早いところでは3月終わり頃、多くは4月下旬頃現れ、6月中旬頃まで聞くことができる小型のセミ。本州(関東以南)から九州まで分布。 極端な偏食で、マツ林(アカマツ、クロマツ等)あるいはごくその周辺にしか生息しない。このため、生息しているところにはかなりの数の個体がいるが、いないところには全くいない。関東地方ではかなり減少しているようだが広島県ではもっとも広く分布する普通種の一。東北、北海道でハルゼミと呼ばれているのは本種ではなく、エゾハルゼミ。関東以南でも800〜1000mを越える山地のブナ林で5月中旬以降に出会うセミはエゾハルゼミの可能性が高い。
透明な羽、体は黒〜黒褐色。背中に緑と黒い紋。メスは褐色−赤味が強いがオスでもたまに褐色のものがいる。新鮮な個体では金色の微毛を帯びる。オスの腹部は薄い袋になっていて腹部先端は白い。体幅は狭く、特にメスはほっそりとしている。オスは体の割に腹部の共鳴箱が大きく長く、そのため翅が体に比して短く見える。
朝から夕方まで鳴くが、ピークは午前10時〜午後2時。3時をすぎると散発的になる。 合唱性があって、1頭が鳴き始めるとその周辺のセミが一斉に唱和する。と言っても シンクロしているわけではなくずれている。この合唱性はエゾハルゼミほど強くないように見える。また日照に対して強く依存していて、かなりの照りがないと鳴かないようである。休んでいるときにも、いわゆるヒマ鳴きをして「ギッ!」と一声鳴くことがある。しかしメスがすぐ近くにいるときに誘い鳴きをすることはないと思われる。交尾はV字型になるのが観察されている。
1回の鳴きがとても短いため、同じところで数回歌い、他の木に移ること(「鳴き移り」と言う)が 比較的少ないように感じる。
体が小さい割に声は大きい。しかし実際に姿を発見するのはかなり難しい。体が小さいことと黒くて 松の樹皮に溶け込んで見えるためと思われる。
鳴いている合間等枝の上でもチョコチョコと歩く。また木 にとまるときに、アブラゼミのように垂直にとまることを好まず横枝にとまることが多い。

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