…前書き…
皆様の素晴らしい小説を読んでいる内に感化され、
私も投稿してみようかなぁ…。
等と思い、今に至ります。
しかし、
「好きと上手は、必ずしも一致しない。」
そう、
私はこれに該当しますので、
暖かい目で、寛大に読んでいただければ…と、思っております。
題材は、私自身が見た夢の話しですが、
やはり、夢…。完結していませんし、
バラバラですので、小説風に脚色を加えています。
題名も、しっくりくるものが無いので、
仮に付けております。
巧く構想が纏まってくれる事を祈りながら、
書き進めていきたいと思っております。
では、また…。
後書きでお会いしましょう…。
マセラティ No.11757401 2012年04月03日 06:11:47投稿
引用
1…第一夜
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11757424
2…違和感のある建物
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11757445
3…異音
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11762931
4…第二夜
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11769884
5…潜入
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11780991
6…遭遇(一般表現)
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11792153
6…遭遇(過激表現)
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11792198
7…潜伏
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11802161
8…爆発
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11829498
・中書き・
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11863769
9…静寂
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=11876495
10…打開
/forum/thread/420980/?guid=ON&o=12101521
11…第三夜
マセラティ No.11757424 2012年04月03日 06:30:38投稿
引用
作・マセラティ
私の名前は…
マセラティ…と申します。
平凡な人間です。
以前…
とは言うものの、大分昔の話ですが、
「怖い夢」を見た事があります。
その怖い夢が、鮮烈に脳裏に焼き付き、少し思い返せば直ぐに出てきます。
そこで、その夢を小説にして仕舞おうと思います。
1…「第一夜」
あれは、夏の真っ只中…。
寝苦しい程に暑い夜。
部屋の全ての窓を開け網戸にしながら、
私は、自分のベッドで目を閉じ、汗を拭い(ぬぐい)ながら…、
カエルや虫の声がざわめき、
耳障りに感じながらも、必死に眠ろうと……。
____
暑い…。
なんて暑さだ…。
私は…。…?。私?。
俺?。俺は…。…誰だ?。
…。仰木場…?。そうだ…。
仰木場 大助(おおぎば だいすけ)
高校2年になったんだ…。
俺は、自分のベッドで、Tシャツ1枚と短パンと言うラフな格好にも関わらず、
汗だくの状態で、大の字になり天井を見上げている…。
小さな部屋に、1つしかないガラス窓を全開にしているが、部屋の温度は下がる気配さえない…。
窓の外からは、夜中だが、車や工事中の賑やかなガヤガヤした音が入ってくる。
しかし、今の俺には、そんな音よりも、暑さの方が鬱陶しい(うっとうしい)…。
「あぁ!。駄目だ。寝れん!。」
俺は、上体を勢い良く起こしながら叫んだ…。
身体から汗が滴り落ちる…。(したたりおちる)
耐え兼ねた俺は、眠る事を中断しベッドから立ち上がった。
冷蔵庫を開け、スポーツドリンクと、横積みに並んだ白い布を1つ取り、冷蔵庫の扉を軽快に閉める…。
「…ウヒョー、気持ちぃ〜!。」
俺は、丁度良く冷えた先程の白い布…、おしぼりを自分の顔に押し当てた。
スポーツドリンクの栓を開け、一口飲む…。
腸(はらわた)に染み渡る感覚にしたりながら、何気無く窓の外を見た…。
俺が今、生活している部屋は、学校が無料で開放しているアパートの一室だ。
お世辞にも綺麗とは言えないが、学生生活には問題ない。
まあ、エアコンが無いが、無料なので仕方がない…。
利点の一つに、学校が正面にあると言う事もある。
「…ハァ…。」
俺はもう一口ドリンクを飲みながら、なけなしの風に当たる。
窓の外には、だだっ広い空き地がフェンスで覆われている。
窓から身を乗り出すと、右手側から涼しい風が頬を掠める…。(かすめる)
学校所有の、どでかいプールがある為か、そちらからの風は夏には幾分はいい…。
1年中、開放しているプールだ。
俺の学校の理事長は、太っ腹で有名らしく、子供から金を取る事が嫌いな、今時、珍しいおっさんだ…。
俺みたいな「つま弾き者」が入学出来た理由も、理事長のお陰らしい。
ここは、おっさんではなく、敬意を払って「理事長」と言っておこう。
首筋を拭きながら、そんな事を考えていた俺は、真向かいのビル…
空き地の向こうに立つ、これまたズッシリとした建物を見ていた…。
その建物は、非常に違和感を感じるものだった…。
マセラティ No.11757445 2012年04月03日 06:53:07投稿
引用
違和感の理由は、自分でも解らない…。
たまたま、窓際の通路を通る関係者らしき人物が、一律「白衣」を羽織っている事もある。
そのビルは一昼夜、煌々と照明を点け、何かをしているらしい…。
何の建物なのか、気にはなったが、調べる気も無く、ズルズルと今に至る。
何故、気になるか…。
それは当然、夜中眩しいからだ…。
エコだ何だと、騒がれている昨今、
一昼夜、電気をバンバン使い、タービンの様な重低音を1日中させているそのビルが、
気に成らない奴は、そうそう居ないだろう。
工場ならば解らなくもないが、外観は工場には見えず、
此処には数軒ではあるが、民家も点在している。
入居して間もない頃は、文句の1つも言ってやろうかとも思ったが、
隣の先輩が「たらい回しを喰らった。」なんて話を遠巻きに聞いたので、止めて黒いカーテンを学校へ申請した。
最近解った事だが、此方側…つまり、ビル側の寮生は皆、1度は抗議したらしい。
結果…。現状を見れば一目だな…。
そんな事を考えながら、スポーツドリンクを飲む…。
液体を口に流そうと、頭を上げようとした時、視界に違和感を感じた。
口に入ってきたスポーツドリンクを急いで処理し、若干、噎せながら、(むせながら)前方のビルを凝視(ぎょうし)した。
何かが、何時もと違う…。
毎日、見ている訳でもないが、明らかに、俺の記憶の中とは、合致しない「何か」があった…。
俺の記憶の中には、「白衣」を纏った兄ちゃん、姉ちゃんの姿しかない。
しかし、それは…1階に居た。
何かの…恐らく研究所には、似つかわしくない人物。
「…ガキ…か?。」
無意識に口にしていた…。
確かに、ガキ…子供らしき人影が見える。
ここからは、直線距離で40mは離れているだろう…。
正確な判断は、出来そうにも無いが、子供と言う事は間違いないだろう…。
この部屋で生活して2年目になるが、向かいの建物の中で子供を見た事は一度もない…。
俺はもう一度、凝視をした…。
その時だ…。背筋が凍る感覚に襲われた。
…その人物が此方を見ている…。
俺は、咄嗟(とっさ)に黒いカーテンの後ろへ隠れた…。
俺は…何故か…動揺している…。
いや…見える訳がない…。
向こうは煌々と照明が点いているが、此方は、真っ暗だ…。
しかも、その照明は部屋用乃至(ないし)廊下用の物…。
此方を照らしている訳ではない。
そう自分に言い聞かせ、直ぐに考える事を止め、
ベッドで寝ることにした。
無心になる事に集中した為か、
睡魔も丁度良いタイミングだ…。
これなら、眠れそうだ…。
マセラティ No.11762931 2012年04月05日 05:52:49投稿
引用
…。
…ガタ…。
…ジリ!…。
…ダン…。
…ジリリ!…。
…ドン…!。
「…何だ?。」
この蒸し暑い環境で、やっと眠りについたと云うときに…。
外からの異音。
直ぐ近くで行っている、夜間工事よりも大きい音がした…。
耳を澄ます…。
…。
聞こえない…。気のせいなのか?。
睡眠を妨害する程の物音は聞こえなかった…。
言い知れぬ思いに俺は、ベッドから起き窓の外を見た…。
向かいのビルが光っている。
いや…窓が紅く光を放ち、ビルが光っている様に見えていた。
「…なんだよ…?。」
目を擦りながら、凝視する。
何らかの「警報装置」の赤い電飾の色である事が解った。
窓際の通路を数人の人影が走っている…。
様に見えた…。
と言うのも、一面のガラス窓に写っていた人影は、
進行方向のもう一面のガラス窓には、何故か現れない…。
つまり、窓と窓の間の壁から出てこないのだ…。
転んだのか…。それとも…。
「…それともって、なんだよ…。」
へんな妄想を自分で否定した。
走っている人影は、恐らく「白衣」だ…。
電飾が紅いために、色が判らないが…、見た目が白衣の様だった。
その時だ、
遠くからサイレンの甲高い音が聞こえる。
それは、瞬く間に近付いて、俺の左手側の道路を奥から現れ、目の前のビル横に停車した。
梯子のついた消防車だった。
梯子車から1人の消防士が下車し、ビルの入口へ歩いて行く…。
中に入ろうとした時、ビルの中から、勢い良く人が出てきた。
警備員の様だ…。
大分、混乱している様に見えた。
いや…動揺しているのか…?。
しかし、その警備員と消防士は、
物の数秒間、会話をすると突然、
静かに消防士が車に乗り込んだ。
そのまま、サイレンを鳴らさずに、
警告灯(クルクル回る赤いランプ)を、点けたまま発進し、何処かへ行ってしまった…。
「…な!。」
「誤報」とでも、言ったのか?。
しかし、俺には警備員の態度が気になっていた。
何故だ?。と、思っている内に警備員は、ビルの中へ走る様に入っていった…。
どう見ても、異常事態だ…。
相変わらず、窓からは紅い電光が漏れ、辺りを照らしている。
しかし、この光景を異常と捉えているのは、俺だけの様だった…。
俺のアパートに住む寮生も、一帯の住民も、
ビルの異変に見向きもしていない…。
そもそも、異常事態なのかも、疑わしく思えた…。
集団心理の如く、俺は異変と捉える事を止め、窓から離れる…。
直ぐ横に置いてある飲み掛けのスポーツドリンクに気付き、手を伸ばそうとした…。
その時だった。
また、あの違和感に襲われた。
背筋がゾクゾクする感覚だ。
その時、ビルの一室に目が動く。
その一室は、紅く光って居らず、暗い…。
良く見ると、幾つかの部屋は、真っ暗だった。
先程の違和感を感じた窓をもう一度見る…。
真っ暗な窓際に人影がある。
それは、あの「子供」の様に見えた。
まただ…。動揺が止まらない…。
ピピピピ!。
五月蝿い(うるさい)音が耳元で鳴った…。
携帯電話のアラームだ…。
私は、夢から目覚めて仕舞ったようだ。
夢の記憶は、曖昧だ…。
だが、「あの子」がどうしても気になっていた…。
マセラティ No.11769884 2012年04月07日 19:24:10投稿
引用
相変わらずの蒸し暑い日。
私は1日の仕事を終え、疲れていたのか、
何もせずにベッドに横になりましたが、
暑さは、昨日より更に強く感じておりました…。
入浴し、汗を落としましたが、この暑さのせいで、体はびしょ濡れになって仕舞います。
そんな状況の中、ベッドの中で私が考えた事は、昨夜の夢でした。
「夢」というよりは、夢に登場した「あの子」の事です。
見た事は無く、明らかに只の夢の住人である「あの子」…。
その人物に、興味があるというよりは、
何故、私…私だった「彼」が、動揺したのか…が、非常に気になっておりました…。
…。
眩しい…。
紅い…。
五月蝿い…。
悲鳴…。
「…なんだよ。」
魘される(うなされる)様に、俺は、睡眠を妨害された。
この蒸し暑い夜、漸く(ようやく)眠りにつけたと思ったが、
窓に掛けてある黒いカーテンは、風で流されて仕舞った様で、その役目を果たしていない。
外から、紅い色の光が部屋に入り込み、俺の部屋を紅(あか)に染めていた…。
相変わらず、車と工事の音は鳴り続けてはいるが、睡眠を妨害する程の騒音では無い。
そもそも、俺は「悲鳴」で目覚めた筈だ。
不安と好奇心に駈(か)られた俺は、ベッドから起き、窓の外を見る。
そして迷うこと無く、一点を見つめた。
その一点とは、電灯のついていない真っ暗な部屋らしき場所…。
俺は凝視する。
見える…。
子供がいる。
ガラス窓に両手を着き、此方を見ている。
その表情は確認出来ない…。
その時だった…。
…助けて…。
声が聞こえた…様な気がした…。
窓ガラスに写った子供の口元を見る。
「…た、す…けて…。」
俺は、そう発した…。そう読めたからだ…。
その時に、また俺は動揺した。
言い知れぬ思いに突き動かされ、
ジーンズを履き、ジャケットを羽織った…。
もう一度、窓の外を見る。
子供の姿は確認出来なかった。
傍に置き忘れた飲み掛けのスポーツドリンクを一口飲み、ポケットに仕舞う。
俺は、窓も閉めずに、玄関へ走り出し、靴を履く。
アパートの階段を駆け降り、目的のビルへ歩き出した…。
アパートとビルの間にある空き地を通る。
フェンスはあるが、入れない事はなく、解放されている入り口から入った。
ジャリジャリと、音を立てながら俺は空き地を歩く。
一歩近付く毎に、ビルから低いタービンの様な異音が聞こえてくる。
目の前は、真っ紅(まっか)な光に包まれる。
やはり、警告ランプの光である様だ…。
ユラユラと、リズムよく回転している。
廻りは、人の気配はしたが、確認する事は出来ない。
また、ビルから、視覚的な気配はしなかった。
俺は、入り口を探し始めた。
そう、正面玄関では無く、裏口を…。
マセラティ No.11780991 2012年04月12日 23:22:47投稿
引用
ジャリ…ジャリ…。
空き地を横断する音が夏の夜に響く…。
俺は、タービン音らしき重低音が響くビルにゆっくりと歩んでいる…。
表玄関には行く気にはならなかった。
何故か…自分でも解らない…。
消防士と警備員のやり取りを見たからか、警備員に見付からない様に裏口への道を進んでいる…。
そんな事を考えている内に、裏口らしき扉の前に着いた…。
相変わらず、ガラス越しに警告ランプの紅い光が目を染める…。
俺は、ゆっくりと扉の取っ手に手を掛けた…。
夏の蒸し暑い夜風の中、ひんやりとした金属の冷たさを感じながら、手に力を入れる…。
「…あ…!?。」
その金属は、何の抵抗も無く動いた為、俺は声を出して仕舞った。
……ジリリリリ…!
扉を開けると、警告ランプの紅(あか)と連動する様に、警告音を上げている。
その音に一瞬驚いたが、気を取り直し、室内に足を踏み入れた。
室内は、微か(かすか)に何らかの気配を感じたが、目の前には長い廊下が、只続いていだけだった…。
幾つかのドアを通り過ぎ、奥へと進む…。
数歩進んだ時だった。耳障りだった警告音が突然、止んだ…。
俺は、無意識に歩みを止める。
一瞬、静寂に包まれたが、耳が慣れた時には、タービン音が足元から耳に入る。
コツン…コツン…。
その時だ…。奥から靴音が聞こえて来た。
前方の左側の窓と壁にライトの光がゆらゆらと、反射している。
その光が、T字路に入った時…
「誰だ!。誰か居るのか!。」
その声と共に、俺はライトの光に包まれた…。
マセラティ No.11792153 2012年04月18日 22:54:43投稿
引用
俺は、手で顔を覆い、光を凌ぐ(しのぐ)…。
警備員
「やっと、見付けた…。これは、どういう…?。」
「?。君は…?。」
大助
「!…あ…オ…。」
見つかって仕舞った…。
警備員
「…子供?。君は…誰だ?。どうして、ここに?。」
大助
「あ…オレ…、イや…。」
人と遭遇する事を想定していなかった俺は、言葉に詰まった。
警備員
「まあ、仕方ない…。さあ、早く出なさい。」
警備員は、俺を学生と見抜き、外へ追いやろうと、俺の肩に手を掛ける。
大助
「俺は…、助けに…。」
警備員
「?、助け…?。知人でも居るのか?。」
「私も、突然の事に、戸惑っていたのだが…。あ、いや…。」
その言葉を口ずさみ、一瞬、俺を追い出そうとした行為を中断する。
ピチャッ…。
その音は、俺を憎悪させた。
背筋がゾクゾグする。
「ぐああぁっっ!。」
突然、警備員が悲痛な叫びを上げた。
大助
「な!?。」
俺が、言うが早いか、警備員が倒れ込んだ。
警備員を見た時だ…。物凄い光景が目に飛び込む。
ゴトゴトした体表に、ネバついた粘液が付着した、
赤茶けた様な皮膚のトカゲの様な生き物が、警備員の足に食らい付いていた。
大助
「な…なんだ…!!?。」
警備員
「いぎぎ!。ハナ…セ…!!。」
噛まれた足の太ももを、押さえながら叫んだ。
俺は、パニックになった自分を強引に引き戻し、
何か方法がないかを模索した。
ポケットに手を入れた時、ある物体に触れた。
大助
「これだ!。」
俺はその物体を握り締め、
警備員に噛み付いた生物に、強か叩き付ける。
その行為なのかは解らないが、その生物は警備員から離れた。
間を置かずに、今度は、俺に向かって来ようとする。
俺は、その行為を静止する様に、
手に持った物体を振るう。
その時…俺の手からその物体は解き放たれた…。
ポカ…ビシャッ!
スポーツドリンクの容器は、
俺の手に頭だけを残し、生物にジャストミートした。
やっちまった…。そう思った…。
やられる…。そうも思った…。
グルルル…!
唸り声?を上げた生物は、その場で暫くもがき、
這うようにして俺らとは、反対側へ移動し、
廊下に面した通風口へと消えた…。
大助
「…。」
助かった?。と思ったが、
その考えは間違いである事に気付く。
ゴボゴドゴボゴボ…!
頭上で無数の何かが通風ダクトを動く音がする。
「こっち!。速く!!。」
俺の後ろから、キーの高い声が聞こえた。
その声を耳にした時、
先ほどの生物が退散した通風口から、
とても嫌な気配を感じた。
俺は、警備員の上着を鷲掴みにすると、
勢い良く…がむしゃらに引き摺り、
背後の声の元へ走った…。
マセラティ No.11792198 2012年04月18日 23:23:18投稿
引用
(此方が、本来ですが…注意して下さい。)
俺は、手で顔を覆い、光を凌ぐ(しのぐ)…。
警備員
「やっと、見付けた…。これは、どういう…?。」
「ん?。君は…?。」
大助
「!、ア…イ…。」
見つかって仕舞った…。
警備員
「…子供?。君は…誰だ?。どうして、ここに?。」
大助
「イや、オレ…。」
人と遭遇する事を想定していなかった俺は、言葉に詰まった。
警備員
「まあ、仕方ない…。さあ、早く出なさい。」
警備員は、俺を学生と見抜き、外へ追いやろうと、俺の肩に手を掛ける。
大助
「いや…。俺は、助けに…。」
警備員
「?、助け?。知人でも居るのか?。」
「私も突然の事に、戸惑っていたのだが…。あ、いや…。」
その言葉を口ずさみ、一瞬、俺を追い出そうとした行為を中断する。
ピチャッ…。
水の音…。嫌な音…。粘つく音…。
その音は、俺を憎悪させた。
背筋がゾクゾグする。
「!。ぐああぁっっ!。」
突然、警備員が悲痛な叫びを上げた。
大助
「な!?。」
ドサッ!
俺が、言うが早いか、警備員が倒れ込んだ。
そのまま、警備員を目で追う…
そこで物凄い光景が目に飛び込む。
ゴトゴトした体表に、粘ついた粘液が付着した、
赤茶けた様な皮膚のトカゲの様な生き物が、
警備員の足に鋭い牙を突き立て、鮮血を迸(ほとばし)らせている。
大助
「な…なんだ…!!?。」
警備員
「いぎぎ!。ハナ…セ…!!。」
血渋きが飛び散る方の太ももを、
押さえながら叫んだ。
俺は、パニックになった自分を強引に引き戻し、
何か方法がないかを模索した。
ポケットに手を入れた時、ある物体に触れた。
大助
「これだ!。」
俺はその物体を握り締め、
警備員に噛み付き、血で紅く染まった物に、強か叩き付ける。
その行為なのかは解らないが、
その生物は警備員から離れた。
警備員の足は、
膝下は無惨に歪み、肉がズボンと一体になり、
グズグスの血肉を辺りに撒き散らしている。
生物は、警告ランプの紅と警備員の紅に染まった口を大きく開き、
血肉がこびり着いた鋭利な牙を向け、俺に飛び掛かろうとする。
俺は、その行為を静止する様に、
手に持った物体を振るう。
その時…俺の手からその物体は解き放たれた…。
ポカ…ビシャッ!
スポーツドリンクの容器は、
俺の手に頭だけを残し、生物にジャストミートした。
やっちまった…。そう思った…。
やられる…。そうも思った…。
グルルル…!
唸り声?を上げた生物は、その場で暫くもがき、
這うように俺らとは反対側の廊下に、
紅い染みを残し通風口へと消えた…。
大助
「…。」
助かった?。と思ったが、
その考えは間違いである事に気付く。
ゴン、ゴン、ゴボ、ゴン…!
頭上で無数の何かが通風ダクトを動く音がする。
「こっち!。速く!!。」
俺の後ろから、キーの高い声が聞こえた。
その声を耳にした時、
先ほどの生物が退散した通風口から、とても嫌な気配を感じた。
俺は、警備員の上着を鷲掴みにすると、勢い良く…
がむしゃらに引き摺り、背後の声の元へ走った…。
マセラティ No.11802161 2012年04月25日 19:56:32投稿
引用
…真っ暗だ…。
…。
大助
「だ…大丈夫か?。」
俺は、警備員に声を掛けてみた。
傷を目の当たりにし、出血死してもおかしくない程、
酷くやられていた事の恐怖から、
声を掛けずには居られなかった…。
警備員
「…グッ…!。…ア"…。」
痛みで声を出せない様だが、
幸い「生きて」はいる様だった。
大助
「…電気は…何処だ…。」
「駄目!。」
大助
「おっ…!。」
キーの高い声が、俺の動きを止め、
同時に、体をビクつかせながら、驚きの声を上げる。
「電気は、点けちゃ駄目。」
真っ暗な部屋の中には確かに、
俺、警備員の他に、誰かの気配を感じた。
「光に反応するから…。」
続けざまに、声がする…。
俺は、呼吸を整え、その声の主と会話を始めた。
大助
「…君は…あれ何なんだ?。」
「兎に角、おじさんの足を治療しないと…。」
俺は、まだ、パニックに成っていた様だ。
大助
「あ、あぁ…。だが、見えなきゃ…。」
「黄色い光には、鈍いみたいだから…。」
そう言うと、黄色い光が目に飛び込んできた。
大助
「…おっさん、ベルトを外すぞ。」
おれは、声を掛けながら警備員のベルトを外し、
怪我をした足の太ももの付け根に巻いた…。
大助
「我慢してくれよ…。」
警備員
「…!!。」
声無き声が聞こえる…。
「これを飲んで…。」
声の主は、警備員に何かの錠剤と
ペットボトルを差し出し、飲ませている様だった…。
「…これで照らして…。」
そう言いながら、俺に黄色い光を放つライトを手渡してきた。
大助
「あ…あぁ…。」
それを受け取り、警備員を照らす…。
その時、髪の長い小さな子供が光の中に入ってきた。
大助
「子供!?。」
「…。」
俺は思わず叫んで仕舞った。
その言葉に、その子供は「苛立ち」を感じた様に見えた…。
しかし、そのまま、何も言わず、
消毒をし、ガーゼを宛がい、包帯を巻いている。
何とも手際が良かった…。
警備員
「…あ、ありがとう。」
警備員が声を上げた。
俺は警備員の顔を照らすと、額に脂汗をかいてはいるものの、
然程(さほど)苦痛の表情は見せていなかった。
大助
「もう良いのか?。」
警備員
「あぁ…。痛みが引いてきた…。」
「薬が効いてるだけ…。安静にしてないと…。」
大助
「何を飲ませたんだ?。」
「抗生物質と鎮痛剤…。」
大助
「な!?。…何でそんな物、持ってたんだ?。」
「ここ…備品室だから…。」
そう言われ、ライトで辺りを照らすと、
ありとあらゆる…とは言い過ぎだが、
可成りの備品が保管されていた……。
ミネラル・ウォーター、消毒液、薬剤、
緊急照明、消火布、小麦粉…atc…。
大助
「何で…小麦粉?。」
「…だから、備品室だって言ってるのに…。」
「オリーブ油、醤油、みりん…。」
大助
「あ…、そうか…(成る程)。」
調味料を確認しながら、
「消火布」を手に取り、警備員に掛けた…。
大助
「これしかないけど…。」
警備員
「す…すまんな…。」
警備員はお礼を言いながら、
自身の体に布を掛けた…。
マセラティ No.11829498 2012年05月11日 20:14:23投稿
引用
大助
「…大豆プロテイン。」
棚に置かれたライトを手に、
備品を品定めしながら、名を口にする…。
「…。」
警備員
「…。」
2人の沈黙を破ったのは低い声だった…。
警備員
「…お嬢ちゃんは…?。」
警備員は、掠(かす)れた声で問い掛けた。
「冴神の娘です。」
警備員
「サエガミ…。…冴神副所長の娘さんかい…?。」
冴神
「はい…。」
警備員
「しかし…何故?。」
冴神
「お母さんが、電話で…。」
少女は、少し寂しげに話し始めた…。
家に母から連絡が入り、慌てた様子で帰れないと告げ、切れて仕舞い、以降、繋がらなかった。
心配した少女は、母の白衣を着て、特別搬入口から入ったと語る…。
冴神
「所員の人とは、行き逢ったけど…。」
一層暗い声色に成った…。
泣いているのか…そのまま、語る…。
所員からあの化け物の漠然(ばくぜん)とした詳細と、所の見取図…主に出口への通路を…。
所員が化け物に襲われ、治療した様だが、再度襲われ、囮に成なり、自分は助かった。と、語った…。
大助
「出口…。俺が入った扉は…?。」
警備員
「裏口の事かい…?。あの扉は普段開かない…。たまに壊れるので…、修理の依頼を出した所だ…。」
冴神
「廊下は駄目…。警報器を止めないと、歩けない…。」
大助
「?。警報…。紅い光か?。」
冴神
「でも…警報器を止めてしまうと…」
声色が沈む…。
大助
「何で俺は、入って来れた?。」
今まで不思議に思っていた事をぶつけてみた。
冴神
「…!。音…。警報器の音のせい…。」
話の腰を折られ怪訝(けげん)な声で言った。
大助
「あ…(鳴ってたな…。(小声))音に反応する…か。」
警備員
「すまない…。私だ…消したのは…。」
冴神
「警備員室…。」
何かを考えている様に呟(つぶ)く…。
大助
「…光、音に反応するんだろ?。」
冴神
「紅い光…。」
大助
「紅い…ね…。」
俺は、そう言いながら「発煙筒」を手に持ち、発煙筒の取り扱いを読む…。
冴神
「ちょっと!。何やってるの!。」
と大きな声を出しながら、俺に黄色いライトを向ける。
大助
「な!?。何だよ!?。」
俺はそう言い、発煙筒をズボンのポケットに差し、手で光を遮った…。
冴神
「馬鹿な事しないで!。」
そう怒りながら近寄ってくる。
大助
「な、何の事だよ!。」
冴神
「発煙筒は紅いのよ。それに…。」
大助
「使うわけないだろ!。ガキじゃないんだ…。」
…ガボン…
その音は、俺達を静寂させるのに十分な音だった。
頭上から換気ダクトの薄い鉄板を何かが這う音。
ガボン、ドン、ボン…
ピチャッ…
警備員
「逃げろ!!。」
ガタンッ!
警備員の声と共に化け物が部屋の中央の換気ダクトから落ちてきた。
棚はバランスを崩し、備品を撒き散らす。
プロテインが散乱し、小麦粉が舞い散り、俺は噎(む)せ屈んだ…。
消毒薬が足元に転がってくる…。すると少女は、それを拾い上げ、化け物に向け、撒き散らした。
冴神
「火!!!。」
少女は叫ぶ。俺は無心で目の前の発煙筒を着火させ、化け物に投げつける。
ブワッ…!
辺りが明るくなる。
花火の様な光景だ…。
瞬く間に、備品室は、火に包まれた。
マセラティ No.11863769 2012年06月04日 19:06:09投稿
引用
「ボーン」と爆発して…中書き…。
別に話の続きが出てこない訳ではありませんよ。
時間がないだけです。
何で、今、中書きなのか…?。
書いている私にも謎ですが、
題名が「夢」…。
私の見た「夢」ですので「夢」なのですが、
皆さん、「夢」を小説にした事は?。
恐らくありませんよね。
何故か?。
それは「話にならないから」ではありませんか?。
色々な所が抜け落ちて、話の流れが成立しない…。
私は、当てはまります。
ですから、
要所の事柄はそのままですが、
繋ぎ合わせる部分は完全に「後付け」です。
しかも、前後が噛み合わない場所もちらほらあり、
修正する事が案外難しいです。
大分、「夢」からかけ離れた場面もありますが…。
残酷な表現というより、無惨な光景だったのですが、
書き過ぎると「消えて」仕舞う可能性もあったので、
結局、「過激表現」になっていなかった…ですね…。
漫画を描く方が好きですが、
小説フォーラムしかないので、小説にしてみました。
小説を全く読まないので、
小説に関しても、ずぶの素人です。
読んでいる方もいないでしょうから、日記みたいな具合ですか…。
1200文字に収めて書く事も中々ですね。
携帯電話では、1200文字以上になると、「ページが2枚目になる」ので…。
「捲る事」が嫌なので…私が…。
中書きがこれだけ書けたならば、
本編を書いても良かった様な気がしてきました…。
もしも、読んでいる方が居るならば、
感想を聞きたいですね。
「小説」に成っているかを…。
(^_^)
また、時間が出来た時には、
…「3人」がどうなったのか…、
書いていきます…。
マセラティ No.11876495 2012年06月14日 23:34:39投稿
引用
…。
ゴトッ…。
大助
「…っ。」
頭が重い…?。いや、痛いのか…?。
ガンガンする…。耳鳴りまでする…。
身体が動かない…。重い…。
俺は、ゆっくり目を開けた…。
真っ暗な部屋の天井…。蛍光灯は消えている…。
大助
「こ…ここは何処だ…。」
大助
「うわっ!。」
思わず驚いて仕舞った。自身の身体の上で、何かに手が触れた…。
「ううう…。」
その上の物体からキーの高い…聞き覚えのある声…呻(うめ)く声がした。
大助
「(なんだ…。)だ、大丈夫か?。」
俺は、その上の物体…少女に声を掛ける。
冴神
「ぃつっ…!。」
苦痛の声を上げながら意識を取り戻した様子だった。
冴神
「な…なに?。…!。」
ビックリして飛び起きる少女。
大助
「どうなったんだ?。」
俺は、痛む身体を起こし、ライトを探す…。
幸い、直ぐ近くに落ちており、拾い上げ、スイッチを入れる…。
目の前に、崩れた建物の残骸が写り込んだ。
大助
「なんだ…これは…。」
その光景に戸惑いながらも、辺りを見渡す。
ひしゃげた扉に身を落とした自分。
腕に手を当てて佇(たたず)む少女…。
大助
「派手に吹っ飛んだなぁ…。」
冴神
「なんで…?。」
少女が口にした言葉。
『何で』…
大助には何故か、その言葉の意味が良く理解出来た。
大助
「何で?。爆発しても可笑しくない状況だっただろ?。」
冴神
「?。」
少女には、理解出来ていない様だった。
大助
「小麦粉があれだけ舞ってたんだ。
『粉塵爆発』って、聞いた事あるだろ?。」
冴神
「あれが…。」
大助
「狙ってたと思ってたぜ…。」
冴神
「あの怪物は液体、火、塩に耐性が無いって聞いたから、だから…。」
困った顔になった…。初めて見た顔だ…。あどけないごく自然な少女の顔だった…。
大助
「あ、いや…。責めてる訳じゃないんだ…。
あの状況は、爆発するには最高の状態だっただけさ…。」
何とか、宥(なだ)めようと必死に弁解する…。
大助
「酵素と過酸化水素で、バッチリ高酸素状態…。」
冴神
「…過酸…化水素…?。」
大助
「消毒…液…。あぁ!…まあ、兎に角!。
化け物退治は無事、成功し…?。」
そう言った時、背筋がゾクッとした…。本当に化け物は退治出来たのか…。
静寂…。
何も聞こえない…。化け物の這う音も、涎の滴る音も…。
大助
「…。」
冴神
「…。」
互いに黙って仕舞った…。
大助
「と、兎に角。此処から脱出しないと…。」
起き上がろうとした、その時だった…。急に目の前がフラついた…。
俺は、派手に転んでしまった…。
冴神
「!。」
少女はビックリして俺に駆け寄る。
大助
「な…なんだ?。」
俺は、自分の状態が良く解らなかった…。
マセラティ No.12101521 2013年03月08日 21:38:09投稿
引用
真っ暗だ…。
何を見ているのか…。
何も見ていないのか…。
何が見えないのか…。
何も見えないのか…。
…。
何だ…。
……。
何か…聴こえる…。
……。
何を…言っている…。
…だい…。
何だ…。
…だい…す…。
俺…?。
だい…す…け…。
俺を…呼ぶ…。
ーーー
「…。」
真っ暗だ…。…いや、明るい?。
ライトか…。だが…。
大助
「う…。」
冴神
「…気が付いた…!。」
少女の声が聴こえる…。
声量は小さいが、少しだけ安堵の心境だろうか…。
大助
「おれは…。」
冴神
「動かないで…。」
そういうと、俺の顔にそっと手を置いた…。
冴神
「…ごめんなさい。」
大助
「?。な…んで…。」
冴神
「私を庇ったから…大助さんが…。」
大助
「…。」
少女の口から俺の名前が出た時…、何だかモゾモゾする感触に襲われた…。
大助
「おれは…べつに…かばっ…」
冴神
「私が扉にぶつかる筈だったのに、私を庇ったから大助さん、余分な怪我を…。」
俺は左手を頭に当てると、頭に包帯がぐるぐる巻きになっていた。
大助
「俺、頭を怪我したのか…。有り難う…。」
冴神
「え!?。」
大助
「手当てしてくれたんだろ?。」
冴神
「…。」
大助
「もう大丈夫だ。」
そう言い、身体に意識を集中する…。
?。頭に柔らかい感触…。
大助
「なぁ…。包帯で前が見えないが…。」
俺は、少女に包帯を整えて貰った。すると、目の前に少女の顔が…。
大助
「な!?。」
膝枕…。
慌てて起きる…。
大助
「す、すまない!。」
照れ臭い…。
冴神
「…?。」
少女は全く意識していなかった…。
その時だ。けたたましいサイレンの音が辺りを包む…。
冴神
「きゃっ…!。」
大助
「なんだぁ!。」
この建物を包囲する様に消防車が囲んでいる様だ。
大助
「助かった…のか?。」
「…おーい!。」
「誰か居ないのか!。」
冴神
「ここです!。ここに居ます。」
「扉が歪んでいる壊すから離れていなさい!。」
ガツン!。
ガツン!。
「大丈夫か?。」
冴神
「怪我人が居ます。」
「解った。もう少しだぞ。」