エンディングまでプレイしてみての感想を
※100点満点からの減点法で評価

良い点

世界観
不気味というか、どこか物寂しい雰囲気が、3日後に滅ぶ運命にあるこのゲームの世界観を感慨深いものにしている。
街中を歩く人々についても、ひとりひとり細かな設定がされており、特に3日目の夜は、最後の数時間をどう過ごすのか、人々の個性がよく表れていて、とても丁寧に作り込まれていると感じた。

やり込み要素
いわゆる”クエスト”的なサブイベントが豊富。
また、そのサブイベントでも人間ドラマを垣間見ることができる。

やり応えのあるダンジョン
ダンジョン全体を上下反転させるといった派手な仕掛けや複雑な謎解きもあり、ダンジョン攻略はやり応えがあった。

釣堀
ゼルダシリーズでは定評のある釣堀が今作には登場する。
オリジナル版には無かったらしいので、嬉しい人も多いのではないだろうか。

金欠になりにくい
時間を巻き戻すたびにルピー入りの宝箱等は復活するので、基本的に金欠にはなりにくい。
ミニゲームなどにも気軽に挑戦できる。

悪い点

スキップできない演出 (-10点)
ゲームの進め方を誤ると、同じイベントムービーを何回も見させられるハメになり、かなり苦行。
また、オカリナを演奏する際の演出がスキップできない点も気になった。
仮面を被った時の演出などは2回目以降はスキップできるのに、何故オカリナは無理なのか…

時間逆行による副作用 (-15点)
まず、時間を巻き戻すと消耗品や手持ちのルピーがいちいち無くなる。
いくら金欠になりにくいとはいえ、いちいち消耗品を買い揃えるのは面倒。

また、時間を巻き戻すと1日目の朝の状態(リンクがまだ何もアクションを起こしていない状態)に戻るのだが、このことに関する説明が不十分。
●曲を覚える
●ワープポイントを解禁する
●ダンジョンをクリアする
など、やるべきことを特定の工程までやってから時間を巻き戻すのが望ましいのだが、変なタイミングで時間を巻き戻した場合、何度も同じことをさせられることになり、モチベーションの低下に繋がる。

時の逆さ歌・時の重ね歌 (-15点)
この2つの曲は隠しメロディーであり、必ずしもクリアに必須の曲ではない。
ただ、時の逆さ歌については、あるのとないのとでは難易度に雲泥の差があるため、習得することに必然性があった方が良かった。

時の重ね歌は特定の時間帯までタイムジャンプできるというものだが、日付を越えて一度にタイムジャンプすることができない。
例えば、1日目の朝から3日目の夜にタイムジャンプするには、1日目の朝→2日目の朝→3日目の朝→3日目の夜と3回も曲を演奏する必要があり、面倒。

最初の3日間 (-5点)
やるべきことを終わらせたあと、3日目の夜まで待たされるのだが、場合によってはリアルタイムで10分以上待たされるため、早い人ならこの時点で売りに行ってしまいそうなレベル。

総評:55点

ざっとプレイしてみての感想なのだが、このゲームは良くも悪くも好みの分かれるゲームだと感じた。
とにもかくにも、終始時間制限が付き纏う上に、時間を巻き戻すことによるリスクが大きすぎるため、今作にはこの時間制限仕様とじっくりと時間をかけて謎解きを楽しむ従来のゼルダシリーズの楽しみ方とのギャップがある。
ここが好みの分かれるポイントになるだろう。

少なくとも、じっくり時間をかけて自力で謎解きを楽しみたいと考えている人には、このゲームは合わないかもしれない。
逆に謎解きに自信のある人や、攻略サイトを見ながらでもサクサクプレイしたいと考えている人にはオススメできるゲームだと思った。