ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
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ステージ41:伝説(?)のゲーム周辺機器、パワーグローブを知っているか?
以前このコラムで任天堂レボリューションのコントローラーの話をしたときに、「コレってPAXのパワーグローブの再来じゃないですか!?」と書いたんですが、はたしていまの若いゲームユーザーのなかに、パワーグローブを知っている人はどれくらいいるんだろう? となぜか急に気になってみたり……。つーことで、今回はパワーグローブの話をしてみようかなと。
時はさかのぼるこ1990年代初頭、PAX(パックスコーポレーション)という会社がパワーグローブという商品を発売したんですよ。とはいっても商品製作を手掛けたわけではなく、もともと海外で販売されていたものを輸入販売していたんですけど。
パワーグローブっつーのは、手袋のかたちをしたファミコン用の周辺機器でして、本体を手に装着して使用します。テレビに専用のセンサーを取り付けまして、手(グローブ)をテレビ画面にかざして、上下左右に動かすことにより、画面内(ゲーム)のキャラクターを操作することができるというシロモノなんです。とはいっても、そのセンサーの反応や認識は非常に微妙で、使いこなすのが困難なハイテクグッズだったんですが。でもまあ、初めてこの商品を使用してみたときには、斬新なテクノロジーに感動し、心ときめいた思い出があります。
で、このPAXという会社ですが、"PAXの仕業"と題して、さまざまな事業展開を行っていたのでも有名な会社なんです。"PAXの仕業その1"と題して、宇宙ロケットに自社広告を掲出。"その2"、パワーグローブ発売。"その3"、アミューズメントパークオープン。たしかこんな内容だと思ったんですが(うろ憶え)、知らぬ間に倒産しちゃったんですよね。倒産が"仕業その4"だったのかどうかはわからないけれども(そんなこと絶対ないが)、とにかくバブルなカンジだったのは憶えてます。
そういえば同時期に、発明家・ドクター中松こと、中松義郎博士にインタビューをする機会があったんですが、「もし博士が発明するとしたら、どんなゲーム機を作りますか?」っていう質問をしたんですね。それに対して博士は、「コントローラーを使わないゲーム機」と答えてくれたんですよね。当時は、そんなの作れるわけがない、なんて思っていたんですけど、よくよく考えてみたらそれってパワーグローブに近からず遠からずなのかも? コントローラーを持たずに直接体に装着して、体の部位を動かすことによりゲームを操作するパワーグローブは、まさに時代を先取りした(先取りしすぎた?)、いろんな意味で斬新なコントローラーだったと思うんですよ。
そんなわけで、テレビ画面に向かってコントローラー本体を動かしてゲームを操作するという意味では、カタチは違えど、任天堂レボリューションのコントローラーはパワーグローブに似てるなあと思うわけですよ。まあその性能は、レボリューションのコントローラーのほうが断然上だと思いますけど。
パワーグローブはアイデアとしては良かったんですけど技術的に追いついていなかったんですよねえ。けっこうそういうゲーム周辺機器ってほかにもたくさんあると思うんですよ。ま、機会あれば、過去のオモシロゲーム周辺機器などをまとめて紹介できればと思いますー。
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
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