最後までプレイしていないので、多少エアプ発言も含まれるかもしれないが、予めご了承いただきたい。

良い点

コンテンツが豊富
ダンジョン数や登場ポケモンの数が多い。
単純に良い点と言えるだろう。

グラフィック
前作と同様、一匹一匹のポケモンがとても丁寧に再現されている。

BGM
シリーズを通して言えることだが、今作もBGMには相当力を入れており、神曲揃いだと感じた。

ダッシュの使いやすさ向上
不思議のダンジョンシリーズにおいては、先に何があるか分からない状況でダッシュを多用するのは控えた方がよい。
だが、ついついダッシュを使いたくなってしまう人はかなり多いはず。
今作では「通路でダッシュを使った際に、うっかり敵の前に出てしまって先制攻撃を受けてしまう」という、よくありがちなミスを防ぐべく、ダッシュ中に敵と鉢合わせした際に敵の一歩手前で止まってくれるような仕様になっている。
地味だが非常にありがたいと感じた。

悪い点

狂ったゲームバランス
今作はよく「難易度が高い」などと言われるが、私はゲームバランスがそもそもおかしいと感じた。

ポケダンに関わらず、不思議のダンジョンシリーズの醍醐味は「いかにして敵に倒されずに進むか」を念頭に置き、道具や技を駆使してダンジョンを攻略していくことにある。
しかし、今作では序盤からこちらを一撃で倒せるほどの攻撃力を持つ敵がたくさん出てくる。
そして、そのための調整としてか、床にはこれまでのシリーズでは比較的貴重品だった「ふっかつのタネ」が大量に落ちていたりする。
その結果、倒されては復活することを繰り返しながら進むような調整になっており、倒されずに進む方法を考えるゲームではなく、倒されることを前提に強引に突き進んでいくゲームと化している。
そこに不思議のダンジョンシリーズ特有の緊張感は微塵もなく、正直つまらない。
全体的に難易度を稼ぐポイントを間違えており、ただ倒される回数が増えただけで相対的に難易度が高いわけでもなく、攻略方法を試行錯誤する必要があるわけでもないので、非常に妙なゲームバランスだと感じた。

閉店ガラガラシステム
閉店ガラガラシステムとは、一度ダンジョンに連れて行ったポケモンはしばらく使えなくなるという今作の仕様のこと。
エンディング前ならまだしも、エンディング後ですら連れて行ける仲間ポケモンに制限がかけられてしまうので、使いたいポケモンが好きな時に使えないという状況に頻繁に陥る。
開発者側としては、いろんな種類のポケモンを使ってもらうために、わざわざこんな仕様にしたのだと思うが、はっきり言って余計なお世話。
どのポケモンを使うかはプレイヤーが決めることであり、開発者が決めることではない。

前作までは、好きなポケモンにドーピングアイテムを使いまくったりして遊ぶのが好きだった人が相当数いると思われるのだが、今作では好きなポケモンを育てても使えないなら育てなくても良いとなり、ゲームの持続性を減らしていると感じた。

劣化したUI
前作はボリューム不足と批判された反面、操作性やプレイするにあたっての快適性など、UIにおいては非常に高い完成度を誇っていた。
しかし、今作は前作に比べて快適性を大きく欠いている。
例えば以下。

●文字の表示速度
遅い上にオプションでの設定変更不可。
ゲーム内容上、メッセージの表示が多いので非常に気になる。

●行動選択の面倒さ
例えばダンジョン内において、仲間のHP残量ひとつを確認するなど、何をするのにもいちいちメニューを開く必要があり、面倒。

●仲間を「押す」
この機能は果たして必要なのか、と正直感じた。
今作では仲間の方に進むと、その方向にいる仲間を押し出すことができるのだが、実際には便利だと感じることはほとんどなく、間違えて仲間を敵の目の前に押し出してしまったり、罠を踏ませてしまったりするなど、ミスを引き起こす要因になることが多かった。
ちなみに、ダッシュで仲間の方に進むことで、場所を入れ替えることはできる。

仲間を増やす方法
これまでは、敵ポケモンを倒すと一定確率で仲間になってくれる、というものだったが、今作ではクエストをクリアしていくことによって、その報酬として決まったポケモンが仲間になっていくという方式。
狙ったポケモンを確実に仲間にできるお手軽感は良いのが、少々呆気ない気がする。
少なくとも、伝説のポケモンは多少なりとも仲間にするのに苦労するような位置付けにすべきだっただろう。

総括

ボリュームだけは確かに多いが、ゲームとしての出来が微妙なので、あまりやり込みたいと思わせない非常に勿体無いゲームだと感じた。
閉店ガラガラシステムをはじめ、多くのポケダンプレイヤーが楽しんでいた要素が軒並み潰されてしまっているため、はっきり言って駄作と言わざるを得ない。
こんなものを『集大成』などと銘打って本当に良いのか正直疑問である。

私の場合、途中までは妙なゲームバランスだと感じつつも普通にプレイしていたが、閉店ガラガラシステムの存在を知ってからは何が楽しいのか分からなくなり、そこでプレイをやめてしまった。
これまでのポケダンシリーズを楽しんでいた人ほど、今作の出来には相当ショックを受けると思われるので、手を出さない方が良いかもしれない。