一通りクリアしてみての感想を

良い点

世界観
ハンターのあり方、ライダーのあり方、というものがきちんと定義されていて世界観が分かりやすい。
本家モンハンを知らない人でも十分に楽しむことができ、本作をプレイすることで、モンスターハンターの世界を知ることができる。

ストーリー
最近のRPGでは、周囲の人物に”ああしろこうしろ”と言われて主人公が言われるがままに動いてストーリーが進行していくというものが多いが、本作では主人公が自らの意思によって行動するため、自分の手で世界に介入し、ストーリーを動かしている感覚がある点は非常に良い。
ただし、ストーリーに関してよろしくない点もあるため、こちらは悪い点の方に記載。

バトルシステム
バトルのシステムについて、ただコマンドを入力して特技を撃ち合うのではなく、パワー、スピード、テクニックの3すくみの関係や、各モンスターごとのクセから相手モンスターの行動を推測し、バトルが有利になるようにこちらの行動に繋げていくというバトルシステムがとても斬新で好感触。
完全な運任せではなく「パワー系の攻撃が多い」「テクニック攻撃を2回使ったあとはスピード攻撃を使う」などのクセが各モンスターに存在しているため、バトルをたくさん行うほど、キャラクターだけでなくプレイヤーのスキルも向上していくというゲームデザインは大変素晴らしい。

グラフィック
3DSのゲームにしては綺麗。
本家モンハンとちがい、アニメのような可愛いグラフィックなのは個人的に◎

BGM
戦闘では毎回同じBGMが流れるのではなく、相手モンスターの雰囲気に合わせたBGMがいくつか存在するため、飽きが来にくい。

やり込み要素
ネタバレ防止のため詳しくは書かないが、エンディング後のやり込み要素も豊富で、しかもかなりやり応えのある内容。
持続性が長く、とても良いと感じた。

悪い点

ストーリー
本作のストーリーにおけるテーマのひとつが「絆」であるが、登場人物の多くがこの絆という言葉をあまりにも連呼するため、重みがなくチープに聞こえるのが勿体無い。
キャラクターの表情や行動で表現してくれると、もっと良かった。
また、終盤のストーリー内容が何かと腑に落ちない。
ハッピーエンドになっているが、それで良かったのか、という疑問が残る。

オトモン
本作での登場モンスターは108種類、そのうちオトモン(=仲間)にできるモンスターは61種類とかなり少ない。
特にエンディング後に登場する伝説のモンスターなどは仲間にすることができず、かなり残念である。
オトモンにできるモンスターで両生種や牙竜種などは数種類しかおらず、1種類しかいないものも存在する。
また、良くも悪くも途中から仲間になるパートナーのレウス(=リオレウス)が強すぎる。
特にエンディング前の冒険では、レウスさえ育てておけば大抵どうにかなることが多いので、もっと他のモンスターを育成することに必要性があると良かった。

対戦
上述の通り、まず対戦ゲーにする上で仲間にできるモンスターの総数が致命的に少なすぎる。
レアリティや能力の高いものに限るとさらに数は少なくなるため、みんな同じモンスターばかりですぐに飽きが来る。
また、対戦では各モンスターにほとんどクセがなく、オトモンは基本的にAIで動くため、読み合いというよりは運ゲーに近い印象。
結果、3すくみを持たないスキルの撃ち合いやアイテム合戦という状況になりやすく、対戦についてはあまり練られていない模様。
ポケモンやDQモンスターズほどの対戦ゲーブランドを築き上げているわけではないので、ある程度は仕方ないのかもしれないが、対人戦のプレイ人口がかなり少ないのも気になる。

ロード時間
マップ間を移動する際、毎回3秒程度のロード時間がかかる。
決して長いわけではないが、回数が多いので気になった。

処理落ち
街の住人がかなり近付かないとテクスチャが貼られていない状態になっている。
また、画面が一瞬フリーズするということが頻繁に起こるのも気になる。

アクセサリー
装備品の中でアクセサリーは各地の鉱石を採掘すると入手できるのだが、何が手に入るかは完全にランダムなので目当てのものを入手するのが大変。
また、冒険が進むにつれてとてつもない数のアクセサリーが貯まるので、持っているものの中から目当てのものを見つけ出すのに苦労する。

総括

私は本家モンハンは全く遊んだことがないのだが、そんな私でも十分に楽しむことができる内容で大いに満足である。
いろいろ不満点も書いたが、総合的にモンスターハンターというアクションゲームを上手くRPGに昇華できていると思う。
とりわけ、3すくみを利用したモンスターごとの特徴やオリジナリティのあるバトルシステムはゲーム性があり、個人的に相当ハマった。
ゲームの内容というよりは、モンスターの総数などコンテンツ不足であることに対して不満を感じたので、そこを改善すればもっと素晴らしいゲームになるだろう。
是非次回作を作ってもらいたい。