ドカポンシリーズはIVのころからやっているが、321以降の
ドカポンの評価はどのシリーズも「まあ面白いけど、何だか
煮え切らないな……」というくらいに収まってしまう。
 「〜ザ・ワールド」も、残念ながらやはりそんな評価だった。
 
システム面
 職業による能力上昇のシステムはたしかに面白いが、本当に
プレイヤーの個性が出るのは何種類かの職業をマスターしてから
ではないだろうか。そうだとすると、このシステムが本当に
生かされるのは何十〜何百週の長期プレイである。これでは
友達が遊びに来たときなど、少ない週数で遊ぶのにはまるで
向かない。
 
ビジュアル面
 キャラクタデザインに吉崎観音を起用したのはよかった。
K@@がゲーム上で初出現したときは思わず笑ってしまった。
 でもやはり、あの「紙でできたキャラ」はよくないと思う。
どういう理由であんなビジュアルにしたのか……あれのせいで、
なんというか、開発元の底が見えてしまった感がある。
 
サウンド面
 ギャグ要素の強いドカポンに、なぜ古代祐三なのか。
 古代はたしかに有力なミュージックコンポーザーではあるが、
それはイースやアクトレイザーなど、シリアスなゲームにこそ
生かされるのであって、決してドカポンの作曲で同じように
活躍できるとは思えない。
 イベント戦(エリアごとの大ボス戦)の曲は臨場感があると
思ったし、フードバトルやドカ1の際に流れる曲も面白かったが、
気に入ったのはその二つだけで、とてもじゃないが開発元の目利きが
いいとは言えない。
 それと、声優のレベルが全体的に低い。
 
シナリオ面
 無駄にユーザを安心させる無難なストーリー。ドカポンという
ゲームにはシナリオなぞあまり必要ないのかもしれないが、もう
ちょっと凝ってもよかったんじゃないだろうか。
 ラスボスを攻略しても達成感がない。
 
総合的に見て
 コンピュータ相手でも全然気にせず遊んでいられるようなコア
ユーザにとっては、職業システムはやりこみ要素が強く良い。
 だが、長くてもせいぜい2〜3時間程度で終わらせるという
パーティゲーム本来の使い方でこのゲームを遊ぶと、非常に
つまらない。これでは新しいユーザは増えないんじゃないのか。
 僕はドカポンが好きだし、問題の部分をどうにかして、さらに
面白くしてほしい。