大正時代。
これは町の外れにひっそりと佇む、
全寮制のお嬢様学校のおはなし。
そこは休日の外出も禁止された、まさに“籠の鳥”。
寂しさも楽しさも、思春期の鬱屈も共に過ごす彼女たちは、
やがて「疑似姉妹」なる制度を作り出した。
お互いの一番大事なものを交換して、姉妹の契約をする。
卒業までの特別な関係。
しかしある日、「疑似姉妹」の契約を
交わした二人が心中をした。
二人はお互いの絆の象徴とも言える“大事なもの”を
抱きしめて絶命していたが、教師たちはその“象徴”を
元の所有者へと戻して事故死とした。
死ねばずっと一緒にいられる。
そんな思いで心中をしたふたりの絆は、
このとき容易に踏みにじられた。
時を経て、学校は衰退し廃校となったが、その直後から近所からはおかしな苦情が相次いだ。
何かを探す美しい女生徒が現れ、すすり泣く声が聞こえると。
悲しくすすり泣く、少女のこんな声が…。
カ エ シ テ