※過去に私が投稿したレビューが既にありますが、あちらはオリジナル版のレビューです。
こちらはプロフェッショナル版のレビューとなります。

良い点

追加ストーリー
賛否両論あると思うが、個人的には楽しめたと思う。
ジョーカー1やジョーカー2のキャラクターも登場するため、それらを遊んだことがある人なら懐かしく感じるだろう。

ライドシステムの完成化
オリジナル版では大型モンスターに乗れるが移動はできないという謎仕様だったが、本作では大型モンスターに乗って移動することができる。
小型モンスターを踏み潰しながら進めるのでなかなか爽快感があり、踏み潰したモンスターからは経験値も獲得できる。

通信対戦の快適化
通信対戦においても戦闘を倍速で行えるようになった。

主人公の移動速度
オリジナル版と比べるとだいぶ速くなった。

悪い点

追加モンスター
公式は新モンスターを多数追加などと謳っているが、本作で追加されたモンスターのほとんどがイルルカに登場したモンスターであり、このような言い回し自体が正しくない。
公式はやたら「ジョーカーシリーズ」というキーワードに拘って、テリワン3Dとイルルカを無視する傾向にあるが、モンスターズシリーズとしての前作はオリジナル版を除くとイルルカにあたり、これらのシリーズの存在も考慮すべきである。
また追加されたモンスターが相変わらず色違いで水増しされている点も気になる。
りゅうおうやハーゴンなどは登場しているが、人型のミルドラースやオルゴ・デミーラは登場しておらず、やたらドラクエ10のモンスターを出しまくってる割に重要キャラの冥王ネルゲルも登場していないなど、追加すべきモンスターが欠けている点も気になる。

ゲームバランス
今作初登場の新要素である「ライド合体」が良くも悪くも強すぎる。
具体的には、戦闘中に一時的に自軍のモンスター2体を合体させて強力な特技や特性を使えるようにしたり、行動回数やステータスを増やして強化したりすることができるというもの。
ストーリー中のボスキャラは合体して特技を連発するだけであっと言う間に戦闘終了、逆に合体しないと手も足も出ないという極端すぎるゲームバランス。
通信対戦においても「究極こうどうはやい」をはじめとする一部の合体特性が強すぎるせいで、ほとんどそれらの特性を持つモンスターしか使われておらず、すぐに飽きる。
オリジナル版でさえ同じモンスターばかりで飽きの早かった環境がさらに悪化している。

ストーリースキップ機能
オリジナル版を遊んだ人のためにある機能で、ダグジャガルマ戦終了後までストーリーを飛ばせるというものだが、この機能を使うとモンスターのレベルが上がらず、結局序盤のエリアでレベル上げをする羽目になるのでほとんど無意味だと感じた。
またスキップ機能を使うと、ライド合体やドローンなどの新要素のチュートリアルも飛ばしてしまうので、これらについてはスキップ機能を使用するか否かに関わらず一度やらせる必要があった。
そのほか、エンディングのスタッフロールは何故かスキップできないのも気になる。

配信モンスター
今作に限った話ではないが、相変わらず配信のやり方が何かと不親切である。
セブンイレブン等の全国チェーン店での配信はまだ許せるが、ルイーダの酒場やヨドバシカメラ梅田店など、全国8ヶ所しかないような店舗での限定配信はいい加減にやめろよと思う。
オリジナル版のキングスペーディオやデモンスペーディオにおいても、正規のデータより改造データが数多く出回るような事態になった。
毎回指摘されてるのに何故改善しようとしないのかと思う。

ソシャゲとのコラボ
イルルカでもDQMSLとモンパレとのコラボがあったが、あれで入手できるモンスターは本当にどうでも良いオマケモンスターという位置付けだったのに対し、今作のソシャゲとのコラボで入手できるモンスターは裏ボスを配合で作る上で必須となっている。
したがって裏ボスを作るためには、DQMSLや星ドラなどをプレイする必要がある。
それらのソシャゲを日頃から遊んでいる人であればさほど気にならないと思うが、能動的にそのソシャゲをやりたいと思ってやるのと、受動的にモンスターを手に入れるためにやらされるというのでは意味が違う。
コラボキャンペーン達成の条件もある程度それらのソシャゲをやり込んでいないと達成が難しいものがあり、致命的なマイナスポイントと言わざるを得ない。

ソシャゲのような縛り要素
”1日1回限定”みたいな縛り要素が多すぎる。
過去作から引き継ぎや闘技場のイベントバトルはともかく、裏ボスを作るのに必要なあるモンスターを手に入れるのに5日も待たされる上に、通信コインでの再入手もできない。
長く遊ばせようという魂胆が露骨すぎる。

総評

オリジナル版の発売から1年も経たずして発売された本作だが、はっきり言って開発を急ぎすぎだと思うし、時間をかけていないのがゲームの質にも顕れている。
オリジナル版で指摘された問題点のほとんどがそのまま残っており、代わり映えのしないモンスター、狂ったゲームバランスなどなど、手抜き感と雑さが目に余る出来だと感じた。

またソシャゲと同じような感覚で作られているのも気になる。
こういうモンスターを育成する類いのゲームはどうしても作業ゲーになりがちだが、その作業の中に楽しさを見出せるのがドラゴンクエストモンスターズシリーズの特長だと私は考えている。
しかし本作においては、親切さに欠ける配信方法や無意味な縛り要素など、目当てのモンスターを作る過程で得られる楽しさよりも、作業を自分のペースで進められないことによるストレスが先行してしまっている。
これは近年のDQMシリーズに共通する問題点のひとつであるが、本作は輪をかけたように酷かったと思う。

購入前こそオリジナル版よりは多少良くなっているだろうと思っていたが、寧ろその逆でオリジナル版よりも出来がよろしくない。
正直この出来にはがっかりした。
こんなゲームを集大成などと謳う以上、将来性にも大した期待はできないため、次回作は少なくとも様子見する予定。