忍―――
それは遙か昔、戦国の世にあった影(かげ)の存在。
人の中に隠れ、探り、煽り、騙し、壊し。そして――殺す。
あらゆる闇の仕事を引き受けていた陰(かげ)の存在――
いつしか人々の心から消え去り、おとぎ話のように語られるだけに
なってしまった翳(かげ)の存在。
しかし彼らが人々の心から消え去ろうとも、幾年月日が過ぎようとも、人々の業は変わることがない。いまだ闇の世界に生きるものは必要とされ続けている。
そう。忍は今も存在しているのだ。
現代の忍の雇い主は、政治家や大企業の幹部たち。
強大な権力を持った彼らの中には忍を己の欲を満たすための道具と考えているものもいる。
そんな闇に動かされた悪忍たちに対抗するために政府はある。
プロジェクトを立ち上げた。
善忍―――そう呼ばれる国家所属の忍を育成する機密プロジェクトだ。そして育成するために作られた機関の名前は
国立半蔵学院