1本のストーリーに沿って、次々起こる戦闘を、パオペエを手にお馴染みの仲間たちと共に戦う、というシミュレーションRPG風味の電脳紙芝居。
戦闘もむずかしくなく、ビジュアルも綺麗。

だが、原作があるゲームなのに、ほとんどオリジナルストーリー。
あまりの違いに、私を含め原作を知る人はまず

「このゲーム、封神演義として作る必要があったのか?」

という疑問が湧いてくるハズ。
そりゃ、確かに主人公がウン十歳のおじいさんでは作りにくいだろう。
とはいえ設定年齢21歳という太公望は如何なものだろう?
そんな青二才導士に仙界を委ねていいのか?

また、彗星のごとく現れては消えていく多すぎるキャラクターをゲームに取り込めとも言わない。
封神演義の魅力の1つではあるが、せめて上手い具合に抽出してくれれば、それでいい。
だが、肝心の原作で封神されるべき人(など)がされず、封神されない人を封神してしまったり、敵なはずなのに味方な人がいるのは如何なもんだろう?

他にも(ネタバレ含む)
「ありきたりな悪党になってしまった通天教主」
「竜君公主と婚約してる(らしい)ヨウセン(洪錦は登場せず)」
「トウセンギョクとイイ感じな太公望(土行孫は登場。しかし絡みは皆無)」
「原作には登場しないラスボス(厳密に言うと登場する。だが、キャラがまったく違う!)」

などなど。突っ込み所、怒り所、笑い所に事欠かない。

どうせここまでオリジナルにするのなら、ストーリー分岐を作り、この世が悪に破壊されてしまうってなENDを作っても問題ないと思う。

歴史ゲームの大手が送りだしたゲームなだけに、思いたくはないが、
「某雑誌の漫画連載に合わせて、あわよくばその人気に便乗を狙ったんじゃねーだろうな?」
と邪推したくもなる。

長々と書いてしまったが、原作ファンとして一言。

このゲームをしたからと言って、決して原作を知った気になるべからず。