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■世界観
１９ＸＸ年。敗戦直前の某国陸軍にて、とある新兵器が開発された。自然現象をあやつる兵器「現晶」の力である。それは国を害するものを滅ぼす神の怒りとなり、某国はその大戦を優位な形で終戦に漕ぎ着ける。「現晶」の存在は秘匿され、天災によって戦勝国とも言える立場になった某国は、戦争の疲弊こそ大きいものの国際連盟を掌握。
その中枢部は世界最大の経済地区となり、２０世紀の世界を牽引する存在感を発揮したが、２１世紀に入ると土地、資源不足に起因する基盤の脆弱さを露呈する。
各国からの介入が増加し 国連主要国と経済冷戦の構図が出来上がると同時に、国内にはテロが頻発するようになった。
これに対抗する術として政府は 極秘裏に開発を進めてきた兵器類の投入を検討。すでに国内に潜伏しているテロリストを鎮圧する特殊警察部隊の設置を決定する。
■あらすじ
特殊警察部隊を養成する学園、私立鏡ヶ原警察養成第一学園に通う主人公、白銀正宗（はばきまさむね） は、日々訓練に励んでいる……のだが、彼がそもそも第一学園を志望した動機が、養成学園特有のバイトシステムにあった。
そのシステムとは、『バイト』という形で、警察、警視庁の仕事が入る、というもの。仕事の内容はそれぞれで、職場の『体験学習』に近い事務処理もあれば、ただ人手を埋めるだけの『雑務処理』、果ては要人警護のサポートなど、実践的で危険な仕事も存在する。
そして、それらには『バイト』である為報酬が支払われる。
正宗はこの報酬を動機にしていた。
更にこの『バイト』には、一般には伏せられている危険度の高いプロフェッショナルな仕事も存在していた。
それに対応するのは、学園の中でも選ばれた一部の生徒で構成されるチーム、通称『黒金班』。正宗は、この黒金班の副班長であり、実働部隊のリーダーを務めていた。
仲間であるクラスメイトや先輩、後輩とともに、学生でありながら日々現場に出て戦う日々。そして、そこから得られる報酬にしか興味を示さない性格が、周囲に確かな壁を作っていた。
しかし表向き、養成学園は普通の教育機関でもある。
そんな正宗におせっかいを焼いてくる委員長や、突然転校してきた幼なじみ、そして黒金班の 仲間を交えて、次第に正宗の周りにも、普通の学生が謳歌する青春の息吹が訪れようとしていた。
季節は冬。春まだ遠い時期の中、正宗が向かう春は如何なるものか。
