変わらないものがある。
変わっていくものもある。
それでも…帰りたくなる場所がある。
――雲間に隠れていた太陽が姿を見せると,夏が覆いかぶさってきた。
明日葉陽介(あしたば・ようすけ)は,8年ぶりに帰ってきた。彼の人生で恐らく最も重要な日々を過ごしたであろうその場所に。地に咲く太陽をほこらしげに立つ小さな建物・朧白(おぼしろ)教会,あるいは向日葵の教会に。
「よーーくんっっ!!!!」
「ほんとに,本当によーくん!?」
「ああ,ただいま」
8年前と変わらずに彼を迎えてくれる少女・詠(よみ)会いに来る少女・金剛石(だいや)待っていた少女・ルカそして,新しく出会う少女・ヒナ。
取り壊されてしまう教会を前に,ボロボロになっていた思い出の場所を再生していく,ノスタルジックな海辺の教会を舞台にした,明るく爽やかで,しかし切ない,ひと夏の物語――。