英語で世界に発信しよう：楽天出張所

1996年にバリエから発売されたスーパーファミコンソフト、テーブルゲーム大集合‼将棋・麻雀・花札・トゥーサイドは5人のキャラクターと4種類のゲームを楽しめるという豪華な内容である。スーパーファミコンソフトの中では海外でも愛好家はいるようで、英語で紹介するページもある。同時期にはサンソフトよりやはり将棋を含むテーブルゲーム4～5種類扱った、ゲームの達人シリーズが出ていて、ゲーム数を増やしたのはそれを意識したのかもしれない。今回紹介するのは5人のキャラクターの二人目、山本里奈である。レベルは２とあるが、レベル1の相手でも苦戦しているので、あまりレベルは参考になりそうもない。プロフィールを見ると16歳、コギャル、趣味スノボー、種族コギャル、特技タメ口とあるが将棋を指す側としてはあまり参考になるデータではない。


先手：私
後手：山本里奈

▲２六歩 △８四歩 ▲２五歩 △８五歩 ▲７八金 △３二金
▲２四歩 △同　歩 ▲同　飛 △２三歩 ▲２六飛 △６二銀
▲１六歩 △１四歩 ▲３八銀 △３四歩 ▲３六飛 △３三金
女子高校生で将棋に強そうに見えないのに、きちんと相掛りをよく知っているかの手順でビビる。タテ歩取りをにおわす▲3六飛に△3三金はタテ歩取り対策としてよく指される手。知らないとさせない一手である。
▲７六歩 △４二玉 ▲９六歩 △３二玉 ▲７五歩 △５四歩
▲７六飛 △５二金 ここまでは先手ひねり飛車で現れそうな局面。△5二金では△5三銀もあるところ。
▲６六歩 （第1図）先手の▲6六歩がやや疑問のの1手、先に▲6八銀とすべきところだった。ところが予測にない手を指されたためか、後手の指し手が乱れ始める。

第１図（▲６六歩まで）




△１三角
この△1三角は意味のない角のぞきで先手は冷静に受ければなんてことはない。こういう手は当時の他のソフトもよく指してくる、1三角に代えてGPS-fishが最善としたのは△3五歩▲6八銀△3四金の順。これなら▲6六歩をとがめられそうで後手やや良しか。このほかにタコ金と言われている△4四金、△6四歩、△2四歩も有力という。
▲５八金 △９四歩
▲６八銀 △２四角 ▲６七銀 △１五歩 ▲２五歩 △３五角
▲１五歩 △４二玉 ▲２七銀 △５三玉 （第２図）

第２図（△５三玉まで）



そして第2図では△5三玉！これは級位者の私が見ても悪形とわかる。△5三角ならまだまし。それ以降、先手は順調に優位を拡大し、

▲３六銀 △４四角
▲１四歩 △３五歩 ▲４五銀 △５五角 ▲５六銀上 △４四歩
▲５五銀 △同　歩 ▲６五歩 △４五歩 ▲１三歩成 △同　桂
▲５五角 △４三玉 ▲１四歩 △２五桂 ▲１三歩成 △５四銀
▲７七角 △６五銀 ▲１六飛 △７四歩 ▲１二と △７五歩
▲１一と △７六銀 （第３図）
第3図では△7六銀と角取りに来たが、
第３図（△7六銀まで）



▲３三角成
落ち着いて▲3三角成としたのが盤上この一手。
以下
△同　玉 ▲１二飛成 △３二銀
▲５五角 △４四角 ▲８二角成 △９九角成 ▲７七歩 △８九馬
▲５五馬 △４二玉 ▲３三金 △５一玉 ▲３二龍 △７三銀
▲４一飛 △６二玉 ▲８一飛成 △６七桂 ▲４八玉 △５九銀
▲同　金 △３七桂成 ▲同　桂 △６四銀 ▲７四桂

まで95手で先手の私の勝ち
将棋の思考は加藤一二三九段が制作に関わっている「夏システム」を使用しているとみられ、序盤は20手目くらいまでは定跡手で対応できるようである。ただ、同時期の他の将棋ソフトにみられる中盤で突然おかしな手を指す傾向はこのソフトにも見られるようでそれを突けば級位者でも勝てることであろう。