガホンを持ち、赤い下地に白の「号外」の腕章をつけた若い号外屋は、
大体が揃ったのを見ると、学校中の人間を連れて出た。

林道をぞろぞろ行進しながら、号外屋は後ろを何度も確認した。
号外屋の前は旅行代理店のガイドをやっていたのかも知れない。

「皆さん揃ってますか、今日は良い日ですね」

でも行列の皆は良い顔をしていない。
進行がのろいのだ。

「おい、号外屋、進行がのろいぞ!」
「てめえはてめえの速度で行きな」
「でもあんたしか場所をしらんだろう」
「そう言う事だよ、さあ皆さん、そんなに急がなくたって、直ぐそこですよ」

ははあと忠盛は気付いた。
踏み切りだ。

もう婆さんは線路内に入っていた。
線路の方に向かって正座をしている。
茶色気の着物を着て、銀髪を結わいて、電車を待っている。

他の号外屋が連れてきたどこぞの町民たちが向こう側のガードレールから身を乗り出してそれを見てる。
こちらの号外屋も、金網に観衆をへばりつかせた。

「良く見えるでしょう!」

誰も緊急警報スイッチを押さない。
あれは憲法九条と同じく不可侵なのかもしれない。
僧侶がただ一人、何故か誰もいない遮断機の前に来て、声大きくお経を唱えだした。

「にょらいじゅりょうぼん第十六!」

「やあ、お坊さんも良くやるね」
「知ってますか、お坊さんも新幹線に乗るそうです」

誰かが自転車で掛けて来た。
号外屋の仲間らしい。

「特急は二つ手前の駅を通過したぞ!時は迫り着たぞ!」
「おお!同志よ!」

皆それを聞いて顔をこわばらせた。
特急が赤かったらどうしよう。
特急は青で無きゃならない。
青じゃない特急は急行だ。

校長が何かを我慢しきれないように、金網をよじ登った。
良く見たら失禁していて、ズボンの裾からビチャビチャ黄色なのが垂れて来る。

「くそったれジジイ!」
「うるせえ!」

校長がそう返している内に、老婆はひれ伏した。
電車の振動を感じたのか。
遠くからゴロゴロ音がする。

「特急スーパーあずさ24号!」
「電光掲示板はついてない!」

僧侶のお経が止んだ。
今度は片手を突き上げ、数珠を震わしながら歌い始めた。

「立て、飢えたる者よ、今ぞ時は近し♪」

向こう側の人達も歌い始めた。
こちら側も歌い始めた。

「気分がいいね、歌うってのは」
「でもそろそろ特急が来るよ」

ライトが見えてきた。
いざ見えてくると、とても動きが早い。

老婆は微動だにせず。
僧侶は数珠を震わせ。

パーンと警笛が鳴った。
だが特急は減速せず、民衆達の前を高速で過ぎていく。

ゴー、ゴーと言う音の後に特急は遥か彼方へ消えた。
老婆の死体は無く、赤い歌だけが民衆の中に続いた。

「ああ、インターナショナル!我等が物!」

インターナショナルが、老婆の血と肉体の代わりを果たしたのだ。
校長はやたら大きい金網の上の方でバランスを崩し、落ちてきたので
生徒達がそれを受け止めると、校長は顔を真っ赤にして、何も喋らなくなった。
これが校長が「壊れたファービイ」と呼ばれるようになった所以だ。

いつのまにか号外屋と肩を組んで義兄弟の様になった教頭が叫んだ。

「孝之、君は良い号外屋だ…おっと!今日は解散!」

忠盛は帰り道に、今日の事を忘れないだろうと思った。
母親に早く話したい物です。
母さん、母さん。


(続け)