本作は、ゲーム中に表示されるメッセージを読み進め、時折現れる選択肢によって、ストーリーが変化していくアドベンチャーゲーム。
最初から「罪と罰と贖いの少女」編と「虚ろなる鏡界」編の二つのシナリオを楽しむことができる。
ストーリー
「天見修」は、現在科学技術と魔術の融合を図る『現代魔術師』の一人である。
日常世界に身をおきつつも、自分は非日常に生きる人間だということを自覚しているため、「魔術師」であることを隠し、周囲とは表面上の付き合いのみで、ある程度、距離を置いて日々を送っていた。
放課後の虹陵館学園の屋上で、修は、クラスメイトの「吾妻汐音」に告白される。
しかし修はその告白を断ってしまう。けなげに泣き顔を見せないように走り去る汐音に対して、申し訳ない気持ちになるが、修が生きている世界は、普通の女の子が知るものとはまったく別の世界。
彼にとって虹陵学園の学生であることは、世を忍ぶ仮の姿でしかなかった。
そのことで、汐音の友人であり、暮らす委員長の「紅野澪」が、修に食いかかってきた。
強い感情をこめて理由を問いただしてくる。
クラス一の才媛と名高い澪。その一方的な言い分に、さすがの彼も若干の反感を抱かずに入られなかった。
そんな修に遊び友達の「照屋匡」が妙な話を持ちかける。
「修は『ドッペルゲンンガー』って信じるか?」
街では自分のドッペルゲンガーを見たものは、行方不明になるという噂が流れていた。匡の幼馴染である「奈月香央里」が、どうやらそれを見てしまったらしい。
匡も他人事ではないと心配になったようで、修に、相談を持ちかけてきたのだった。
ドッペルゲンガーの噂を都市伝説程度に捉えていた修は、『図書館の魔女』と呼ばれる「黒芝かなえ」に話を持ちかけた。
美女ではあるが、どこか近寄りがたい雰囲気のかなえではあったが、丁寧に話をしてくれる。かなえの説明で、香央里の不安は払拭されたが、現代魔術師としての直感と、不穏な気配を察し、ひそかに一人で調査を開始する。
そんなある日のこと。澪が、人形のように美しい青い髪の少女と戦っている場面に遭遇する。
そこで澪が駆使していたのは、明らかに修が習得している「現代魔術」。
驚愕しながらも、修は圧倒的な力で吹き飛ばされ危機に陥った澪を見て、自ら魔術を開放する―――だが症状はそれを力で押し破り、沈黙したまま姿を消してしまった・・・・・。
さらに、数日も経たないうちに驚くべき事件が起こる。
青い髪の少女が転校生として、「百野栞」と名乗り、教室の姿を見せたのだ―――。
綾女ヶ丘でひそかに進行している連続失踪事件。利害が錯綜したまま、修たちと未知なる物との戦いが始まろうとしていた―――。