2010年最高の期待作の一つである『TERA』のサービスが迫っている。

4年の開発期間、400億ウォンもの開発費、ノンターゲッティングアクション、歴代最高水準のグラフィック等様々な修飾語がつくNHNの次世代期待作『TERA』はMMORPGが好きなオンラインゲームユーザーならもちろんだが業界関係者達も大きな期待をしているゲームだ。

だが『TERA』も常に順調だったわけではない。過去3度に渡って行われたクローズドベータテストで、サーバーやゲーム進行等で失望感を与えたこともある。

しかしゲーム開発を行うブルーホールスタジオはそういった事を受けて8ヵ月という期間ゲームの大幅なリニューアル作業に入り、G-STAR 2010で新しくなったゲームの姿を公開し、ゲームの正式サービスが目前に控えていることを知らせた。

今正式サービスを目前に控えた『TERA』はどういった点が改善され変化を遂げたのだろうか。ゲームが成功するかどうかに関わるその部分について考えてみた。



<躍動的なアクションで緊張感と熱中度も上昇>

このゲームの最大の特徴と言ってもいい「ノンターゲッティングアクション」が明確に改善されている。アクション性の為にインターフェースが大幅に変更され、キャラクターの攻撃速度等も明確に速くなっている。その為プレイヤーは自身が操作するキャラクターをスムーズに動かす事ができ、より多彩なアクションを繰り広げられるようになっている。

また、連携スキルシステムも改編され便利になっている。特定スキルを使った時連携スキルがあれば画面中央に次に使用できるスキルが自動で出てきて、スペースキーを押すだけで簡単に連携を使う事が出来る。また3次クローズドベータテスト時と比べて多くのスキルが追加されより多彩なスキルを活用する事が出来るようになっている。

これによってノンターゲッティングを強調した『TERA』は今回のテストで特有のアクション性がより一層強調された事が確認されたが、職業によって戦闘の疲労度を感じる速度に明確に差があり、コントロール的な部分でもまだ不便さを感じる部分が残っている。また、職業も非人気職業に対する補完などが必要な部分があると見られる。





<新たなコンテンツ・マップの追加・インターフェイス改善>

オープンベータを控えた新たなコンテンツも登場した。まず最も注目したいのは「騎乗」が追加された点だ。簡単にボタンを押せば馬を召喚して乗る事が出来る。まだ騎乗戦闘が出来ない部分は残念だが、攻撃を受けて馬から落ちる等のモーションが確認されており、今後騎乗戦闘が実装される可能性を覗くことができた。

インターフェイスも明確に改善されている。ゲームは基本的にマウスを使用せずに進めていくが、ALTキーやESCキーを押せばマウスカーソルが表示されるモードに変更される。また、短縮スキルウィンドウの上にシステムメニューが追加され、直観的なアイコンとグラフィックによって簡単に把握できるようになっている。

その他にも新マップやダンジョンも増え、美しいグラフィックで表現されるフィールドが視覚的な面でやわらかくなり、過度に派手なグラフィックで目が疲れてしまうといった面もなくなっている。

今回のテストで最も明確に変わった部分はやはりコンテンツとインターフェイスの部分だ。アクション性が強調されたゲームだからこそインターフェイスの部分はかなり以前から改善が必要な部分だった。今回公開された姿は多くの人が満足する水準で、ゲームの正式サービス時にはよりよくなった姿でゲームの特性をより助ける効果を与える事が出来ると期待される部分だ。





<良くなったゲームの進行面>

ゲーム進行もやはりだいぶ改善されていた。過去のテストでは村別のクエストを完了しなければレベルが上がっても次のマップに移動できなかったが、こういった不便さが改善された。また、クエストやミッションでもプレイヤーが内容を見て直観的に把握できるように変更されている。

しかしまだ惜しい点はある。ミッションやクエストの目的と連結が多少不足している感じを受けるという点だ。派手なグラフィックで武装した多彩なクエストが多数登場するものの、プレイヤーがそのミッションやクエストを「なぜ進行しなければならないのか」「どんな目的があって解いていくのか」といった部分が把握できず、その点に若干の物足りなさが感じられる。

今回実施されたイベントテストを通じて『TERA』は既存の姿よりも明確に変化していることを確認できた。すでに述べたように若干の不足部分はあるもののNCソフトの『AION』以降初の月額課金制度に挑戦できるほどのコンテンツとゲーム性、面白さを持っていると言えるタイトルだ。

もう後は僅かの不足部分を補完し、プレイヤーをゲームの虜にするだけだ。果たして『TERA』が2011年MMORPG市場でどんな成績を収めるのか期待は膨らむばかりだ。